2013年9月1日日曜日

Past, present, future

#1 Good samples were embedded somewhere
なぜかこのタイミングで自分が中学生から高校生の時(10年以上も前だ)に購読していたNHKラジオ講座のテキストのことを思い出した(ネット検索したら98年だそうだ…)。
You may think it's silly, but you have to be cool.
Totally.
Sounds to me like you've been judged by your looks.
We are, but that's the quickest way to fit into a quick.(なんか文法的に違う気がするけど…そう思いだした)
まぁ分かる人だけわかってもらえばいいんだけど。あとはやさしいビジネス英語のThere are two kinds of people...シリーズ。あまり深く考えずに音の運びが面白いとかそんんなんでずっと勉強していたような気がする。

自分も歳を取るんだなぁ、と当たり前のことを実感。この頃に作った財産で今を生きているわけで、これからの財産を作っていかなくちゃいけない気がする。

#2 Talk with the professor, again
また部長と話し。大学院を辞める話をしたけど、また休学になってしまった。どっちにしろ学費がかからないし、変わらないから別にいいんだけど。

自分はもともと研究とか好きだったような気もするけれど、少なくとも今の環境下ではしようという気には全くならない。

一人で自立した時もしくは、きちんと指導してくれる上司に巡り会えた時にすることになるのだろう。

あと1年半で次へ行こうと思う。

まぁこれまでの人生でどこへ行ってもそれなりに何とかなるだろう、という気持ちでいたけど、今回ばかりは本当に何ともならなかった。次はちゃんと見学してから行こう。

#3 To do next.
●●をしたい、××をしたくない。

これからの目標として、自分に素直になると病理診断とPathology Informaticsの融合になるのだろう。Big Dataの解析(≒データマイニング)というのは自分が学生の時に講義でそんな領域があるんだーと感動した記憶がある。

今流行のみたいに取り上げられているけれど、そういうのは何年も前からなされているもの。まぁここ最近のPCの性能upも少なからず貢献はしているのだろうけど。

病理画像からの自動診断もしくは病理画像とmolecularの関連に統計的な考察を含める。形態診断の習得は色の習得に似ていると言われることがあって、色々な「青」を見てようやく青はどういうものかを知る、というもの。データマイニングの得意とする分野の一つではないか。

自動診断システムには個人的な夢もあって、考想をねってみたこともある。臨床情報からキーワードを抽出し鑑別診断を列挙し、その鑑別診断を確認するための追加検査を提示する。これらを繰り返せば自動診断システムが出来上がる、かもしれない。

人間はそう単純じゃないんだよ、と言われるかもしれないが、細かく切り分けると最終的には単純に振り分けざるを得ないのもまた人間(保険診療上は病名を付けざるをえない)。

自分がこの先10年にこなす課題が見えてきたかもしれない。

In my bag, in the diagnostic pathology setting

#1 In the diagnostic pathology setting
前回は臨床をやっている時の状況を書いてみた。今回は病理診断をするときによく参考にしている本たち(一応卒後5年目、病理ストレート、診断専従)。

・Quick Reference Handbook for Surgical Pathologists
どこかのレビューで書いてあったが必要な物は全て入っており、必要のないものは一切入っていない。まさにその通り。免染一覧や、癌取扱い規約等のいわゆる決まり事を全て1冊にまとめた感じ(当然アメリカ仕様だけど)。免染の原理や各抗体の詳しい説明はあまり日本語の本では見られない。結構重用。


・Differential Diagnosis in Surgical Pathology
この本は脅威。ほぼすべての領域について箇条書きで書いてある(腎生検、骨髄は除く)。Macro/Micro/IHCの項目は的を得ているものが多く、鑑別診断も項目を並べるだけではなくて鑑別ポイントもきちんと記載している。

この本があるから病理診断の研修をなんとか生き延びることができていると言っても過言ではない。

みんな知っているだろうからあまり言わないけれど、非常に良い。

・Modern Surgical Pathology 2nd edition
普通はRosaiやSternbergなんだろうけれど、なぜかこれを買った(安かったから?だっけ)。結局その後Rosaiも買ったけど、Rosaiはどちらかというと本棚行き。

Rosaiは疾患に対するひと通りの情報を知るときには有用でまさに教科書。でも写真も少なくてしかも字が小さい。まだ目は悪くないけど、ちょっと読みにくい。

Modern Surgical Pathologyはどちらかというと後発組。他の教科書と同様内容に若干の粗密があるけれど、結構良い。

個人的にはDDx in surgical pathologyでなければModern surgical pathologyを調べてなければ外科病理学へと進む。

・外科病理学
もはや語る必要のないくらいの名著。深みには若干かけるが、診断に必要なことはほぼすべて書いてある安心感。英語の教科書を探してもないものがここにはある(特にどうでもいいようなminorな病気など)。

改訂版が出たら買おうと思っているけれど、出る前に専門医試験がやってきそうな感じ。

・Histology for Pathologist
自分でも持っているが、診断室の本棚から見ることが多い。最初は普通の組織アトラスを見ることが多かったけど、最近はこっちを参照することが多い。

あとは変な病気が出てきた時に各参考書を適宜調べる程度。それでも分からなければ誰かに聞く。

In my bag, in the clinical setting

#1 In the clinical setting
鞄の中の医学書たち。

話をするときは「最近のエビデンスでは…」とするが、実際の処方画面や検査オーダーでは、エビデンスとはかけ離れたexperience or textbook based medicineが展開される。

いわゆるエビデンスは全てを答えてくれるものではなくて、聴診するときの聴診器の持ち方や聴診時の左手の置き場所なんかを教えてくれるわけではない。

ガイドラインなんかも、一見凄そうだけど、エビデンスが少ない領域ではとても心もとない。裁判の時には「腐ってもガイドライン」でガイドラインを順守しなければ、負けるのであろう。

