2011年11月28日月曜日

Review of this year.

# Review.
mos: 今年一年もそろそろ終わりですねぇ。

hirokickman: そうだなぁ。なんか早かったような遅かったような。

mos: 今年一年どうでしたか?

hirokickman: どうって言われても難しいよね。ちょうど病院の食堂の壁に掛けてある「相田みつをの詩」みたいに「日々是好日」で「今日が一番大事な日」だからあまり深いことは考えていない。

mos: また、そんなことを言って。でも今年が終わるとなんか考えることはないんですか?

hirokickman: 多分客観的に見れば「出来るようになったこと」はたくさんあると思う。切り出しもそうだし診断もそうだし。臨床的なスキルだって週1回の外来と数回程度の当直だけど、それでも毎回少しずつレベルアップしている気がする。だけどそれは「本気を出して」習得するレベルからするとまだまだだし、実感としては「まだ何かが出来るようになった気がしない」というところ。

mos: まあ感じていることと実際が違うことはよくありますもんね。

hirokickman: そうね。例えて言うならy = [x](ガウス関数)でトレーニング量xは少しずつ上がっているのになかなか結果yがでない感じ。

mos: y =[x/2]とかだったらさらに時間がかかりそう。

hirokickman: まぁ単純にx軸方向に2倍になるからね。占い的にも今年はあまり無理をするなって言っているし、とりあえず今年はこれくらいでいいのかなという気がする。

mos: かなり占いを信用していますね。

hirokickman: みんな馬鹿にするかもしれないけれど、一種の宗教と同じようなもんだからね。

mos: ちなみに今年の目標は達成できましたか?

hirokickman: 今年の目標なんて立てたかなぁ??まあいずれにしても環境が変わって自分が外様過ぎて不慣れなことが多くてそれで疲れてちょっとやる気無くしたからねぇ。例えば臨床的なことで言えば、慢性疾患について勉強するというのは実践しているし、まあまあできているかなと言うところ。

mos: 糖尿病、高血圧、高脂血症は多いですもんね。

hirokickman: 多いのは前々からわかっていたけれど、でも自分が得意だったのは「糖尿病性ケトアシドーシス」とか「低血糖発作」とか「高血圧緊急症」(大動脈解離、クモ膜下出血、ほとんどは診断をつけて専門家にパス)だったり。何も症状がない人を「症状を出さないために」どうやって治療するか、結局は普通の薬を普通に出すだけなんだけど、結果がわかりにくい分結構戸惑いが多い。

mos: やっぱり結果がすぐわかる救急向きなんですかねぇ。

hirokickman: 救急のトレーニングをしていたからだろうね。結果がすぐわかるのは好きだけど。後は軽症の外傷をだいたい見れるようになったことか。どれも教科書的には簡単な処置なんだけど、それをきちんと経験して処置できるようになる。

mos: 最初は見る前に必死に教科書を読んでましたもんね。

hirokickman: 今も見るけどね。たまにしかやらないからちゃんと予習復習しないと成長しない。

mos: 病理診断についてはどうですか?

hirokickman: まあひとつ言えるのは全国に何人いるか知らないけれど同じキャリアを歩んできた「同期」の先生たちに負けている自信はある。最初はすごく不安だったけど、今はあまり気にしていない。いずれ同じところにたどり着くわけで。

mos: なんか漠然、というか達観した境地ですね。

hirokickman: 大学を卒業するまでは1年2年というのは学年という差として歴然としてくるけれど、その後っていうのは「卒後何年」みたいな感じで結構漠然としている。卒業したけど国家試験落ちたという人も「卒後何年、免許取得後何年」なんてあまり言わないし。学生時代は臨床実習とかは結果的に結構サボったけれど、それでも今医者をするうえで支障があるかといわれれば特にない。他の大学を卒業した人で臨床実習漬けになった人もいて、最初はすごいなぁと感じてたけど、初期研修を終わってみればそんなに差なんてない。

