2012年4月15日日曜日

What I intended to do.

#1 It's just a habit.
最近なんで今こんなことをやっているんだろうと思うことがある。

もちろん誰しもみんなどこかで思うことなんだろうけど、特に最近思う。

たぶんそれは仕事がうまく行っていないことの言い換えなんだろうけど。

「辞めろ」と言われないのが今仕事をする一番のモチベーション。多分今何かの言い争いをして「辞めろ!」と言われたら簡単に「ハイわかりました」という準備ができている。

#2 Assume the worst case.
後ろ向きな考え方だけど最悪のパターンを想定しておく。最悪それさえなければいいかというくらいで。その絶対的なラインを割らなければ理性を保つことが出来る。

でも多分そのラインを超えた時点で理性を保つことが出来なくなるんだろう。

だから地震が来た時にキャパシティを超えた人たちの中には、命よりも大切なモノだと思ってしまったもののために命を落とした人もいるのだろう。

となるといかなる状況にも対応できるためにはとことんネガティブ思考が必要になるけど、過ぎたるは及ばざるが如しで普通の状況に対応できなくなってしまうのかもしれない。

#3 Beef or chicken?
今の仕事を選んだ基準みたいなもの。飛行機に乗って食事が出るとき(最近は国際線くらいに乗らないとどうやらごはんは出ないみたいだけど)どちらにしますかということ。

Beefでもchickenでも良かったけど、自分にはずっと臨床は出来ないと思っていた。でもずっと病理診断も出来るかは自信がない。自分の場合は臨床を続けるというoptionに対してnegative campaignを受けたために結果的に病理に流れたけど、それが良かったのかは正直良くわからない。

でもどっちに行ったとしても文句を言っているだろうというのは容易に想像できる。

2012年4月14日土曜日

Clinical practice 8

ちょっとした勉強になった症例。

Case 60歳代男性
狭心症、高血圧、糖尿病の既往あり無治療。ここ最近忙しくて風邪気味だった。就眠中に目が覚めると突然ぐるぐる回るめまいとそれに伴う嘔気が起こり救急搬送。

#1 めまいの鑑別
vertigo vs dizziness vs blackoutというのはかなり有名な鑑別。「そういう鑑別法では100%区別するのは出来ないよ」という人もいる。確かに患者さんの訴えなんて必ずしも正しいとは限らない。

それでも可能であれば上記の鑑別をするのは意義があると個人的には思っている(間違っていれば途中からやり直せばよいだけのこと)。

vertigoは周囲がぐるぐる回るような回転性のめまい、dizzinessはフワフワしたりゆらゆら揺れたりする浮遊性のめまい、blackoutは意識が遠のくような血の気が引くようなめまい。めまいという言葉の中には一般的にはこの3つの意味が含まれていると言われている。

もちろんvocabularyの細かい定義は使う本人によって異なり頭がモヤモヤしているだけでもめまいという人がいるかもしれない。だから詳細な問診をして性状を明らかにする必要がある。

#2 Clnical course
来院時、意識清明、vital著変なし。やや右への眼振を認めた。四肢麻痺なし、構音障害、嚥下障害なし。難聴耳鳴なし。念のためECG, 血液検査で心筋梗塞は否定した。

臥位でじっとしていたら大丈夫だけど、起き上がろうとしたら無理みたいだった。頭位変換性(頭を動かすとめまいはひどくなるかとの)問いに対してよくわからないと。

メイロン 40ml iv, プリンペラン iv, あまりに症状が強いのでホリゾン ivした。ちょっとは症状は軽くなったが、まだ嘔気が続いていた。

#3 Always rule out cerebellar stroke
脳梗塞は常に否定する必要がある。メイロンでよくなったらいいかと思ったけど、収まらないのでMRIを撮影。拡散強調像で梗塞巣は見られず、脳梗塞は否定的と考えた(本当に違うかどうかは経過を追って見る必要がありそうだけど)。

ちなみにメイロンを打つのは今では邪道の部類に入る。主流はホリゾン、プリンペランの対処療法。結局この例は外来でキープし症状が改善したため帰宅。

#4 BPPV vs 前庭神経炎
今まで蝸牛症状(耳鳴難聴)を伴わない内耳性の回転性めまいは良性発作性頭位めまい症だけだと思っていたけど、何気なく本を開いたら前庭神経炎もその部類に入るらしい。

確かに1週間前くらいから風邪を引いていたみたいだから前庭神経炎がふさわしいのかもしれない。

ただしどっちも治療法は一緒(することがない、BPPVにEpley法はあるけど)で経過も似ている。

#5 よくわからない
たまに患者さんがこう答える。「胸は痛いですか?」「いやぁ、よく分かりません」と。こっちとしては痛いか痛くないかなのにどうして答えられないのかと思ってしまう。

印象としては話をするのが面倒なくらい(ぐったりした)状態や意思決定が苦手な(≒優柔不断な)人に多いような印象。

かもしくはこちらの聞き方が悪いのかもしれない。なるべく答えやすいような質問を心がけてはいるけど、患者さん自身が体験している状況とはずれたことを聞くとそうなるのかも。