それでも答えてくれることは多いし、これからも増えてくるとは思う。

話題がずれたので戻すと、今外勤先に行く時に鞄の中に入っている教科書たち

・レジデント初期研修用資料 内科診療ヒントブック 改訂2版

勢い余ってamazonにもコメントを書いてしまったけれど、かなり優秀。何がなんだか分からない時にこの本を頼りに検査を出していく。まぁある程度出せば専門家にバトンタッチなんだけど、穴を潰しにかかれるので秀逸。分からなかったらこうする、というのは取り敢えず「一晩何とか殺さずに様子を見る」、というニュアンスにも取れるが、経験がなくてもなんとかなるというのはありがたい。

・今日の治療指針2012
新しいのに買い換えようかと思ったけれども、隔年おきでも良いかと思って、来年のを待ち中。正直診察室に1冊置いておいてほしい。週1回の外来で全ての疾患の最新情報をフォローするのは無理なので、気になったらなるべく見るようにしている。最新の薬は大きな声では言えないけれど、周回遅れでも問題ないし、他の先生が使い始めたら倣って使うようにしている(副作用などの問題もあるのと最近の新薬はほとんどが同系統の新薬で積極的に変えるメリットが少ない)。

・画像ポケットブック
CT, MRIの正常構造のこれってなんだっけ?という時に。参照機会はあまり多くない。こういうのはTablet PC等の中に入っていたほうがよいかもしれない。。

・Tablet PC
自家製レジデントマニュアルを入れている。一見便利かとおもいきや、検索がしにくく、実際の外来では患者さんを待たせてしまうため、登場機会はほとんどない。これは改善すべき問題。

・体温計、SpO2モニター, 聴診器, ボールペン
聴診器はMaster Cardiologyを買ったが膜が壊れてしまったので、今はClassic IISEに戻っている。Cardiologyは確かに聴きやすいけれど、Classic IISEでも十分(さすがに大人のおもちゃだと雑音が入りすぎる、使えないことはないけど…)。体温計とSpO2モニターは看護師さんや事務がバイタルを測ってくれないことが多いので。風邪の患者さんにSpO2を測定しないって…。一度院内勉強会でバイタルをぜひ測定してほしいと理由をつけて講義したけれど、無理そうなので。あと電子カルテになってもボールペンは必要。使う機会は格段に減ったけれど。

・あったらいいなと思うもの
患者さんへの疾患説明用図。また血液検査の説明図。服薬アドヒアランスが良くないのは患者さんが病気に対する理解が不十分だからだとしばしば感じる。40歳男性でも80歳のおばあちゃんでそれぞれの理解度に合わせた説明は可能だと思う。「高血圧は高い圧が続いてその衝撃で血管の壁が硬くなる病気なんだよ」といえば大体わかってくれる。今度やっぱり作ろう。

・意外といらないもの
いつか読むと思っておいている教科書たち。早く取り込んで処分しよう。多分もう読まない。



雑多感

#1 Something that you cannot do with it.
NHKのテレビでいじめ問題を尾木ママが相談に乗っているもの(一部しか見ていないから本当は違う番組かもしれないけど)。

相談できる相手がいない、から相談しても、何も変わらない。

相談すれば解決する、と思っているのかもしれない。

社会に出ればそういう問題はたくさんある。なので仕方ない、という見方もあるけれど、子供にその現実を突きつけるのはかなり厳しい。

少なくとも社会に出てある程度一人前になるまではきちんと守って上げる必要があるのではないかと思う。

#2 Airport.
羽田空港で飛行機待ち。普段は飛行機が離陸する20分前くらいに空港に到着するから、空港の余韻を浸る暇もない。そして帰るときは夜中だからしーんとした空港。ひとりのんびりとローソンでモンスターエナジーを購入して約2時間の道のりを運転していく。

今日は久しぶり(or 初めて)早く空港に来ることができた。本当はもっと色々することがあるのかもしれないけれども、airport loungeで一人エグゼクティブ気分に浸る。

(空港のラウンジはお金を払えばだれでも使えるし、持っている対象カードもそもそもエグゼクティブではないのだけれども)

#3 Keypunching or Internet browsing.
自分はビジネスマンでもないし、見るのはfacebook, メール、、、くらい。あとは適当に見るくらい。

ただ、すぐ近くのビジネスパーソン?らしき人はパソコンを覗き込んでいる。仕事をしているのかな?と思ってしまうのだが。。。

#4 Live simple.
人生の岐路か。さてそろそろ次の段階への準備をしようかと。



2013年6月17日月曜日

Smartness

#1 Is Physical Exam still Effective?

最近身体診察が御座形になってきたなぁと思う。結局心エコーするし…、結局Xp, CT撮るし…という安心感からかどうしても手を抜きやすい。

手を抜いてしまう一番は胸部の聴診。

心音なんて服の上からじゃあ十分には聞けないけど、まぁ若い女性だとわざわざセクハラといわれるくらいならそれでも良いかなぁと思ってみたりする。

薄手の生地であれば問題ない(主観)。でもブラジャーに関しては、本当にまじめに呼吸音や心音をきこうとするときには外してほしい。ただでさえ厚い胸で聞き取りにくいのにブラジャーで擦れたら、聞こえる音も聞こえなくなってしまう。

後、今の教科書に記載されている身体所見は玉石混在であまり意味のないものから、かなり特異的なものまで含まれている。Evidence basedということでマクギーやJAMA等の文献も出てきはいる。本当に価値のある身体所見だけを残して、前時代の感度、特異度も乏しいものは一掃してほしい、と思う。

#2 Cost effective or Court effective?
身体所見を重視すればコストが安く済む??

