2011年12月26日月曜日

雑多感

#1 IT in diagnostic pathology
病理と臨床12月号の特集は「IT活用による次世代病理」について。

パラパラとしか読んでいないけれど、興味がある内容は次の3つ。

1. バーチャルスライドによる診断について
2. スライドのコンピュータによる自動診断
3. 診断の文章の自然言語処理による解析

1. いずれはバーチャルスライドになっていくのだろうと思う。今の仕組みではスライド作成→バーチャルスライドに取り込む、というステップが必要で、一枚あたりの容量が非常に大きいことが難点な気がする。ハードディスクの容量は年々倍々ゲームになっているが、データ蓄積上の不安はある(電子カルテは文字ベースなので多分そこまで容量は食わないと思う)。

あと今のバーチャルスライドは厚みの違うスライドの場合途中で焦点がボケてしまう。ボケた焦点はどうやっても直らない。特に倍率を上げた時にそうなる。

2. これは結構難しいと思う。心電図の自動診断機能よりも遥に難しい。病理医の間での診断が異なることや「診断が出来ない」というシチュエーションをどういうふうに理解するかなど課題は多いと思う。研究ではリンパ節を掲げていたけど、基本的には正診率100%でないと診断として信用出来ない(人間で100%を求めるのは無理だけど、ミスをしない前提の機械が90%では全く使えない)。

3. 診断の文章は結構人によって好みがあるからなかなかこうとは言えないような気がする。例えば臨床での「咳、鼻汁、咽頭痛」は風邪を意味するものかもしれないし扁桃炎かもしれない。いずれにせよ咽頭痛と書くことが多い。しかし病理診断の場合は所見を書く際にはかなり診断を意識する。悪性の場合は悪性っぽく(多形性で多数の核分裂像をみる細胞が...)、良性の場合は良性っぽい(異型の乏しい上皮が被覆した...)書き方をするのでこれを解析して意味があるとすればこの病気の時はこういう所見を探したほうがいいよ、というsuggestionくらいか。

パラパラと読んだ範囲では「バーチャルスライド以外は病理診断に寄与する可能性は低い」という結論で本質的に病理診断に必須となるためには数ステップのinnovationが必要だと思う。

余談だけど、症例のデータベース化は重要。教育的にも研究的にも(実際の診断には???だけど)。

#2 Medical practice in the extremely restricted environment
前の病院が基本的にはなんでも自分のところでやってしまう(転院するのは膠原病関連くらい)、相当アクティブな急性期の総合病院だった。

なのでレントゲンや検査は基本的に24時間迅速に出来る(総合病院にとっては必要不可欠、例:脳梗塞のtPA使用など)。

ところが今は当直なんかしているとその逆で「送られる側」から「送る側」へと変わった。もちろんそれに連れて給料も上がったけど、正直変な話。苦労している人よりしていない人の方が給料が高いなんて。。。(今は自分は恵まれている方なので文句は言わないけれど)

以前は「送る側は楽だよなぁ、ちょっとSpO2が下がれば『肺炎疑いです』なんて言ってそのまま丸投げできるんだから」と思っていた。

まあ実際そういうところもあるんだけど、送る側からしたら断られた時のどうしようもなさは半端ない。

家族には「転院します」といって交渉しどこもダメで結局自分のところでみるにしても「転院はどうなったんだ?オタクで見れるのか?」といわれれば返す言葉もない。

基本的に転院させる場合はマージンを見て( 今の状況だとうちでみれそうだけど、あまりひどくなるようだったら無理だな。早めに送ろう)判断するわけだけど、その塩梅を伝えるのは(家族にも、搬送先の病院にも)難しい。

病院といえども様々。

悪くなったら転院搬送をする、でも転院先は自分で探して、と。レントゲンも撮れず心電図すらとれなくて測定できるのは血糖値くらい。基本的にはDNRの高齢者が多いから問題ないそうだが、こういう病院は怖い。

これを病院→老人ホームと置き換えたら普通じゃないかと思うかもしれないが、老人ホームと病院に求められる役割は違っていて訴えられたら確実に負けそうな気がする(検査も出来ないような診療環境で何かあった時に病院が守ってくれるとは到底思えない)。なのでこういう病院の当直はなるべく避けるようにしている。