mos: だいたい卒後10年くらい経つと大学病院でも一般病院でもどういう経路でも同じようなレベルに達するといいますね。

hirokickman: そう。だいたいみんな同じ所にたどり着くみたい。みんながみんなではないだろうけれど。だから今大学で学生がすごく頑張って実習しているけれどそんなんを見ていると「今頑張らなくてもいずれ出来るようになるよ」という気になってきた。

mos: でも昔のentryを見てみると「早く一人前になりたい」というのがにじみ出ているような気が。

hirokickman: まあ立場によって考え方は変わってくるからね。学生の時は今の自分のように考える医者を「ヤル気のない駄目なやつだ」というニュアンスで見ていたけれど、今ならよく分かる。「今のうちに遊んでおけ」と言っていたのもよく分かる。でも遊べと言われて遊べるほど器用ではなかった。

mos: 最近医学教育に冷めだしたのもそのせい?

hirokickman: まあねぇ。完全に覚めたわけじゃないけれど、少なくとも医学教育の世界が今の自分の思い描いている方向とは全く別の方向に進んでいるし、その中に身を投じるのはnonsenseだという判断。結局どうやってもそれなりに人は育つし、時代背景が変わっていくから比較や評価が実質的にできないからねぇ。今はどっちかというと臨床的なことで言えば卒後教育や総合診療に興味があるかな。

mos: 総合診療って「何も出来ないことの言い換えだって言ってなかったでしったけ?」

hirokickman: その通り。何でもできるというのは何にもできないというのと等しくてそれでidentityを保つのは非常に難しい。ただ、自分は病理をバックグラウンドに持つつもりでそれをもって総合診療を名乗れば結構面白い領域が出来るのではないかと考えている。すごくざっくばらんだけど。

mos: あまり聞かない話ですね。

hirokickman: そう?ブログなんか見ていると病理専門医を持っていて内科をやっているという人はたまに見る(逆も結構いるけれど)。ただ両者を十分に活かしている人はあまりいない印象。

mos: 臨床を続けていくつもりですか?

hirokickman: いや、それは分からん。もういいかなと思った時点で終了。

#Plan for next year.

mos: ちょっと早いですけれど、来年の目標を。

hirokickman: 臨床、病理、研究についてそれぞれ考えていることがあるけれど。

mos: じゃあまず臨床から。

hirokickman: 内科系の主な慢性疾患のコントロールの勉強と急性期の疾患のコントロールを忘れないように。あと内科をやっていると皮膚科がすごく重要だということに気がついた(内科で皮膚科の薬出してという患者さんもいる)。なかなか皮膚科の診察・処方というのは特殊でわかりにくいけれど、病理の勉強の時に臨床的なことも勉強しようと思う。外傷系については骨折のレントゲンの読み方に習熟することか。あまり給料には反映されないけれど。

mos: 病理は?

hirokickman: やっぱり診断の精度向上。と言っても漠然としすぎているので具体的に言うと、期間ごとにテーマを決めて教科書と標本を見ていく。今のところはだんだんほんわかだけど疾患のカテゴリーとか概念が出来上がったところ。もうちょっと色々経験してから本格的に勉強したいところ。生検をまだほとんど読んでいないので若干負い目。あとそろそろ解剖症例を片付けないと。

mos: 研究は?

hirokickman: 研究はまだしていないし今のところはするつもりもない(上司も同じ)。ただ、ケースレポートはする必要があるだろうから自分の経験した症例で「珍しい」と言われたり珍しいと感じた症例に関してはfilemakerで保存することにした。最近あったのが子宮のtriple cancerで両側乳癌の既往のある例。まあこういうのは遺伝子を調べたら面白いのかもしれない。他にもepidermoid cyst in ectopic spleenとか。まあ症例報告になるのかは分からないけれど、して悪くはないかなというところ。

mos: なんか種が色々転がっているんですね。

hirokickman: まあね、BZ反応を試してその後カラオケに行って論文を書くという話もあるみたいだからねぇ。あとは正常組織学アトラスを作るのがとりあえずの目標。

mos: この前初めての学会(ということにしておきましょう)発表もあったし、もしかしたら有名になっているかもですよ。

hirokickman: あまり有名になりたいとは思わない。別に拒否するわけじゃないけれど。どっかの中規模の病院の病理部の部長になったりしてのんびりと仕事をするのが目標。これから10年後どうなるのかは分からないけれど。