ただ、実際問題、交通外傷の患者さんに対してどんなに丁寧に診察をして骨折の有無を判定した所で、レントゲン一枚以上の価値はない。身体所見はどうしても再現性に欠けるし、判定者の経験に大きく依存するため、客観性の担保が難しい。

身体所見が診断の根拠になりうるものもあるけれど、多くの病気では他にも診断基準が用意されている。

そういう意味では裁判を想定すると、血液検査や画像検査などをもっと重視すべきだ、ということになる。

#3 Physical Exams is STILL important.
とまぁ、身体診察に対して否定的なことを述べたけれども、それでも必要。大動脈弁狭窄症は心エコーですぐにわかるけれども、症状がない人に対して心エコーをしようというモチベーションは普通わかない。

#2でも述べたようにinterobserver / intraobserver differenceが比較的大きい身体診察は確定診断ではなく、スクリーニング・疾患のフォローで、differenceが比較的少ない血液検査やCTで確定診断で、という風にうまく住み分けた教科書があればいいと思う。

ただ、それは伝統的な医学を否定しかねないものだけど。

2013年6月2日日曜日

Something new

#1 Cytology

細胞診学会に参加。参加というか見学、というニュアンスが強いけれど。

知り合った先生が

「細胞診は肺を除けばほとんどは、焼き直しばっかりだよ」

と教えてくれた。もちろん、毎年学会をやっていて常にsomething newが出るとは限らないけれど、そんな成熟した領域なのかなとも思った。

そしてポスターを眺めていて、確信に変わった。

乳腺原発のadenoid cystic carcinomaの症例が2枚並んでいて、しかもその裏面には違う場所(忘れたけど)のadenoid cystic carcinomaの1例があった。

あとはneuroendocrine系やLBC法が若干流行っているのかなぁという印象。

Something newからしたら少し距離感があるかもしれない。


#2 The duplicate of electron microscopy

電子顕微鏡の写しみたいだ。何十年後かには、cytologyも電顕のように枯れた技術になっていくのかもしれない。

ただ、電顕と違ってscreeningに優れた技術で基本的には代替のないものだから、電顕ほど規模が縮小することはないかもしれない。(免疫染色ではない)特殊染色のようなものかなと。


#3 Inspiration

ポスターのpresentationで目新しい掲示方法というのはあまりなかった。いくつかは「これいいな」と思えるものがあったけど、でもその程度ですごい!!というのはなかった。

むしろ「こんなんでもいいんだ」というのが新鮮な印象。温故知新的なものでもよい、珍しければ、そこそこ報告があるものでもよい、というのがわかった。また行ってみよう。

2013年5月18日土曜日

Remembering.


#1 Back to the twentieth century
20世紀へ戻るというのはちょっと大袈裟だけれども、2000年までなのでだいたい中学生頃まで。

ラジオ英会話を聞いていた時期があって、多くのskitやvignetteはもう忘れてしまったけれどもなぜか記憶に残っているフレーズ。

You may think it's silly, but you have to be cool.
(バカバカしく思えるかもしれないけれども、格好良くなくちゃいけないんだ。)

そんなに格言風でもない。多分intonationが特徴的だったんだろう。

#2 As a patient
また歯医者に行ってきた。歯石の除去をしてもらってこれで一段落。

ちょうどその時に口内炎ができていて、歯も口内炎も体調の管理から、と言われてはっとした。

やっぱり言われないより言われたほうがいいなと。

医者・歯医者っていうのはそれだけの影響力を持っている、ということか。

多くの患者さんにとって、体調管理をしたところで営業成績が向上するわけではない。低下する人もいるかもしれない、という程度。

しないことによって失うことはあっても、積極的にしたところで、デメリットの減少はあっても(症状改善、疾病予防など)、メリットが発生はない。

事実自体は変わらないわけで、そうなると我々に出来るのは働きかけ続ける、ということと、働きかけ方の工夫というようになる。

以前の病院の上司は患者さんのことをすごくよく褒めていた。時には厳しくしかる(ように見える)こともあるけれども、本人の努力次第で改善可能なことができていた場合や、純粋に検査結果が良好であった場合にはきちんと褒めていた。

生活習慣病というのは急性疾患と違って、長期的に合併症を予防することが管理のポイント。なのでイベントが起こらない、という好ましい状況は患者だけでなく医者にとっても実感がわきにくい。

なので小さいことでもよく褒めることで、方向性は間違っていないんだよ、ということを実感をもって伝えることが出来るのだろう。

でもそんなことって多分教科書に書いてあるくらい当たり前なこと。でもそんな当たり前なことを実践する、というのはとても難しい。

2013年5月16日木曜日

雑多感

#1 Potential readers.
たまにブログ読んだよーといってくれる人がいる。

Webで公開はしているけれども、基本的にはclosed, 見つけたらまぁいいか、という程度。

うまく検索をかけてこのホームページを探してくれる人もいる。まぁある意味わかりやすいし。

内容は別に万人受けするようなものでもないし、タイトルにある通り、基本的には備忘録程度。

なるべく個人情報を露出しないように気をつけている。



ただ、今の時代、個人情報を100%隠して生きることはほぼ不可能に近い、と思う。特に若ければ若いほど。


#2 How do they use Internet?
もし特定の誰かについて調べたい場合、どうするか。

ストーカーではないけれど、インターネット上である程度まで個人を絞ることは可能。その人の属性によって「引っかかりやすさ」というのは変わってくる。すごくざっくりした書き方をすると


引っかかりやすい人
・社会的な活動が多い人、医師、大学生

引っかかりにくい人
・高齢者、機械音痴な女性、社会的な活動が少ない社会人(OL等)

もし本気で探す場合は今だとfacebook, twitter, mixi, lineを利用する。必要があればgree, mobageも適宜利用(アカウントは作っていないけれども)。

すごく先入観も入っているけれど、40歳以下でfacebook, twitter, mixi, line, gree, mobageをしていない人は皆無だと思う。そういう人もいるのかもしれないけれども、実際問題は何かしらしていると考えてまず問題ないことが多い。

使える素材というのはその時時で変わってくる。今はfacebookが主流だけれども、ちょっと前まではmixiが主流だった。現在から少し先はlineに変わろうとしている。多分lineも賞味期限があるのだろう。