いろいろめぐって今はまぁなんとかそれなりの条件下で仕事をさせてもらってるけど(去年の今頃思い浮かべていた状況と似たような、違うような)。

#3 Vanity of test taking
久しぶりにTECOMのホームページを見た。別にTECOMでバイトをしようというわけではない。

(たまに予備校で教える医師がいるけど、給料そんなにいいのかなぁ?と思う。有名講師になればそれなりなんだろうけど、普通の医者であればcost performanceから言って、明らかに外勤をやっている方が儲かるような気がする。。。)

受験前は隅から隅まで見てたけど、今ではふ~んと流し読み。

104回は必修が難しかっただのTECOMの模擬試験やターゲット講座は良かっただの。まあ結局変わらないのね、と言ったところ。

試験が終わって数年経てば「結局医者をやっていくのに必要なスキル」は国試の目指す方向性とはズレていることがよくわかる(国家試験-超レアな疾患+社会的な要素等)。

自分はいわゆる受験世代で幼稚園受験からしたみたいだけど(さすがに記憶はない、小学校受験はかろうじてあるけど)、結局まぁそんなものか、という印象。「すごく重要だった」とも思わないし、かといって「すごく害だった」とも思わない。

次生まれ変わってもやりたいかといわれれば「やってもいいかな」という程度(ただ、今の立場があるのも受験産業のお陰なので足を向けて眠れはしない)。

試験は受かってしまえば途端にモチベーションがなくなる。いわゆる燃え尽きなんだろうけど。でもずっと試験でも途中で脱落してしまう。いわゆるドロップアウトなんだろうけど。

自分はどちらかというと、、、(燃え尽き+ドロップアウト)/4くらい。ヤル気がないわけじゃないけど、やっぱりそんなにない。ただ次にヤル気が出た時のためにコツコツとすることはしているだけ、という感じ。

2011年12月23日金曜日

Common diseases.

色々な症状で病院を受診するけど内科系で一番困るのが腹痛。これはどうでも良い腸炎から消化管穿孔、尿管結石、また肝癌の骨転移だったり。痛みの部位によって鑑別診断が異なるんだよと言われても虫垂炎なんか心窩部→右下腹部へ移動するし、内科系の医者は(自分もそうだけど)婦人科疾患は結構弱い。軽症っぽい中に重症が、重症っぽい中に軽症が混ざっているからホント難しい。

一方簡単そうに見えるのが風邪。「風邪は診るのが簡単♪」という人と「風邪は本当は一番恐ろしい病気」という人の二種類いるような気がする。前者は内科以外の先生、後者は総合診療や感染症を専門or得意にしている先生に多い印象。

# 風邪症候群
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/search/guideline2009/01-1.htmlやuptodateを参考にしつつ。

#1 風邪はウイルスによるもの
抗生剤が有効なのは細菌感染に対してであってウイルスに対して「有効な」薬剤があるのは自分の知っている限りではHBV, HCV, HIV, HSV, RSV, インフルエンザくらい(忘れたけど後少しあるかも)。

一方風邪の原因ウイルスとして最も多いのはRhinovirusでCoronavirus, Influenza virusと続く。

インフルエンザ以外は特効薬が無いので端的に言えば「勝手に治るのを待ってください」というほかない(ちなみにインフルエンザでも合併症のリスクのある人以外は必ずしもタミフルやリレンザ、イナビルを処方する必要はない→けどまぁ処方する)。

#2 感染経路
くしゃみ鼻水の水滴からかと思っていたが、uptodateによれば一番は手からの感染が多いそう。なので手洗いは非常に重要(インフルエンザの場合はくしゃみ鼻水の水滴からが一番多いとのこと)。もちろんすでにかかってしまった患者さんに言ってもしょうがないところがあるが、少なくとも次の感染の予防を啓蒙できるはず。