2011年11月27日日曜日

Impact of e-learning

#1 Possibility of e-learning
東京外語大学の言語モジュールというページを見て思った。

いわゆるe-learningは大学の時にもあった。それで英語の単位を8単位もくれたから結構美味しかったんだけど、はっきり言ってちゃちかった。

専門に入ってからは4年の終わりのCBTで出てきたけれど、その時も(金は取るくせに!)糸球体を子宮体と誤変換していたりありえないくらい小さい図で解答せよなんてあったりしてまだまだだった(一応うかったけど)。

それからも時代は進歩するわけで、今ではmoodleという新しいe-learningのフォーマットもあるらしく、これから花開きそうな予感。

そして話を戻すと自分は一応第二外国語はフランス語だったので、言語モジュールのフランス語を選択していくつかやってみた。

外国語習得理論はよくわからないので、自分の経験で話をすると、外国語を勉強するとき重要なのは単語と意味と発音をつなげること。当たり前のようだけれども、従来の教材だとこれが非常にしずらい。その点e-learningはこの3つの要素を簡単につなげることができる。他にもdictationやlistening, (指導者がいれば)writingも簡単にできそう。

この教材にハマる人がいれば相当実力がつくはず、と感じた。

#2 As for medical education...
医学教育に関してじゃあどう応用できるのかといえば、ベタに言うならまずはterminologyに有用だと思う。

どうしても覚えなくちゃいけない単語(橈骨とか尺骨とか、解剖学用語は知らないと骨折すら説明できない)はゲーム感覚で覚えることができる。

後は課題の作りようだけれど、症例ベースの問題もいろいろできるかもしれない。他の人とdiscussionを(チャットで?)しながら問題に対する答えを考えていくという形式。「●●についてみんなで話しあいましょう」では医学生には難しすぎて具体的な「●●の診断はなにか?根拠と共に述べよ」とか「●●の問題点はなにか?」とかある程度誘導形式が必要。

あれ?すごいmethodが開発されたなぁと思ったけど、ちょっと考えてみると結局内容が重要だという結論になってしまったなぁ。これなら別に紙でもできる。

医学教育を専門にしている人っていうのは(私見だけど)どこか頭が固くて形式に拘っているような気がする。「どうせ採血やCT検査をするんだから身体所見はそんなに重視しなくていいよ」という人は絶対いない気がする。実地臨床上でも「肺炎患者全員にcrackleが聞こえるわけではない」のに学生時代は肺炎の所見として当然あるかのごとく習った。

医学教育というのは「学習者に期待」する要素がすごく多い。予備校とかはその反面「学習者を与えられればやる気はほどほどにあるけど、知識や自ら調べようとする意欲はゼロ」という指導法を取っている印象。

以前は予備校的な指導のほうがいい!と思っていたけど、まあどっちに傾いても多分できない人はいるだろうし、最近はあまり深くは考えていない。もし自分が教育に関与することがあればキーワードは3つで「学習者の前提知識はゼロとみなす」「やる気なしも良しとしある人には最大限の待遇をする」「きっかけを与えるように努力する」というようにしている。

#3 What to say > how to say
英語の勉強ばかりしているとhow to sayよりwhat to sayのほうが大切だよ、と言われた。自分はそんなレベルの低いことをしているんじゃないよと言おうと思ったけれど、まあ確かにその一面もある。