そこらへんは(使ったことないけど)出会い系サイトについて言われていることと一緒。

#3 Analyze it!
もし該当するページを一つ見つけたら、徹底的に分析する。具体的にはなぜそのページにその人が載っているのか、ということ。

例えば小学校の絵のコンクールであれば、おそらく学校で課題として出されて、それを出したら入賞したのであろう。ここからは個人的な経験に基づくんだけど、絵がうまい人はしばしば学業の成績も良い。となると、大学に通っている可能性がある。現在の推定年齢からすると大学生であろうか、それとも高校生、社会人か。

そこから追加で検索をするときのキーワードが決定する。

あとは検索エンジンを変えてみる。多くの検索サイトはgoogleがベースになっている。正直googleベースではない検索エンジンはBing, Naver, Baiduなどでほとんどgoogleの1強の時代。

別の方向での検索も必要。

#4 Give it up
まぁ結局は適度な所で辞めるのも肝心。情報は後から追加されることも多いので。

2013年5月5日日曜日

The world of "feeling".

#1 People's Honor Award
長嶋茂雄と松井秀喜の両氏が国民栄誉賞を受賞した。

脳梗塞を発症してから長嶋さんのメディアへの露出度がほぼ0になって、たまに出る写真でもあぁ、後遺症がしっかり出ているんだろうなぁと思っていた。

結局後遺症は出ているけれども、まぁなんとか大丈夫なレベルまで回復しているのだろうなぁと。どれだけ準備していたかはわからないけれどもマスコミの質問に対してもそれなりに返答していたし。

ただ、片麻痺はもう戻らないんだろう。

#2 Training between the two
長嶋さんは直感的、というか感性的な言葉を使った指導をされる人だった(そうだし、テレビを見ていてもそういう発言が目立った)。

直感的な言葉遣いをする人は「自分でもよくわかっていないことを濁す」場合と「言葉だけでは説明できないことをなんとか説明しようとして結果的に感覚に頼った言葉遣いになる」場合がある気がする。

打撃理論というのは必ずしも一般化されるべきではないだろうし、個々人の中で理論が組み立てられることもあるかもしれない。

ある程度のレベルまで到達した人たちの中ではあまり言葉は要らないのかもしれない。

すごいなぁ、とは思うは個人的にはこの境地にはまだほど遠いような気がする。

Golden Week.

#1 Golden Week.
普段はできないことをしてみた。

病理学の学生用のテキスト(新病理学Q)を一読してみた。

学生用だからあまり難しく書いていないけど、それでもざっと見るには十分。

病理学各論(≒病理診断に必要な事項)は少し不十分だけど、総論項目は必要十分じゃないかと。

不十分な各論も項目だけでも眺めていると、いろいろ思い出してきてあぁそういうのがあったな、という感じ。

ものを見る、とか、あることを学ぶというのはその見る・学ぶ人のbackgroundが重要な部分を占める。

ある人にとっては素晴らしい講義が別の人にとっては意味不明な話にすぎないこともある。

意味不明であっても、時間がたってもう一度聞けばすごく素晴らしい話に聞こえるかもしれない。

極論を言えば、新しい経験というのは必ずこれまでの経験に基づいて解釈される、という当たり前のこと。

だから、次このテキストを見た時にはまた違った感想を持つことになるのだろう。それはすなわち成長なのだろう。

#2 Go somewhere
結局せっかくのゴールデンウィークだったけど、アウトレットへちょこっと行って終わり。

アウトレットだけれども、結局はamazonや楽天で買ったほうが安くつくことが多い。ガソリン代や手間を考えると、絶対に安い。

それでも混んでいるところへ行くのはなぜなのだろう。

多分それは混雑しているところへ行きたいからかなと。ゴールデンウィーク≒混雑、という図式が頭のなかにあって、混雑を経験して家に帰ってやっぱり家が一番いいよね!と実感して初めてゴールデンウィークを満喫した、ということになるのかなと。

家の中でじっとしていても、かんさんとしたところへ行っても(しばしばそういうところは誰も行きたがらない≒ゴールデンウィークらしからぬ場所?)あまり実感がない。

とりあえず今年のゴールデンウィークは満喫したということになった。

#3 Something new
電顕の話。電顕へよく遊びに行く。90%は遊びに行くだけなんだけど。

現在電子顕微鏡を使うのはほとんどが腎生検で他には一部心筋生検などがちらほら出るくらい。20世紀終わり頃にpeakを迎えた、いわば現在では枯れた技術。

他の分野ではどうかは知らないけれど、少なくとも病理診断においては腎生検以外で電顕が決め手になることはほとんどない(その多くは現在免疫染色に取って代わられている)。

この前心筋炎の症例で電顕用に筋生検がされたけれども、結局心筋炎に特徴的な所見が電顕上観察されるのかどうかは調べてもよくわからなかった。心筋症については、心筋の変性を主とした変化が見られ、それに対するscoringもされていた論文があったけど、後にも先にもそれくらい。

そもそも病理診断における電顕の活用はなぜか獣医学部で盛んに行われている。なぜかウイルス感染症にfocusが当てられていることが多い。

リバイバルじゃないけど、病理診断の中へもう一度取り込むようにできないのかなと思っているところ。

2013年4月6日土曜日

Be simple.