#3 潜伏期
24~72時間程度とのこと。ただ、これはあまり意味が無い。食中毒と一緒で毎日同じ物を食べているわけではないので症状が起こってもどれが原因だったか推定が困難。仮に推定できたところで治療法や予後に大きく関わるのはそんなにない(例外:O-157等)ので普通はあまり気にしない。

結局聞くとすれば「人ごみの中に行きましたか?」とか「ご家族や普段行かれるところで風邪を引いたり熱が出たりした人がいますか?」とかその程度。

ちなみにシーズンでインフルエンザが近くで発生していればそれは極めてインフルエンザの可能性が高くなる。

#4 症状・所見
一般的な風邪症状・所見は自分は気にしていない。鼻水があったりなかったり。喉も痛かったりそうでもなかったり。熱もあったりなかったり。ただし次の症状はしっかり聞く。

喘息発作の有無:何でもない風邪であっても喘息の既往があれば(最後の発作が数年前であったとしても)喘息が再燃する可能性がある。今も発作があるなら重症化する可能性がある。そういう場合は必ず胸の音を聞いて発作の有無を確認する(非常に軽度の発作だと本人もあまり意識しないこともあるので)。ちなみに喘息のwheezeは呼気終末を聞く。
扁桃炎の有無:扁桃が腫大し白苔(ヨーグルトのかすみたいなの)が付いていれば溶連菌等かEBVの可能性。抗生剤の有無はCentor criteriaで迅速検査をして決定する、らしい(面倒だから自分はあまりしないけど)。EBVの伝染性単核球症であれば初回感染(基本的に二度とはかからない)、腹部膨満(肝脾腫)などがある。分かりにくければ血算分画を見る。EBV感染にペニシリン系の抗生剤を出すと皮疹が出ると言われているので鑑別がめんどくさければ自分はジスロマックかクラビットを出す(感染症の先生が憤慨しそうだけど)。
咳の強さ:咳喘息の可能性とマイコプラズマ肺炎の可能性(あと考えたくないけど百日咳、そして結核、たまに流行る)。まあいろいろな考え方があるけれど、診察室でゴホゴホ言っていたら十分咳が強い(みんな咳が出るとは言うものの診察室ではほとんど咳をしない)。マイコプラズマ肺炎は小児で多いけれど、成人でもいる。結構しつこい咳、抗生剤(大体クラリスかジスロマック、クラビットでも良い)を飲めば数日でかなり改善する。咳喘息やマイコプラズマにメジコンやコルドリン(鎮咳薬)を出しても効かない。
呼吸苦の有無:扁桃の腫脹が強ければ気道を圧迫する可能性がある。後は急性喉頭蓋炎ではっきり言って見たことがない。明らかな予兆があれば(首元でヒューヒューするとか明らかな息ができなさそう)耳鼻科に行ってもらう方が無難。緊急的に気管切開をする必要があるけど、ふだんやらないことを緊急でできるわけがない。
悪寒の有無:体温は見るけれどあまり重視しない。しかし、その診察時点で悪寒があればこれから体温は更に上がる、少なくとも下がりはしないと言える。
経過の長さ:一週間以上も症状がずっと続いている、もしくは前医で風邪と言われたが治らないのでやってきた、という人はそれだけで採血と胸写の適応が十分あると考える。


#5 風邪と何を間違えてはいけないのか
はっきり言って「風邪」の症状の時点でほかの病気と100%鑑別を行うことは不可能と思う。色々な病気が「初期は風邪症状」なんて書いてあるし見分けがつかない。

じゃあ何が出来るかというと患者さんに典型的な風邪症状の転帰を伝えそれに外れれば受診し精査を受けるようにする。教科書には色々書いてあるけれど、自分が実践しているのは

・大体1週間くらいで治るか改善傾向になる。例えば肺炎は適切な治療と休養がなければ結構長引くので変わらない場合は受診して欲しい
・薬を飲めば症状は軽くなるけれど、100%消えることはない。また薬の効き方は人によって多少違う
・風邪の症状で別の病気がわかることもあるけれど、今現時点でそれを判断するのは難しいしこの症状では検査をする意義も乏しい。他の症状が出てくれば精査をする