英語がかなりbrokenでも研究留学して業績を作って帰ってくる人もいるし、そんな人達の英語を聞いていると「よくそれで通じたなぁ…」と思うこともある。

この言葉の言いたいことは手段はあくまで手段であって目的が達成されるためならば、手段に固執する理由はないということだろう。ただいろいろな考え方があった方が多様性が確保されるわけで傘を作る職人さんを否定する理由にはならない。

そう考えると、e-learning自体を研究することを除いて、果たして目的を達成するのに紙と鉛筆、カセットテープに比べて良いといえるのだろうか。自分は本、鉛筆、紙、CD(、ラジオは挫折)で英語を勉強してきてそれでも十分学習できたので、e-learningや英会話教室自体にはあまりお金を費やそうとは思わない。特にe-learningはいつでも勉強できる=いつまでも勉強しないということになるので、例えば大学なら締め切り直前にざっとみんなでアクセスするということになる。そんな勉強で外国語に限らず身につくかといわれれば多分身につかない。これは紙と一緒。

(学習者ではなく指導者の視点として)新しい手段を提供するならば、その点を含めて(決してオプションみたいではなく本体として)設計する必要があると考えた。

Deja vu

#1 Deja vu.
テレビを見ていたら「あっ、ここ行ったことがある!」というところがある。

別にそんなのあるはずだしだから何っていうかもしれない。

だけど自分が知っているもの・ひとがテレビに出ていたり新聞に載っていたりするとつい親近感が湧いてしまう。

もっとも最近は自分が(変な理由で??)インターネットに載ってしまったりするわけだけど。

Deja vuはフランス語で(アクサン記号が書けないけど)英語で言うとalready seenという言葉になるはず(多分使う人はいないだろうけど)。

「見たことがないのに見たような気がする」というもので正確に言えば今言ったようなことをdeja vuとはいわない。

多分医学もまじめに勉強すれば「診たことがないのに診たような気がする」deja vuを味わうことができるのだろう。

#2 Something is linked to something else.
今行っている当直先の病院は基本的には知っている人はいなくて、それでもほとんど何も出来ない自分に対してもとても親切にしてくれている(しかもかなり給料がよくて申し訳ない心境)。

誰も知り合いなんていなくても月2回くらいの当直で半年ちょっとしていれば技師さんだったり看護師さんだったりなんちゃって知り合いが増えてくる。

そんな中びっくりしたのが、もしかしたら大学の同級生がこの病院に就職するかもしれないことと、今働いている先生が(歳は離れているけれど)同じ高校だったということ。

高校生の時に先生から「うちの高校は歴史があって県内はもとより全国に卒業生が散らばっており同窓生だと分かれば絶対に悪くは扱ってくれない。君たちは恵まれている」なんて言っていたのを思い出した。

その時は「所詮地方の高校でしょw」と思っていたが、こんな所に卒業生がいるなんてすげぇなぁと。具体的な恩恵はまだ受けていないし受けれるかどうかはわからないけれど、確かに心強い。

さらにはもしかしたらまえいた病院の知り合いの人がこっちの近くの病院に来るかもしれない、というのもあって(実際に何人かは元同僚のスタッフが近くで働いている)、人生何が起こる変わらないなと思う。

悪く言えば過去からは逃れられないということになろうか。

#3 Work life balance
最近というか今年に入ってからあまり勉強する気力がない(病理って知識の切り売りみたいで勉強が仕事みたいなところがあるので)。

自分の中で一番勉強したといえる中学~大学1年くらいはどういうことしていたんだろうかと思いだして色々試行錯誤をしているところ。

お気に入りの0学占いによれば今年はとりあえず小休止の年で健康面に留意し来年にはばたけとのこと。確かにちょっと無理をしたかもしれない。

ただ当直や外勤は(たまに死ぬような思いするけど)楽しいし(大げさに言えば)生きているmotivationになっている気がする。

病理をあまり楽しいと思わないのはこれを本業としているからだろう、多分。ここの症例は結構変なのが多いのと若干の不満からなる。

とはいえ、外から見たら今の仕事の状況はバランスがとれていると思う。不満を言えばきりがないのだろう。

2011年11月26日土曜日

PowerPoint comedy?