#1 A simple life
いわゆる断捨離に近い。でも断ち切れはしないのでせこせことスキャンしては捨てての繰り返し。

スキャンしても見ないかもしれないのにそれでも持っておくってどういうこと?と自問。

一種の完璧主義なのかもしれない、というよりもむしろ優柔不断か。

今自分の中で一番の重量を占めているのが本でこれの約半分を捨てることができれば、家の中はだいぶ片付く。その半分は昔はよく読んでいたけど、懐かしくて捨てられないもの。

たとえば英文法の本なんかは実際たまに参照することがあるから必要と言えば必要(といっても実際のusageはgoogleやlife science dictionary projectでの用例検索になってしまうのだけれども)。

#2 For the next disaster
次の災害に備えて準備を。

食料と着替えや軍手など一式をデカいカバンに詰めていつでも飛び出せる様に。また戻ってきたときのために普段から缶詰やペットボトルのお茶なんかを多めに貯蓄している。

たぶんこういう備えは少しずつ消費しながら新しく追加していく方がいいのだろう。タイムカプセルの様に袋を開けると、すべてだめになっていた,と言うことがない様に。

一番大切なものは通帳、印鑑、医師免許か。とりあえず今の状況であれば医師免許さえあればどこでも仕事が出来る。ありがたいことだけど、でもこの状況がいつまで続くか分からない。

#3 A special skill
I know I have to have a special skill that nobody has. However, such skills may not be demanded  simply because nobody can do. If the skill is too special, one cannot easily adopt it. When he or she is busy or ill and cannot do the job, who else can do for him? The one I should learn to do is something that only "some" people can do.

2013年3月28日木曜日

Spring.

#1 Cherry blossom viewing.
花見。英語に直すと、上記のようになるけど、なんかしっくりこない。

桜を眺める、という行為だけじゃなくて、その中で飲み食いをして騒いで、時々上を眺めれば満開の桜がある。そして桜の花びらがひらひらと舞っている。

もっと広いニュアンスを含んだ言葉なんだと思う。結局花見はする予定はなさそうだけど。


#2 Some people leave, some come.
人事異動の季節。わが部署はマイナスはいなくて+2になりそう。それはよいこと。とりあえず自分もstay.

「関東では」と一括りにするのはいけないのかもしれないけど、なんかdryでやめていく人に対しても説得することなく、そのまま流れていく。

まぁ辞める方としても説得されても困るだろうけど。

#3 What should I do next.
HE atlasを立ち上げたところで、いろいろな用事で止まっているけど、また再開する予定。免疫や電顕も巻き込んでちょっと真面目にしようかと。

臨床検査の学生さんが病理の病院実習で一番喜ぶのは電顕と解剖だそうだ(∵学校では経験することがない)。

電顕はともかく、解剖は教育用も含めて何かできそうな気がする。

2013年3月3日日曜日

One-sixth.

#1 Two months have passed.
早いもので2ヶ月間が過ぎ去ってしまう。

ジャネーの法則というらしい。

今年4月から自分は卒後5年目になる。病理診断はまだまだ先が長いけど、いわゆる一般内科診療では落ち着いてきたところ。

認定医や専門医の資格は取っていないけど、でもまぁ一般内科、救急の領域では「患者さんを殺す」ことはなくなってきた(変な言い方だけど「患者さんを救えなくても、状況を(時にはoverに)判断して適切な場所へ送る」という意味)。

でもこの安定、というのは怖い。長い目で見るとゆるやかに下降するだけだから。

とりあえず内科・救急を軸にもう少し展開していく必要がありそう。

#2 Pathology Assistant.
アメリカではこういう制度があるらしい。細胞診スクリーナー(cytologist or CT)の組織版といったところなのかな。

実際アメリカでの役割は検体の写真撮りや解剖助手、生検の切り出し等とのこと。日本で技師さんがやっていることと被っているような、被っていないような。いくつかのサイトを見てみたけど、いまいちしっくり来なかった。

全く知らなかったけど、Pathology Assistant or PAを導入しよう、という動きは数年以上前からあるのはあるらしい。アメリカのPAはCTは全く関係ないのに対し、日本のPAはCTを前提とする、という案らしい(組織と細胞診はやっていることは結構違うのに敢えていっしょにする必要はあるのかと思ってしまう)。

病理以外の世界でもnurse practitioner or NPの導入が進めらているらしい。大分県立看護科大学ではflying気味でNP養成コースが開始されている。これはこれでいいんだけど、卒業生は日本では診療行為はできない。(ホームページも同様の旨が記載されている)

社会的認知を得ることが先、という判断らしい。巨視的に考えればそうなのかもしれないが、実際に入学した学生としては複雑な気もする。。。

個人的にはあまりに気にしないが、基本的には既得権益を侵害されると誰でも抵抗する。幸か不幸か、アメリカを追いかけている日本なので、数年後には導入される可能性が高い気がする(PA, NPともに)。

ただ、一般的にはできることが増えてくると、その分責任も増えてくる。これまで例えば看護師には技術の過失に対して裁判がかけられることが多かった。しかしこれからは判断に対しても裁判で問われる時代が来るのだろう。

#3 Diagnostic Pathology
他の臨床と比べて病理って特殊だなぁ、と思うのは基本的に卒後20年のベテランの先生がすることと、卒後4~5年目のビギナーがすることに本質的な違いがないこと。

解剖は入るし、切り出しもする。診断もする。もちろん質的な差は大きいけど。

臨床だったら、自分の実力に応じてカテは造影まで、PCIは助手からなんて決まっている。

もっと練習してあれをやらせてもらおう、ということになる(かもしれない)。

おととしあたりから若干拗ねてしまって、今自分で何かをしようという発想はあまりない。

ただ、自分の中であと2年、という期限を区切っているからその中でできることをしていく。

2013年2月7日木曜日

雑多感

#1 Good students.
先月から学生さんに対して指導「らしき」ことをしている。正直に言うと自分にまだ人を教えるだけの実力はないと思うし、立場からするとまだ教えてもらう人、という感覚。

でも学生さんはすごく優秀。自分の学生時代を考えると、あり得ないくらい出来がいい。消化管腫瘍の肉眼分類をすらすら言えることと、もっとすごいのはそれを実際の検体を目の前にして適用できること。





でも卒後4年くらいたつと、学生時代が遠のいてくる。このブログを始めたときは大学5年生くらいだったけど(そういう意味では自分が学生のころから研修医、そして今にわたるまでの記録がある野は珍しいと思う)、そういう時期があったのかなぁで終わる。

