2012年10月21日日曜日
Stance, Medical malpractice
#1 Stance for next several years.
大学院を辞める話をした。
まぁ特別なことではなくて、自分の中ではもう結論は出ていたことなんだけど。
むしろこれでこれからの方針がはっきりしてきた。病理診断、総合診療、統計の3つ。
そのためには来年1年間で病理診断のレベルを1人前に仕上げる必要がある。
これからの課題は剖検、細胞診、リンパ節・骨髄・腎臓・肝臓・脳。
あとは全体の底上げが必要。
総合診療的にはcommon diseaseをガイドラインに基づいた(なんとなくではなくて)きちんとした診療を心がける。
#2 Medical malpractice
いわゆる誤診や医療ミスなどと呼ばれるもの。
自分は医療過誤と言われないように非常に気を使っている。具体的には「あらゆる可能性を残しておく」ことと「具体的なフォローアップを提示しておく」ことなんだけど。
例えば不安定狭心症を初診の十分程度で確定診断するのは難しい。「不安定狭心症かも!」と疑っても空打ちのこともある。
かなり前に「胸部違和感」に対して前医(同じ病院)が午前中に診て胃腸炎と診断し、その後症状が収まらず夜間当直中に来た患者さん。
夜間の受診時は明らかな胸部違和感ですぐに心電図を撮ったらII, III, aVF上昇の見事な心筋梗塞(国家試験レベル)。すぐ転院搬送してもらったけど。
CPKの上昇も軽度だったし、話をよくよく聞いてみるとおそらく午後までは不安定狭心症→夕方くらいから急性心筋梗塞になったものと思われる。
その後患者さんは退院して当直先の病院に苦情を言ったそうだ。前医が誤診じゃないかと。
直接患者さんと話をしてないけど、事情を聞くと自分が「心電図を取ってないのか」とポロッと言ったことでそれが検査不十分だと患者さんが感じたのかもしれないと。
確かに言ったかもしれない。ただ、通常心電図の評価は前回の分との比較が重要でなかったら「ないのか」と言う。特に意図なく。
ただそれが否定的な文脈で取られたことは残念でまあこれからは気をつけようという程度(前医も少し悪い、胸部違和感で受診しているのに受診時に症状がないことと腹痛下痢がたまたまあったために胃腸炎としてしまっている。カルテを見てもいつのまにか主訴がいつの間にかどこかへ行っている。心電図は最低でも取るべき。もっともとってもなにも出なかったかもしれないしその可能性が高いけど。それを踏まえてニトロペンを処方すべき)。
とまぁいろいろ考えるところはあれど、他医の批判は基本的には御法度(ただ、1度だけ歯痛の患者さんが歯科に電話したら内科で痛み止めもらえと言われてきた、というのにはさすがに切れたけど。歯科医師法に違反するから)。
ちなみにその患者さんには前医の悪口はなるべく言わずに「症状が出なかったからわからなかったかもしれないですねぇ」とかばうような発言をしたつもりだったけど(まぁ実際そう、初診でカテをせずに狭心症の確定は難しい)、文句を言いに来るということは多分多分転院先で言われたんだろう。「その症状は明らかに不安定狭心症でもっと早く治療すれば緊急で治療しなくても済んだかもしれない」とか。
大病院の若い先生は得てして自分が偉い、という錯覚に陥る。自分が正しい、結果的にはそうなんだけど、背景を考えずにそういう言い方をするとあとで必ずしっぺ返しを食らう。(検査ができる環境、後医の方が必然的に診断精度は高くなる、そういう環境に胡座をかくともし間違えた時に集中砲火を浴びてしまう)
自分はそうではないように、と一応気をつけているつもり。実際はどう見られているかはわからないけど。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