# How to make PowerPoint
PowerPointというのはプレゼンテーションにおけるデファクトスタンダードみたいなもので、これ抜きには語れない。

もっとも今は同じようなことを他のソフト(LibreOffice(旧OpenOffice)やKeynote, PDFなど)でも出来るし、PowerPointじゃないといけないことはないけれど、一日の長みたいなもので結局みんなこれを使っている。

昔はPowerPointのeffectを最大限に使ってこれでもか!というくらいにビュービュー飛ばしていたけれど、最近はeffectはなるべく少なく(画面の切替のフェードのトランジションくらい)、画面もシンプルに、と心がけている。

それは以前youtubeか何かでビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションを見たときにふたりともスライドを凄くシンプルに作っていたから。スティーブ・ジョブズは特殊としてもPowerPointの販売元があんなシンプルなスライドを作るんだとびっくりしたのを覚えている。
あと両者に共通していたのはテンプレート(タイトルが上にあって下に箇条書きがあるやつ)を全く使っていないこと。

テンプレートを使うと確かに穴を埋めていくように簡単に作れるけれど、それじゃあ型にはまってしまって画面の使い方が数通りだけになってしまう。

そうじゃなくて自由に画面を使うためにはテンプレートを使ってはいけないんだと確信しそれ以降は全て白いキャンバスにオブジェクトを一個ずつ挿入するようにしている。1枚できたらレイアウトの統一性のためにコピペして次のスライドで入れ替え修正をするので意外と時間は変わらない。

なので作る度にレイアウトがガラっと変わってしまうけれど、「今度はどんな絵を描こうかな」とちょっと楽しみになる。

2011年11月24日木曜日

Twitter, facebook, etc

#Alumni
Facebookは結構みんな登録しているみたいで、mixiにあれだけ本名載せるななんて言われていたのにみんな職場から本名まで普通に出している。

自分の場合は病理部のホームページで本名と専門分野が写真付きで一般公開されているので、facebookに本名を登録することに抵抗はないのだが(ただし発言やtweetは仲間内だけの非公開、外に出ると物議をかもすかもしれないので)。

なので昔あった人たちの名前を検索すると結構な確率でヒットする。個人的には医療従事者は多い気がするがどうかな。

#Mixed.
人生はさかのぼってやり直すことが出来ないように、人との出会い、別れ、そして新しい人との出会いというのは順番を逆にしたり先延ばしにしたりなんてできない。

でもfacebookのつながりはいろんな時代に出会った人との交流ができるというなんか不思議な感じ。

もっとも交流というほどではなくて、「へぇ、今こんな事してるんだぁ」と眺めるくらい、そして今自分がやっているような(どうでもよい)ことを報告するくらい。個人的にはその程度のゆるさくらいがいい。

2011年11月21日月曜日

がっかい

#1-1 Public presentation for the first time.
この前人生で初めて発表をしてきた。

と言っても症例報告、英語で。

「いやぁ、英語での症例報告は大変でしたよぉ」と回りには言ったものの、正直言うと日本語より英語のほうがまし。

#1-2 日本語は難しい
英語は外国語として学んでいるから、(多少のバリエーションはあるけれど)日本人学習者の中には基本的には統一した文法体系があって、それから外れているとすぐにわかるし誰しもが根拠を持って訂正できる。

でも母国語として話していると、ある点を注意されても「あれぇ、、自分はこういうふうに言うと思っていたんだけどなぁ」という点が少なからずある。数多くのバリエーションがあるだけにあまりパターンを考えずに文章を作っていくと他の人が見たときに結構引っかかる所があるみたい。