重要なのは「不必要な再診を防ぐこと」(薬を1日分飲んだのに全然良くなりません!と来る人もいる)と「重症例をしっかりフォローすること」(前の病院ではただの風邪と言われたのに実は肺炎だった!あの病院は藪だ!と言われないように)

大半は寝てれば治る人たち。

#6 何を処方するか
これは好みによるところが多い。自分がよく処方するもの(量はいつもの処方の感覚なのでmgが違えば変わります、要確認)。時間外であれば自分は全例3日分(人によっては1日分しか処方しないという人も)。

PL:3g3x 3~5日分。総合感冒薬。アセトアミノフェン、抗ヒスタミン薬、カフェインなど色々入っている。便利。たまに指定してくる人もいる。粉がダメという人もいる(ピーエイ錠があるけど)。PLにカロナール(コカールなど)を出す場合はアセトアミノフェンの用量を確認すること。色々入りすぎてかえって嫌だ、という人もいる(抗コリン作用のある薬も含むので尿閉をきたすかも、らしい。自分は経験したことないけど)。
ロキソニン:3T3x 3~5日分。NSAIDsの解熱鎮痛剤の代表選手。ロキソニンは少なくてそのジェネリックを使っているところが多いのでは?長期服用で胃粘膜障害(胃潰瘍)が起こるのでムコスタ(レバミピド) 3T3x 3~5日分を併用する。個人的にはムコスタを飲んでも胃潰瘍になる人がいるので効果の程は???だけど、みんな出す。
ちなみに「ウイルス感染にロキソニンは禁忌だ」という人がいる。かと思えば風邪の患者さんに臆せずにロキソニンを連発する人もいる。インフルエンザにもロキソニンを出す人がまれにいる(インフルエンザにはアセトアミノフェンが唯一使える解熱鎮痛剤ということになっている)。これは恐らくアスピリンを内服してライ症候群を起こしたことによるものと思われるがロキソニンはロキソプロフェンでピリン系では無いので厳密には違うとは思うんだが、羹に懲りてナマズを吹くような感じか。
トランサミン:6C3x  3~5日分。止血剤。喉の腫れを取るとのこと。前の病院のツンデレ薬剤師さんがこれいいですよと言っていたのでよく処方するけど、効くか効かないかはイマイチ不明。ちなみに似たような使い方をする薬にダーゼンがあったけど、効果がないということで発売中止になってしまった。
漢方薬:よく出されるのが葛根湯や麻黄湯。これは急性期(まだ汗を書いていないとき)でかつ体力のある人。小青竜湯はくしゃみや鼻水と言った症状が強い時。結構風邪が続いていて体力が低下している人は補中益気湯が適応。あまり自分では出さないけれど、欲しいという人がいればこういう薬を出す、程度。
イソジンhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16242593にイソジンよりも水のうがいが良いと書いてある(予防についてだけど)。これを読んでから基本的には出さない。でも患者さんが欲しいといえば出す、という程度。
SP トローチ:6T/day 3~5日分。これを欲しいという人もいる。舐めておいしいので欲しいといえば出す。
アレグラ:2T2x  3~5日分。特に鼻炎症状が強い人に(あまり使っても効果はないというけれど)。

色々書いたけど、自分が患者だったらロキソニンだけもらう。だって風邪で辛いのは喉が痛くて熱が上がってだるい。それを解決するのはロキソニンだけで十分(短期間の服用であればムコスタは不要)。

2011年12月18日日曜日

Plan for future.

#1 Start research?
とりあえずそろそろ研究の方向性を決めなくちゃいけないらしい。

まあ研究というのは変なもので、恐らく多くの人は「これがやりたい」というモチベーションではなくて「これが与えられた」というモチベーションで始める。それが合えば続けて合わなければ別のテーマを探すかもしくは研究から足を洗う。

だから「何がやりたいのか?」と言われても「特にありません」と答えるほかない。実は本当にやってみたいことというのは、しばしば本職とは違ったものだったりするので。

#2 Well motivated people
今の自分は若干semi retiredな感じであまりガンガンやりたい感じではない。若いのに変だと思うかもしれないけれど、まあとりあえず医師免許も取ったし、追い立てられるものがなくなった、ということか。あとは同期がいないから比較対象がないというのもあるかもしれない。