何が言いたいのかというと、優秀なのはいいんだけど、優秀じゃなくてもよい。そんなのは国家試験に通ってしまえば、結局振り出しになるだよ、ということ。

ちょうどそれは大学入試が終わった後に試験の順位がどうでもよくなるのと一緒。国家試験が終わればまた一から振出しに戻る。

卒後ある程度時間がたってから、学生時代に何をしてたんですか?と聞かれることがある。その時に期待される答えは「胃がんの肉眼分類を…」ではないのだろう。

自分は部活をやらなかったけれども、周りにいろいろな人がいて釣りに連れて行ってもらったりいろいろな経験ができた。趣味なのか実益なのか?「プログラミングと英語をやっていた」というと聞いた人はなんとか納得してもらえる。

以上を要約すると、「学生時代はとことん遊んだ方がいいよ!」という結論になるけど、おそらくこのブログの過去のエントリーでそういう発言を否定していた時期があったかもしれない。でも今ならあの指導医の先生が言っていたことはすごくよくわかる。

#2 To teach is to learn twice.
いわゆる上級医に直されたところを部長に直されるみたいな展開がちょくちょくある。まぁそういうところに対してプライドなんてないから、素直に「ごめん、ここ間違ってた!」と謝って終わることが多い。

他の先生には学生さんがついてると教えるのが面倒だ、という人もいるけれど、まぁ個人的には楽しい。ただ、自分が忙しすぎて面倒を見れない時があるのは少し申し訳ないけど。

楽しい、というよりも「楽しくなくてはいけない」という哲学的なもの。学生さんと一緒にやったからレベルが落ちたとか、作業効率が悪くなったとか、言われたくない、むしろ学生さんがいたことで良くなったね、という風になるべきだ、という信念的なもの。そういうものを根底に考えている。

#3 Something I'm afraid of.
最近は夏休みや冬休みが少ないとのこと。これは世界的な流れがそうなので、ある意味仕方ないのかも。自分が学生のころは夏休みは2か月間あったんだけどなぁ。ただ2か月はちょっと長すぎた。1か月で十分。。。

#4 Overseas experience
結構話を聞くと海外に行ったりとか、いわゆる「国際交流」をしている学生が多いみたい。

「国際交流」を趣旨として掲げる団体がいくつかあるけど、結局は海外旅行の延長線上でしかない気がする。それはそれでいいんだけど、真面目に活動してます!と言われると違和感を感じる。結局それで何かが変わったりとかはなさそうだし。

やる気のない先輩?からのアドバイスを送るとすると、

日常会話よりも英語の教科書や論文を読めるようになった方が数100倍役に立つと。

我々日本人でも六法全書を読みこなすのは難しいのと同様で、英会話ができても英語の文献を読むのは難しい。

Termを覚えればいいんでしょ?と言われればその通りだけど、ひと山越えるのに結構苦労する。学生のうちに越えられるのであれば、早く越えた方がいい。

2013年2月1日金曜日

Dear students.

#1 Medical students rotating in diagnostic pathology dept are hardworking, in general.
病理をrotateした学生がこのブログを発見したとのことで一言。

まぁがんばって。

1ヵ月間色々頑張って「指導」してみたけど、結局残るのは知識ではなくて緩やかな思い出。途中息切れ?もしてたけど、まぁ頑張っていたと思う(少なくとも自分の学生時代に比べると)。

自分が病理を選んだ理由の一つが、ちょうど自分が同じ大学五年生で選択で病理を回った時に、どこの科も見学しかさせてくれなかったのに、病理だけは切り出しから標本を見るところまで医者とさせてもらっていることが変わらないのがすごい!と感じたから。その時の知識はもはや残ってはないけど、色々やらせてもらった、という実感はすごく残っている。

ある意味実力勝負なところがある。

その世界で自分が生き残れる自信は正直あまりないけど、志高くしていれば、どこかでまた出会うことがあるだろう。その時に恥じないようにと。まぁ実際はどこかでしょぼいことしてるかもだけど。

#2 What, how and whom to teach.
何を誰にどう教えるか。当たり前のようで難しい。教える側の余裕、能力、受ける側の余裕、能力、そして両者のタイミング。

自分が学生の頃のもやもやした気持ち。実習なのになんで見学なの?ということ。手を動かさずして実習というのは詐欺だ、という気持ち。

なので現在の自分の指導方法は極めてシンプルで実際にやってもらうこと。もちろん難しいものは自分でやるし、基本的にはそばに居て一対一。

初めてだと、何をしでかすかわからない。でもそれは誰しも最初はそうだったし、自分もそうだった。決して悪いことではなく、そういうものなんだと思う。

今のところそういう発想が多分学生さんのneedsとマッチして、評価してくれていると思いたい。ただ、これが10年後20年後に同じ事をしていて果たして評価してくれるのか。それとも時代に伴って指導法は変わっていくのか。

結果の見えない、教育というものの難しい面かもしれない。

2013年1月20日日曜日

Problem solving.

#1 Let's start problem solving.
細胞診の問題集を少し解いてみる。そしてその後ちょっと飽きたので大学入試の数学の問題を解いてみる。

東大、京大レベルはさすがにかなわないけど、地方の国公立大学レベルなら、比較的余裕で解ける。計算ミスはまぁ感を取り戻すまで、ということで。

東進が過去問を公開しているので(無料で登録さえすれば)いつでもほぼ全ての問題を見ることができる。赤本いらないわと。

#2 Life is like problem solving.
人生とは問題を解くことだ、と言ってみる。これは特に大学生くらいには当てはまると思う。そこを過ぎるとみんな「もう問題なんてうんざりだ」と思ってしまうけれど、目の前に提示されるとつい鉛筆を走らせてしまう。

形は違えど、目の前にある問題に対処するというのは多分変わらないのだろう。○と×だけじゃないちょっと複雑な世界だけど。

でもその複雑でどちらか言い切れない状態が、かえって心地よいこともある。

とりあえず急性腸炎でいいじゃないか、虫垂炎でなければ。インフルエンザでいいじゃないか、肺炎でなければ(老人はたまに合併するから要注意しておかないといけいないけど)。

#3 What is the answer?
人生の答えは多分すぐには出てこないことが多くて、ある程度年齢を経てから出るものだろう。もしくは最後に死ぬときに出るのかもしれない。

#4 How is it solved?
答えも様々であれば解き方も様々。あまり偏屈にならぬようストレートな解法を心がけているつもり。

2013年1月16日水曜日

Pathology and Information Technology

#1 Can they have good relationship?