外国語で言おうとするとラインが引いてあってもなくても真っ直ぐ走ることしか知らないけれど、母国語だと広いグラウンドでど真ん中を走りなさいと言われる感じで、これは相当意識しないと意外と難しい。

#1-3 そして誰も理解出来ない
その会は意思疎通の言葉として「英語」を採用したもの。もちろん外国人も何人かゲストとしていたけれど。日本人が日本人に対して英語で質問をするのは若干変な感じがする。それもたどたどしい言葉で。

日本語だったらすごく厳しい質問が飛んできそうだけれど、英語だと質問レベルが数ランク下がる(質問者の能力によるものか回答者の能力を察したものかはさておき)。

一応自分の言葉が通じなかったらいけないので、話を聞かずにスライドだけを追っても理解できるように作った。

#1-4 次回への課題
原稿を読みながら話せば良いと思ったけれど、いざ話をすると緊張しすぎて今自分が原稿のどこを読んでいるか分からなくなってしまった。しかも会場が暗い。ある程度は想定していたけれど、ここまでパニックになるのかと少し反省。スライド自体の完成度はかなり良かっただけに話し方に改善の余地があると考えた。

#2 その後
懇親会みたいな会で何人かの先生と話をした。

もっともこんな会は初めてだったので上司に案内されながら「どーも」と言いながら回っていく感じ。
外国人に対してジョークを飛ばしてみたり(これも向こうがwelcomeな空気を作ってくれるからできるんだけれど)してみたけれど、女医さんの人と少し話をした(どうやら向こうも話したかったみたいだけどとすぐ別の先生が来てそっちに行ってしまったけれど)。

北の大学のとある准教授で(というだけで特定されちゃうけれど)、もとは内科でその後研究留学してそこでECFMGを取得しアメリカで病理の研修をして日本に戻ってきたというかなり珍しくて突っ込みどころ?がたくさんある人。

しかも綺麗。おかしい。去年北の味噌ラーメン大学の時の写真を見たら「ああ、この人女捨てたんだなぁ」と思っていたが、最近またホームページを見ようと思ったら北の物産展大学に移動したらしくそこの写真はかなり綺麗(もちろん加齢性の変化もあるが「綺麗に老いている」といったところ)。
さっきの英語の発表の会でその女医の先生の英語はすごく綺麗だった。アクセントが「辞書的に」少し違うところがあって「惜しいなぁ」と思っていたが、この事実を知ったら「あれが本場かぁ」と思ってしまう。まぁ感じ方なんて適当なんだろう。

2011年11月13日日曜日

雑多感

#1 内科マニュアル続々と
直接的にはもう関係ないのだけれども、なんか気になってしまう。

内科向けのレジデントマニュアルは購読層が(他の一般書と比べて少ないながらも)医者の中では結構あるからか各社から出版されている。

「初期研修医」「内科」「初期対応」なんてキーワードだと大体項目自体は一緒になるわけでどの本でもはっきり言って大差ない。

なのでこういう本を複数買って同じことが書かれている項目はまぁ客観的な視点が入っているので妥当なのだろうという結論を勝手につける。

レジデントマニュアル自体は他の本でも言えることなのだけれども「ある程度わかってから読む」本で、何もわからない人が読んで治療できるような本ではない。

#2 Windows再インストール
シャットダウンするときに、数分かかるようになって、調べたら変なファイルが溜まっているかもということ。そういえばもうかれこれ2年間くらい再インストールしてないししようと思ってすぐやめたソフトなどいろいろ入っているよなぁと思い、休みを使って再インストール。

今メインで使っているパソコンはLet's note W7, Windows XP SP3, Core 2 Duo, Memory 2GBで個人的にはこれで全く不満がない。XPのサポートが終了したらどうしようか、その時はUbuntuにするかWindows 7(時期的には8?)にするか。。。