でも世の中は広くてすごくモチベーションが高い人もいる。自分でこれがやりたいといって抗体を買って、素材を集めて、研究を見てもらって…と。

自分にはない行動力で、こういう人を眺めるのも関東に来たかいがあったのかなぁと思っているところ。

#3 My plan for next year
来年の目標については最近のエントリーで書いたけれど、それを含めてもう少し書いてみる。

・臨床系
自分は将来的に臨床で食っていく気はないけれど、臨床的なことは病理診断に結構関わってくるので(逆もまた真なり)、これはしっかり勉強していく必要があると考えている。基本的には全般的に勉強することにはなるんだけど、来年のテーマとしては特に膠原病、皮膚、運動器(特に腫瘍性)、腎臓(非腫瘍性)辺りを中心にするつもり。これまであまり関わって来なかったor苦手だった分野で結構病理診断との絡みも多いし皮膚疾患は結構患者さん多い(皮膚科に本当は行って欲しいんだけど、ついでにとか言ってこっちにくる)。

・病理系
Surgicalが今中心で、(まだ修正が結構あるけど)ある程度は読めるようにはなった。幸か不幸かまだこの時期でも生検をほとんど読んでいないので、来年は生検を中心に読んでいくことになる、と思う。細胞診は誰も何も言わないしまだしばらくはしなくて良いと思っている。後は電顕をどうのこうのとなるのだろうけれど、まああまり頑張りすぎてもしょうがない。

#3 Otherwise
休日の診断室は寒い。やっぱり古い建物は辛い。。。

2011年12月4日日曜日

Clinical practice 6

今回は内科系。自分の診た症例ではなく申し送られた症例で患者の顔を一度も見ていないけれど、いろいろな意味で示唆に富んでいたので(いつものごとく若干のフィクションが入っています)。

Case 70歳代女性
既往にLC, DMあり大腿骨頚部骨折でリハビリ加療中。2日前から食事をするときに箸が口までうまくいかないという主訴で前の当直医をコール。

当直医の診察時は12脳神経は異常なし、筋力低下なし。膝踵試験は陰性、回内回外正常、Rombergできず、指鼻指は稚拙。低血糖は否定。なぜか長谷川式も行なっていて以前17pts -> 5ptsへdown.

当直医は小脳梗塞の可能性を考えて頭部CTをオーダー(CT, Xpは撮れる病院)。しかし出血なし、明らかな脳浮腫は見られず、脳梗塞は否定できないものの確定できずということで経過観察。

翌日意識レベルが低下したため、脳浮腫の増悪やその他の可能性を考えて転院搬送。その後「どうしたらよかったんでしょうかね?」という相談を受けた。

#1 病院の役割
そこはリハビリ病院で積極的な加療ができない(CTが置いてあったのも前の病院からの引継ぎでいずれなくなる予定)。明らかな異常があれば精査を含めて搬送するのは仕方がないと思う。

送る側として怖いのは「何もありませんでしたよ♪」と言われることと「なんでもっと早く送らなかったんですか!」と言われること。普通医者同士でそこまで悪く言うことはないので後者はないにしても前者を言われるとなんか落ち込む。だから前者と後者の間で苦渋の決断をするわけ。

#2 勘違い?
最初話を聞いた時LCをずっとlung cancerだと思っていた。まあ普通に考えればliver cirrhosisなのかもしれないけれど、最近自分が診ているのはlung cancer >>>>>> liver cirrhosisなので「いやぁ、small cellかnon smallかでも全身症状が変わってくることもありますからねぇ。SIADHとかそこら辺も考慮する必要がありそうですね」と言ってしまった。

当直医もそうですねと言っていたしそもそも「LCで外来フォローはあったようですが治療はされていなかったようです」という言い回し自体がもしかしてその先生もlung cancerと勘違いしていたのでは?と思った。肝硬変の場合(まぁ利尿剤とか肝庇護剤とかそれくらいで)移植以外に治療らしい治療も無い、というかしようがない。なので肺癌で年齢・体力的にも抗癌剤に耐えられないだろう、だから経過観察にしたのだろうと考えた。

