2012年11月24日土曜日

Health promotion

#1 Health promotion
自分の理解ではヘルスプロモーションとは健康増進のための公共政策(公衆衛生上の課題)と認識している。

それはさておき、外来で患者さんに対して運動をしろだの、食事制限をしろだの言っている。

実行するかどうかは別にして大体は「はい、わかりました」と聞いてくれる。まぁでなけりゃ何しに病院来たの?ってことになる。

行動変容を起こすのは難しくて一般的には
  1. 無関心期:6ヶ月以内に行動を変えようと思っていない
  2. 関心期:6ヶ月以内に行動を変えようと思っている
  3. 準備期:1ヶ月以内に行動変容に向けた行動を起こうとしている
  4. 実行期:行動を起こすがまだ6ヶ月未満
  5. 維持期:6ヶ月以上行動が続いている
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-07-001.html

と5段階に分かれている(禁煙の研究から得られたものだそう)。これに従えば病院に受診する人は関心期 or 準備期にいるのだろう。病院を受診するというのが行動とするならば、とりあえず実行期になるか。

順調に維持期に行くかと思うとそういうわけではないのだろう。外来診療をする立場からすれば維持期の人が多い(ように見える)けど、実際は途中でドロップアウトした人をもう一度どうやって軌道に乗せるかが重要な気がする。

健診というのはそのためにあるのかもしれない。健診結果で異常が出ると、ほぼ義務的に受診させる会社がある(本人も嫌々ながら受診するけど)。法律で決まっているのかな?

基本的人権の問題もあるけど、個人的にはとても素晴らしい制度だと思う。「自分の体のことを自分がいちばん知っている」わけではないので。

#2 Depends on each person
個人的には外来ではあまり強く言わない。指示に従わず不利益を被ることになっても、結局は自分の責任ということになるから。ただ、こちらに責任が被らないように適宜情報提供はしていくだけ。「これこれしないとこうこうなるかもしれません」とか。

というとすごく冷たい人間に思われるかもしれないが、実際のところそんなもん(あまりに非協力的な患者さんに対しては)。

普通は「いや、、、そうなんですけど…」とお茶を濁して態度保留にすることが多いかな。そういう人にはネガティブな情報だけではなく「今のうちから●●すれば◆◆になりますよ!」とポジティブな情報も伝えると、心が動きやすい(今の自分でもまだ大丈夫なんだ!と)。

自ら改善しようと思っている人や改善したいがどうしたら良いかわからない、という人に対しては援助を惜しまない。なるべく褒める。褒めちぎる(実際に改善しようという意志はそう簡単に言えるものではないし)。

自分の性格上、かなり現実主義なので、無理そうなことは最初から言わない(ただし、脳梗塞、心筋梗塞後の禁煙など一部では「死にたいの?それとも吸いたいの?」と判断を迫ることはある)。「1日1万歩」なんて自分でもやっていないことをどうやって人に説得できるのかと。目標は目標でさておき、いったい今の状況からどこらへんまでなら達成できそうなのかを考えることになる。

上からの天下り的な指示は受け入れがたい。なので
「とりあえず悪玉コレステロールが目標値から比べるとこれだけ高いです。今のまま続けば薬を飲んだほうがよさそうですね。でもコレステロールは食事からなので基本的には食事療法からになります。どれくらいか摂取したほうがよいかはご自身で調べてみてください。味気ないものを食べ続けるくらいなら、ちょっと美味しい物を食べて薬を飲んだほうが良いでしょう。ご自身でこれくらいならまぁ我慢できそうだという妥協点みたいなものを探っていこうと思います。もし調べてもどういうものを食べればよいかよくわからない場合は栄養士さんから話を聞くこともできます。その際は普段料理をされる方と一緒に話を聞いてください。ちなみに●●さんは▲cm, ◆◆kgで理想体重は◆kgくらいですね。デスクワークが主なので大体●kcalが1日の摂取量の目安です。本屋さんやインターネットでいろいろな食べ物のカロリーが載っていると思います。それを参考にしてみてください。3ヶ月ごにもう一度採血をしましょう。その時点で高ければ薬を飲みはじめましょう。」
という。半分ちょっとくらいはこういうと頑張ってコレステロールを下げてくる。もう半分はなかなか下がらないけど、それでも「まぁ急に下げるのはなかなか難しいですよね。ただ、このまま放っておくと将来脳梗塞や心筋梗塞になる確率が高くなるので薬を飲みはじめましょうか」という。

投薬でコントロールされている人は検査も定期的にするので問題ないんだけれども、問題はさっきも言ったドロップアウトする人。自営業の人や主婦で健診を受けていない人がいる。

多分厚生労働省の偉い人たちも悩んでいるんだろうけど。

2012年11月17日土曜日

November.

#1 Review
今年の反省。本当は12月くらいにするけど、ちょっと早めに。

#1-1 臨床的なこと

診療マニュアルが少し進んだ。あと循環器系のいくつかの疾患を埋めていけば大体の内容は網羅されていることになる。Up to dateな内容はなるべく追いかけるようにはしているけど、実際の処方レベルでの変化というのはあまりない。外来でよく見る糖尿病、高血圧、高脂血症なんかは基準はいろいろあるけど、結局のところ「個人に合わせた目標値を」なんて言われるとなんだかヤル気が失せてしまう。とりあえず道を外さない程度の診療を心がけることに。この時期に一から勉強というのは結構難しくてやっぱり症例ベースで疑問を調べていくほうが賢明なのかもしれない。

#1-2 病理診断のこと

こればっかりはやってもやっても道が見えないような気がする。できたと思ったら足元をすくわれる。多分そういう試行錯誤の繰り返しの中で徐々に確立していくのだろう。生検を見だして変なのが多いけれども、qualityが安定するまであともう一年くらいは必要だと思う。来年辺りからそろそろ細胞診の勉強もしなくちゃいけない気がする。

#1-3 研究的なこと

何か研究をしているわけではないので「研究的な」という胡散臭い言い方のほうがあっている気がする。診断に関することで頭がいっぱいであまり「研究的なこと」にresourceを費やす余裕が無い。

#2 So many things to do. What to do first.
やりたいこと、やらなくちゃいけないこと、やってもやらなくてもいいこと。今年は特にいろいろあってそれらがごちゃまぜになってしまったような気がする。

ものごとの優先順位をつけてしなくちゃいけないのにそれができていない。人に対して言うのは簡単だけれども、行うは難しといったところか。

あと1ヶ月半だけど、優先順位をつけて消化させていかなくちゃいけないのかもしれない。いわゆるto do listの活用、といったところか。

#3 Book scanning
現在本の自炊中。本はどんどん増えていくから読み終わったり、もうしばらくは参照しないだろう本はどんどんスキャンへ。

本がPDFになって持ち運びができるようになるというのはepoch makingな出来事だと思っていたんだけど、本屋でふと紙の英和辞書を手にとって見て、なんかそうでもないなと思い直した。

手に持った感触、そこからパラパラとめくって単語が次々と目に入ってくる。これをPDFなどの電子書籍で表せるのか?ページのめくりやすさ。まだ紙の辞書の方が優っているところが多いような気がする(ちなみに電子辞書も持っているけど)。

ただ、こういうのもいずれ時間が解決して、やっぱり電子書籍がいいよね、という結論になるのだろう。