再インストール自体は周辺のソフトを含めて「ながら」で3時間くらいかかった。要らないソフトは思い切って捨てて必ず使うソフトだけにしてみた。ただ、フリーソフトは稀に公開停止になるから(例えば:Delphiのフリーバージョン)、そういうののバックアップは忘れずに。

ちなみにbrowserをfirefox→Sleipnirにしてみたけれど(病院のインターネットアクセスのためにIEで一度ログインする必要が有るため)

#3 症例子ちゃん in filemaker version
今まではJavaでプログラミングしてきた症例子ちゃんをfilemakerで作ってみた。

まぁ一言で言えば「敗北」になるんだけれど、やっぱりfilemakerは使いやすい。

eGFRやBMIの計算はすぐにできるし、画像を埋め込むのも簡単。レイアウトも結構簡単。ただ、それはレコードとかフィールドとかのデータベースの基本的な概念があるからこそなんだけど。そういう意味では症例子ちゃんを作って悪戦苦闘したのは決して無駄ではなかったと思う。

2011年11月5日土曜日

Medical practice 5.

Case お腹がいたい
40歳代の男性。朝からお腹が痛いとのことで受診。数日前にも同様の症状で受診しその際は点滴を受け痛みは少し良くなり膵炎ではないとされ帰宅していた。バイタルは血圧140/90mmHg, 脈拍120/minで発熱はなし。腹部はやや膨満、臍上部に圧痛あるが柔らかい。腸雑音聴取可能も低下。本人いわくお腹から背中にかけての痛みだとのこと。毎日飲酒しており既往に急性膵炎で入院歴あり。

♯鑑別診断
この人は毎日飲酒があるようで昨日もやっぱり飲んでいる。そして以前にも膵炎をやったとのこと。前回の痛みと似ていると。それだけ来れば膵炎で間違いないと思う。まあ鑑別診断は本当は例えば大動脈解離や心筋梗塞、胆石発作、胆嚢炎、尿管結石など色々思いつく。もちろんエピソードや身体所見はそれぞれ特徴的なものがあって、間違えることは少ないけれど、話を聞いてすっぱり除外できるかというとそういうものでもない。

#先入観はやっぱり大切
先入観を持つのはあまり良くないとされているが、本人が「前と一緒」と言っている以上は基本的に膵炎を疑って診断をつけるのが普通。膵炎を考えつつ他の鑑別診断も頭の中に入れておいて、ある程度網羅的な検査をする。経過や検査結果が典型的でなければ他の病気を考える、というのが普通の姿勢。

♯診断基準

膵炎は重症になるとかなり大変でそれでも結局することはほとんど変わらないのだけれども(石があればドレナージしたり透析をしたり)、重症急性膵炎の死亡率は9%なので結構侮れずもし重症であれば病状説明はかなり丁寧にする必要がある。というわけで重症膵炎の診断基準はかなりガッチリしているけれど、膵炎自体の基準は驚くほど適当。
1. 上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある。
2. 血中, または尿中に膵酵素の上昇がある。
3. 超音波, CTまたはMRIで膵に急性膵炎に伴う異常所見がある。
上記3項目中2項目以上を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎と診断する。ただし、慢性膵炎の急性発症は急性膵炎に含める。
という痛みがあってアミラーゼが上がっているか画像で膵臓が腫れていれば膵炎、というもの

♯そういえば肺炎の診断基準も…
肺炎も同様で重症度やリスクの分類はあるけれど肺炎かどうかというのは意外と無い気がする。よく見るのは細菌性肺炎か非定型肺炎かの鑑別で
1. 年齢60歳未満
2. 基礎疾患がない、あるいは軽微
3. 頑固な咳がある
4. 胸部聴診所見が乏しい
5. 痰がない, あるいは迅速診断法で原因菌が証明されない
6. 末梢血白血球数が10000/μL未満である
4項目以上合致:非定型肺炎疑い, 3項目以下:細菌性肺炎疑い
というもの。これはあくまで肺炎という前提での話で肺炎でないならあまりこの基準の意味はない。例えば喫煙者やACE阻害剤の副作用でも非定型肺炎になってしまいうるし、扁桃炎が細菌性肺炎になってしまう。