#3 鑑別診断
小脳梗塞は結構曲者でMRI撮らないと分からないことがある。典型的な症状だといいけれど、お年寄りはただでさえふらふらするしParkinson病などが背景にあると結局なんだかわからなくなる。だから最初に診察した時に分からないのは仕方ないし自分もわからないと思う。

ただ、その翌日の意識レベルが低下した時点で小脳梗塞は可能性がグッと下がる。もちろん脳浮腫を起こしている可能性は否定できないけれど、基本的には脳梗塞では意識レベルが低下しないことになっている(中大脳動脈があるじゃないかといわれればまぁそうなんだけど)。

なので、その時点で低血糖を否定して「原因不明の意識障害、r/o 脳梗塞」として精査加療を依頼するのが正解でその当直医もそうしていた。ただ当直医は小脳梗塞に傾いていたみたいだけど。

#4 搬送後
結局その当直医が診て搬送してその後搬送先から報告があった。

結果は肝性脳症は少なくともあって(アンモニア 150↑)で、動くのでMRIは撮れないとのこと。

聞いた後病棟に行って看護師さんに話を聞いてカルテを見て肝硬変の既往を確認した。

看護師さんは肝性脳症を見たことがなかったらしく「右手だけじゃなくて両手両足震えてたんですね」という。口臭については覚えていないと。長谷川式が低かったのは多分意識レベルが低下していたからだろう。多分上記経過を矛盾なく説明できる所見。

前の当直医と連絡していないので事実がどうなのかは分からないけど(後で連絡してやっぱり肺癌だと思っていたらしい)、まぁ悩ましい症例だったんだろうなと思う。

#5 身体診察の意義
総合診療をmain fieldにする先生たちはすごく身体診察を重視する。自分も一時期「問診と診察だけで80%(たしかこれくらい)は診断がわかるってすげーなー」と思っていたが、診察を取る人の間で所見が異なること(interobserver difference)や、実際は医療訴訟などの問題でCT, レントゲン、採血といった客観的、(ある程度の)再現性のあるデータを重要視されるようになってきてあまり深入りしないようになってきた。

ただし、問診に関しては話は別で前情報があるのとないのとでは雲泥の差があり(例えば高齢者で糖尿病の既往があるといった時点で全ての些細な症状を拾い上げる必要がある)、一番重要。なので自分の中での優先順位は

1. バイタルサイン(生きるか死ぬかをまず判断)
2. 問診(含む既往歴、薬剤内服等々)
3. 画像診断(CT, MRI > Xp)、血液検査。胸写は撮影条件が変わると全く変わって見える
4. 身体診察
5. 年齢、性別

年齢や性別は一応頭の中に入れるけど、鑑別を考えた最後に考慮して疾患を除外することにしている。好発年齢や性別というのはあくまで好発なわけで、非典型例なんていくらでもいる。「20歳男性、発熱、咳」でも肺炎はありうるし「35歳男性、回転性の目眩」でも小脳梗塞はある(これはさすがに一度は見逃して二度目の受診でもしかしてとMRIをとって判明したもの)。

バイタルサイン(SpO2, BP, HR, Urine, BT, RRはあまり測らないけど)は自分の中では結構重視していて、普段外来をしている病院では看護師さんがバイタルを測ってくれないので非常にstressful!

2011年11月28日月曜日

Review of this year.

# Review.
mos: 今年一年もそろそろ終わりですねぇ。

hirokickman: そうだなぁ。なんか早かったような遅かったような。

mos: 今年一年どうでしたか?

hirokickman: どうって言われても難しいよね。ちょうど病院の食堂の壁に掛けてある「相田みつをの詩」みたいに「日々是好日」で「今日が一番大事な日」だからあまり深いことは考えていない。

mos: また、そんなことを言って。でも今年が終わるとなんか考えることはないんですか?

