hirokickman: あっ、これ?英作文用法事典っていうもの。何か面白そうだったから。
ma: どういう本なんですか?
hirokickman: 色々な日本語の表現に対して英語でどういうか、といういくつかのパターンを示していてそれが英米人のインフォーマントにとって自然かどうかを検討する、というもの。
ma: 何か難しそうですね。
hirokickman: そんなことはないよ。読んでみると結構面白い。例えば
宿題を終わらせた
I finished my homework.
I completed my homework.
どっちが正しいと思う?
ma: えっ、両方とも正しいんじゃ…。
hirokickman: 確かに文法的には両方とも正しいのかもしれない。しかしこの本によれば、finishを使った場合は全員のインフォーマントが正しいと答えているが、completeを使った場合は半分が正しくないと答えている。
ma: へぇ、意見が割れることってあるんですね。
hirokickman: 考えてみれば当たり前の話で世の中絶対なんてないからね。ちなみにcompleteが何でいけないかというと「普通はこういう言い方をしない」とか「かしこまった表現」とかいうコメントが付いている。
ma: 何かこれまでは正解を一つ選ぶことばかりに注目してました。正しいものと正しくないものの間のfuzzyなものがあるんですね。
hirokickman: これは考え出すと結構難しい問題でね。よく学校の先生は「答えは一つじゃない」なんて言っているけど、彼らが要求している答えはしばしば、いや、たいていは一つであることが多い。「試験」のことを悪く言うつもりはないけど、やっぱり多かれ少なかれみんな影響されているんだと思う。
ma: 試験の弊害なんてよく言いますね。
hirokickman: 一つの答えというけれどもね、これまで色々な人に英語を教えてきた経験からすると、とりあえず一つの答えを出すところまでなかなかたどり着かない人が多い。たとえば、ドアを開けてくださいでも
ふと思いつくものを書き並べてみたけど(Lighthouse英和辞典に確かこんなんがあったよ)、多分生徒は一つや二つが関の山だと思う。実用的にはどれか一つ思い出せばよいわけで、教える側もそんなには期待していないんだ。
Open the door.
Open the door please.
Will you open the door?
Will you please open the door?
Would you open the door?
Would you please open the door?
Do you mind if you open the door?
I would be grateful if you could open the door.
ma: こんなには思い浮かびませんね。そういうのを見ると「とりあえず一個!」って言いたくなります。
hirokickman: 多分、とりあえず一個覚えておいて、それが十分使えるようになったら他にも色々な言い方を学習しなさい、ということなのだろう。しかし実際はその一個覚えるまでたどり着かないこともある。
ma: じゃあ結局この本は上級者向け、ということになるんですね。
hirokickman: まぁそうかもしれないが、でも最初にあげたfinishとcompleteの違いみたいなものは学習を進めていく段階で必ずぶつかる疑問。それを乗り越えた先にもっと広い世界が広がっているのだろう。
ma: 何か格好いい結びになりましたね。
hirokickman: ちょっと舌が滑りすぎた。というわけでさっき試験の弊害といったけど、その弊害の一つに「問題があったら解いてしまう」という習性がある。というわけで次の括弧に適切な語を入れよ。
I played tennis ( ).
ma: えっ、これだけじゃ分かりませんよ。
hirokickman: まぁこれはクイズ100人に聞きました、みたいなものw
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