上司たちが勧めるので「地域医療と情報技術のマッチングワークショップ」に参加してみた。東大と産総研の人たちがITをベースにした自分たちのやっている研究と実地医療を行っている我々とのワークショップ(というなの講演会)。

いくつかのclusterに分かれた講演群。結論としてはまぁまぁ面白かったけどまだまだ自分にもやれそうな視点がいくつかあった。

#2 Natural language processing and medical record.

自然言語処理は特に日本語においては難しいと思う。主語がなくて、形容詞の係り方もいまいち分からない。Nativeとしての自分でもいったい何が言いたいのか分からないときもあるから(≒ this blog)。
  1. 医療記録に対して自然言語処理を用いて臨床経過をチャート形式にする、という研究
  2. 医療記録からキーワードを抽出して疾患との関連性(おそらく将来的には鑑別診断の提示などを考えているのだろう)を探るための基盤を作る研究。
  3. 医師の診療をサポートする様なプログラム、一言で言えば今日の診療プレミアム+αのようなものを作成する研究(商売)
以下感想。
1, 2. 医療記録というのは実際に書いている我々からすると非常に曖昧で、ある医師の書かれた文書が他者にとって了解不能ということはまま見られる。それからすると自然言語処理を用いたアプローチで採取できる情報というのは極めて限定的だと思われる。さらに「咳がある」と「咳がない」というのは雲泥の差があるくらい違う。その点を厳密に区別できる様にしておかないとデータの価値はぐっと下がる。
 もっというと医者の記録なんて医者のバイアスがかかった情報になる。それはそれで有用な所見だけれども、患者さんの問診の様なものを対象にするとakinatorのようなものに応用できたりするのでscreeningとしても便利かもしれない。

3. いろいろ説明があったけれども、要するに今日の治療指針のネット版。もしくはuptodateを日本語版にしてもっと実地診療ベースに落としたもの。発想は悪くないしいいんだけど、こういうツールで必要なものは何よりも電子カルテに付随していること。同じ画面で参照できること。すぐに参照できること。これがすべてな気がする。インターネットに接続しないといけないとか別の端末が必要だ、となると手元の本や他のツールと同じレベルになってしまう。エルゼビアジャパンの人はその点を重視した方が良いと思う。

#3 Utilizing medical records.
医療記録を個人情報ととらえて、個人情報を個人が管理していく時代でその時代においてどのように医療記録を活用できるかという話。

以下感想。
言っていることがよく分からない。結局は自分が無知なだけかもしれないけれど、あまりピンとこない。医療記録を本人管理にすると病院はデータ保管のコストやリスクから解放されるとするが、預金通帳なんかと一緒で病院側にも必ずバックアップが要求される。受診したときに前医分のデータも一緒に提供されたらその分保管データが増大する。医療記録を医療機関の間で共有することはすごく重要なことだとは思うけれど、それがコスト削減に結びつくかは微妙。

あと病院を利用する層の多くは老人で認知症の人も結構いる。そういう人たちにデータを管理させるのは難しいし「家でなくした」とか言われるとぞっとする。EvernoteやDropboxに置いておけばいいというが、それって全体的に見てコスト削減になるの?商用ベースのstorageは基本的にユーザーのバックアップが必要となる。認知症の患者さんにそれを要求するのは難しいから結果的に医療機関はデータを保管する必要があると思う。

データ漏洩の問題で集中管理にしていたら何百万人のデータが流出してしまうが、個人管理にすれば一人分ですむと言う。でも何百万人のデータは各個人にとっては限定的なデータ(商品の購入と住所、年齢、氏名、性別程度)だけど、一人流出したものはその人に関する全てが入っている。そのデータはおそらく悪意がある人からすればその人を社会的に抹殺することだって可能。それにEvernoteやDropboxから流出してしまえば一人では済まない様な気がする。企業的にはリスクは減るかもしれないが、ユーザーの利益になるかどうかは微妙。

医療記録を個人が主導で管理する時代はいずれやってくると思うけれども、今回の話は自分が予想するあるべき方向性とは少しズレている様な気がした。

#4 Pathology and IT
病理診断とITの活用。「色」の情報を認識して病理診断に生かすとのこと。

病理画像(に限らずかもだけど)を画像解析するときに構造の情報と色の情報から判断するとのこと。今回は色の情報からのアプローチ。

直感的には何となく分かる。今回の話を一言で言うならば「クロマチンが濃ければ癌でしょw」というようなもの。それを真面目にアプローチしていた。

色という観点で画像から様々な情報を抽出してそれと病理医が行った診断を比較して学習させる。多変量解析モデルを作成する、ということになるのだろう。

消化管生検レベルではかなり実用的になっているとのこと。問題は偽陰性になるが、結局「検査」というのは偽陽性・偽陰性からは逃れられない運命になっているので、この程度なら十分実地活用が出来るなぁと感心した。ただ、この精度というのはあくまで検討サンプル内であって過剰適合している可能性もある。

あと胃生検で出来たモデルは微修正をしながら腸生検や他に適応可能だとのこと。また学習サンプルが多いものでないと、教えようがないとのこと。

人間の代わりになるためにはもう少しinnovationが必要そうだ。

2013年1月6日日曜日

New year.