♯思ったほどではないが…
結局CTで膵が腫大し炎症が周囲に波及していた、。アミラーゼは200位で正常値を若干上回るくらいだった。思ったほど検査値は派手ではないが(すごい人はすごいので)、まあ後から重症化することもありうる。後は輸液をじゃんじゃん流す、抗生剤や蛋白分解酵素阻害剤は個人的にはおまけ程度。ただ本人に「軽い病気というわけじゃないんだからじっとしていてね、お酒を飲むのはもってのほか」というにはよいかも。

♯結局繰り返す
CTで膵の石灰化もないし実質も保たれていたので前回が初めてというのは嘘ではなさそう。

ただそれでも懲りずに毎日飲酒を続けるのはあまり賢くないけれど考えようによってはそれくらい信念をもって飲酒しなければ膵炎にならないとも言えるかも。

ちなみに心電図をとる時に脈拍が40/min位まで下がっていた。本当に痛いのだろう。

♯ソセゴン(ペンタゾシン)中毒
今回の例とは関係ないが、どこにでもいる。自称慢性膵炎でどこで書かれたかも分からないようなボロボロの紹介状をもって初診でしかも夜間や休日に来る人が。本当にどこで入れたかCVまで入れていた人もいた。どこで管理しているのやら…。

膵炎で疼痛コントロールのために仕方なく使って依存になったというケースや本当の慢性膵炎は痛いらしいのでまあ仕方ないけれど、お互いに依存はさせたくないのが本音。

自分のいたところだけかと思っていたけれども本を読んだりネットで見ると意外とどこでもいるみたい。

2011年11月3日木曜日

ECG is very difficult.

この前外来をやっているときに健診で「心電図異常」を指摘されたといってやってきた。

(こういうのは循環器内科に行って欲しいんだけどなぁ…)

で、話を聞いて結果用紙を見せてもらうと、不完全右脚ブロック。年齢もたしか若かったと思う。

毎年言われていてでも自分では症状がないから無視していたんだけれど、しつこいから受診したとのこと。

というわけで一応比較のために心電図をもう一度取る(他にも不整脈があったらねということで)。まあ若いしまず要らないんだけど「精査を」と言われてきているから「心エコーもやってみますか?」というと「はい」というので一緒にオーダー。

結果は普通。ただ、「右脚ブロックって何なんですか?なんか怖そうな名前なんですけど。。。」と言われて、それはね、と説明しようと思った時、ふと「なんだっけ?」と思ってしまった。

基本的に脚ブロックはあまり見ていない(本当は見ないといけないんだけれども)。ずっと前からある脚ブロックが結果として現れる異常は多分どこかで指摘されているはずだし、新しく出てきた脚ブロックは心筋梗塞などを疑わせる。

もっと言うと、心電図の(自分が考える)正しい読み方は常に前にとったものと比較することでその限りにおいては脚ブロックにあまり目がいかないのだ(レントゲンでも何でもそうなんだけど、以前行った検査があれば必ず比較しなくてはいけないし、比較することで所見が仮に読めなかったとしてもその人にとって正常か異常かのおおまかな判断はつくはず)。

「あぁ、そうだった」と思いだして洞房結節から房室結節、ヒス束、心筋への伝導を説明してここの導線が切れて、回り道をするから伝導刺激が思っていたより遅く到着すること、それを心電図が拾っていること、エコーでは弁や心筋に異常が見られないため問題ないこと、これからも多分異常を言われると思うが「不完全右脚ブロック」に関して検査をしたと言えば良いことを伝えた。

多分途中から「はぁ」みたいな感じになっていたが、なんで右脚ブロックになるのかと言われたら自分もよくわからない。。。