今回の例で患者さんがよくわからないといったのは、おそらく「確かに頭を動かしたらめまいは起こりそうだけど、そうじゃなくて寝返りを打つくらいでもめまいが起こる。というかずっとめまいが続いているから、頭だけが原因かどうかなんてわからない」というニュアンスがあってだと思う。

また胸が痛いかどうかについても狭心痛と言われる胸部圧迫感を「胸痛」と思わない人もいて「胸が痛いか」という問に対しても「痛くはないけど、性状の状態では決してない。この踏まれたような何とも言えない違和感がある。どう表現して良いかわからない」という意味で「よく分かりません」というのだと思う。

だからよくわからないと言われた時の対処法としては「聞き方を変える、近い症状を聞いてみる(胸痛→胸部違和感、頭痛→頭が重たい感じ、チクチクする感じetc)時間を置いて再度聞いてみる」それでも要領を得ない場合はその質問を不明として次の質問へさっさと移ること。よくわからないことに時間をかけてもしょうがないので。

Spring has come.

#1 春がきた
関東は寒い日と暑い日が交互にやってくるので服装の選び方に困る毎日。

雨が降るととたんに寒くなる。


桜は13日頃が満開だそうで、土曜日は雨で幾分散ってしまった。

結局花見はしなかったけど、まぁそもそも花見で花をめでている人はそんなにはいないと思うのでまた別の機会に飲み会をすればいいのかもしれない。

#2 New life with something new
4月から新しい生活が始まった、学生としての。

大学院生なんだから春休み欲しい!とか思ってみたけどまぁ無理だろう。

学費を払って仕事をするというかなり意味不明な状況。教育を受けてはいけるけれど、On the job trainingとあまり変わらない気がする。

欧米なんかはどうなんだろうか。大学院というシステムが(たぶん)機能しているであろう本家ではどういうふうにしているかは興味がある。

まぁ自分としてもそんなにまじめにやっているつもりはないから別にいいといえばいいんだけども。

2012年4月1日日曜日

Some leave, some come.

#1 Some leave, some come.
人事異動の時期。残る側も辞める側も大変。新規に就職する側も心配でいっぱいかもしれない。

こっちは一応残る側。直接的なしわ寄せはないけれど、でも間接的にはやっぱり来る。あれ?なんか戻ってくる標本のペースが最近早いなぁ…。

#2 Best textbooks in medical practice assuming general medicine
1年経って総合診療をする上で必要な本というのが見えてきた気がする。前に書いたことhttp://hirokickman.blogspot.jp/2011/01/textbook-for-residents.htmlとほとんど同じ内容だけどfocusの当て方が若干異なっていると思う。

1. 今日の治療指針
結局はこれが一番。「今日の治療指針だけじゃダメだよ」とかわからない場合はどうするの?とか言われそうだけど、それは今日の治療指針の完成度の高さからかえってあらが目立つだけだと思う。

ほぼすべての疾患について現時点での最善の治療が載っていること、毎年改定され、多くの人にレビューされておりある程度の質が担保されていること、最も重要かもしれないけどレイアウトが見やすくて探しやすいこと。

2. 内科レジデントマニュアル or 内科レジデント実践マニュアル or レジデント初期研修様資料内科ヒントブック
いわゆる内科レジデントマニュアル系の本。いずれか1点はあった方が良いと思う。これが全てというよりもこれくらいは…という意味で。必要十分とまではいわないけれど、これが完璧に頭に入って実践できていれば(内科系にかんしては)相当できると思う。

3. カラー写真でみる!骨折・脱臼・捻挫―画像診断の進め方と整復・固定のコツ
外傷系にはこれ。自分がするのはシーネ固定とまぁ肩の脱臼くらい(骨折してそうな時はそれでもやらない)。でもどんな治療法があってどういう時に送らないといけないかとかは知っておく必要がある。

4. 夏井先生の外傷・熱傷マニュアル
それぞれで2冊の本。外傷・熱傷系の治療は従来の古い本でやるよりもこの本でやった方が確実でキレイ。

5. マイナーエマージェンシー
外来、救急はどんな人が来るかはわからん。重症になればなるほどやること(できること)は限られてくるけど、軽症になればなるほど症状は多彩でちょっとしたテクニックが必要になることがある。そんな時の一冊。

6. 自分のオリジナルマニュアル
1~5を参考にしつつ自分の経験を踏まえて書いたもの。例えば肺炎で入院したおじいちゃんに抗生剤はロセフィンを使おう。じゃあその他の点滴は何をどれくらいいけばいいの?という疑問に対して普通のマニュアルには答えが書いてない。そういうニッチ的なものを中心に書いたもの。

1を貴重にしつつ2で内科系の補強を。外傷系は3~5で何とかなる。後は画像診断系で一冊ほしいけど、画像診断(心電図を含む)は経験値によるところが少なからずありアンチョコ本が活躍しにくいと思うのとあまりいい本を知らない。