#1 Keep on.
昔(今も?)やっている遠山顕の英会話入門で最後に言われる言葉。確かKeep on smilingで締めくくられたような気がする。

継続は力なりとはまさにそのこと。進歩がないように見えても、一歩一歩進んでいくことは大切なのだろう。

今年の目標を考えてみる。まずは病理診断から。

a. Diagnostic cytopathology
b. Electron microscopy
c. Brush up diagnostic surgical pathology

病理診断の道のりは結構険しくてなかなか一筋縄ではいかなそう。とりあえず今年はdiagnostic cytopathologyを中心に、電顕の勉強もすることに。

次に一般診療。そろそろ卒後5年目になる。トレーニングする環境下にはない自分が目指すべき道は必然的に総合診療 or 救急ということになる。だいぶ診療は落ち着いてきたが、これを悪く言えば我流になろうとしているということ。端的に言って今の自分に足りないのは身体診察とEBMへの深い理解。

はっきり言って身体診察はいらない、というと語弊があるが、多くの場合はCTや血液検査にかなうものではない。身体診察でしか診断できないものを考えると実際の有用性はかなり低い、と思う。

ただ、まぁ「網羅的」で見逃しを限りなくゼロにするためには、文字通り頭から足の爪先までくまなく検索する必要がある。

今年は身体所見を重視して診療をしていこうと思う。

#2 Catch the future.
大好きだった3B LABのブログを久しぶりに見たら
沢山の人達に見てもらう時代は終わり、皆が好んで選び、音楽、映画や商品を選択する時代がやってきました。
僕は将来の展望をそう見ます。
と書いてあって、facebookに移行していた。この人は音楽の才能ももちろんだが、世の中を冷静に見る力がすごくあると思う。リーマン・ショックも変な勘?で切り抜けているし。

基本的には岡平健治に同意。インターネットの普及によって情報が氾濫していき、流れる情報を全て採取することが実質不可能になっている。その中で消費者は自ら選んでいく、いや正確に言うとそうせざるを得ない時代になっている。選択というコストが発生するという意味で有利というかむしろ不利になっていると思う。提供する側も同様で取捨選択される割合が増える以上、コストをかけただけの反応が必ずしも来るわけではない。不特定多数をターゲットにした広告(テレビCM等)のコストパフォーマンスは非常に悪くなっている。

なので彼も不特定多数の人に語りかけるよりも自分のことを支持してくれている人に対して語りかけたほうがコストも少なくて済み利益も多いと判断したのだろう。最もそれができるのは、「沢山の人達に見てもらう時代」を最大限に活用できた彼だからこそとも言える。それに加えて全国の弾き語りツアーをすることで共感してくれる人たちの心を繋ぎ止めているのだろう。

裏を返すともう彼は弾き語りツアーを辞めることはできない、時代が変わるまでは。

ちなみにももいろクローバーZも成り立ちからして似ている。ただ、彼女たちはlocalから始まり全国区のアイドルを目指そうとしているようだけど、他のアーティスト同様真価を問われるのは(この先何十年と生きられるかは)これからだろう。もっというとアイドル(特に女性アイドル)は寿命が短いので女優なりに方向転換を迫られるだろう。

#3 Medicine in the future
日本はアメリカを追いかけていると言われてる。この先10年くらいは医療の世界でも訴訟が頻繁に起こされてくるだろう。皆保険制度も崩壊するかもしれない。

(崩壊は絶対にしないけど、混合診療解禁など「実質的な崩壊」は十分予想される)

個人的な予想ではその後は寄り戻しが起こる。結局人間は死ぬ。例えて言えば結局今の医療(本質的にはこれからの医療)はハンググライダーのようなもの(やったことないけど)。風向きで少し上向きになったりするけど、最終的には落ちて地面につく。長距離を滑走することもできれば、短距離ですぐ落ちる人もいる。医療の限界が認識され、医療に対する見方が変わってかなり冷めたように見るかもしれない。

今はそのことに気づいていない患者さんが多くて、医療にすごく多くの可能性を求める。今の医療水準はその要求をかなりの割合で応えていると思うけど、できることが多くなった反面、できないことがすごく鮮明に映し出される。iPS細胞はすごいけれども、その恩恵を受ける人は抗生剤で恩恵を受ける人からするとぐっと少ない。

#4 And...
この先新しいことに飛びつく人が多いと思う。それはそれで重要。だけど、基本的には二番煎じには勝ち目はない。それよりも伝統工芸的な少し古いけど、技術的には安定したものを充実させていくほうが、この先10年、20年を見た時に有利ではないかと考える。

その時に選択肢となりうるのが実地診療で言う総合診療。身体診察もCT, 血液検査が簡便に行われるようになったため軽んじられるけれど(実際比重は軽い)、でも裏を返せばCT, 血液検査では分からない情報が身体診察で分かる(もっと言うと情報価値が一番高いのは問診なのだけれども)。そういう情報収集能力はCTがあろうがなかろうが使える。古い技術ではあるけれど、EBMに基づいた新しい息が吹きこまれた(つつある)技術でもある。

病理診断においてはおそらく数十年後には生検レベルでは(もっと言うと胃・大腸生検レベルでは)コンピュータによる自動診断が採用されることだろう。現実もうそういう機械ができているとのこと(ヒューリスティックな画像処理と機械学習のアルゴリズムによると)。

生検で実績が重なれば、大腸癌、胃癌程度の比較的簡単な手術はもう実用化されると思う。具体的にどうやって?いつ?と言われても答えられないけど。

少なくとも10年前には将棋のソフトがプロと互角に勝負ができるようになんて誰しも思わなかったはず。だからありえなく無い話でもない。

ルールが明瞭な将棋とは違って、ルール自体があいまいな病理診断は基準となる指標が必要。それは少なくとも現時点では完全な明文化ができなくて、バラツキもある。病理診断のスキルはその時点で(どんなにコンピュータによる自動診断が主流になったとしても)最終的な判断という意味では残るだろう。

もっともそれももっと時代がすぎれば最終的に明文化されるかもしれない。もっともっというと、病理よりもより正確な検査法が発明され取って代わられるかもしれないけれど。。。