hirokickman: 多分客観的に見れば「出来るようになったこと」はたくさんあると思う。切り出しもそうだし診断もそうだし。臨床的なスキルだって週1回の外来と数回程度の当直だけど、それでも毎回少しずつレベルアップしている気がする。だけどそれは「本気を出して」習得するレベルからするとまだまだだし、実感としては「まだ何かが出来るようになった気がしない」というところ。

mos: まあ感じていることと実際が違うことはよくありますもんね。

hirokickman: そうね。例えて言うならy = [x](ガウス関数)でトレーニング量xは少しずつ上がっているのになかなか結果yがでない感じ。

mos: y =[x/2]とかだったらさらに時間がかかりそう。

hirokickman: まぁ単純にx軸方向に2倍になるからね。占い的にも今年はあまり無理をするなって言っているし、とりあえず今年はこれくらいでいいのかなという気がする。

mos: かなり占いを信用していますね。

hirokickman: みんな馬鹿にするかもしれないけれど、一種の宗教と同じようなもんだからね。

mos: ちなみに今年の目標は達成できましたか?

hirokickman: 今年の目標なんて立てたかなぁ??まあいずれにしても環境が変わって自分が外様過ぎて不慣れなことが多くてそれで疲れてちょっとやる気無くしたからねぇ。例えば臨床的なことで言えば、慢性疾患について勉強するというのは実践しているし、まあまあできているかなと言うところ。

mos: 糖尿病、高血圧、高脂血症は多いですもんね。

hirokickman: 多いのは前々からわかっていたけれど、でも自分が得意だったのは「糖尿病性ケトアシドーシス」とか「低血糖発作」とか「高血圧緊急症」(大動脈解離、クモ膜下出血、ほとんどは診断をつけて専門家にパス)だったり。何も症状がない人を「症状を出さないために」どうやって治療するか、結局は普通の薬を普通に出すだけなんだけど、結果がわかりにくい分結構戸惑いが多い。

mos: やっぱり結果がすぐわかる救急向きなんですかねぇ。

hirokickman: 救急のトレーニングをしていたからだろうね。結果がすぐわかるのは好きだけど。後は軽症の外傷をだいたい見れるようになったことか。どれも教科書的には簡単な処置なんだけど、それをきちんと経験して処置できるようになる。

mos: 最初は見る前に必死に教科書を読んでましたもんね。

hirokickman: 今も見るけどね。たまにしかやらないからちゃんと予習復習しないと成長しない。

mos: 病理診断についてはどうですか?

hirokickman: まあひとつ言えるのは全国に何人いるか知らないけれど同じキャリアを歩んできた「同期」の先生たちに負けている自信はある。最初はすごく不安だったけど、今はあまり気にしていない。いずれ同じところにたどり着くわけで。

mos: なんか漠然、というか達観した境地ですね。

hirokickman: 大学を卒業するまでは1年2年というのは学年という差として歴然としてくるけれど、その後っていうのは「卒後何年」みたいな感じで結構漠然としている。卒業したけど国家試験落ちたという人も「卒後何年、免許取得後何年」なんてあまり言わないし。学生時代は臨床実習とかは結果的に結構サボったけれど、それでも今医者をするうえで支障があるかといわれれば特にない。他の大学を卒業した人で臨床実習漬けになった人もいて、最初はすごいなぁと感じてたけど、初期研修を終わってみればそんなに差なんてない。

mos: だいたい卒後10年くらい経つと大学病院でも一般病院でもどういう経路でも同じようなレベルに達するといいますね。

hirokickman: そう。だいたいみんな同じ所にたどり着くみたい。みんながみんなではないだろうけれど。だから今大学で学生がすごく頑張って実習しているけれどそんなんを見ていると「今頑張らなくてもいずれ出来るようになるよ」という気になってきた。

mos: でも昔のentryを見てみると「早く一人前になりたい」というのがにじみ出ているような気が。

hirokickman: まあ立場によって考え方は変わってくるからね。学生の時は今の自分のように考える医者を「ヤル気のない駄目なやつだ」というニュアンスで見ていたけれど、今ならよく分かる。「今のうちに遊んでおけ」と言っていたのもよく分かる。でも遊べと言われて遊べるほど器用ではなかった。

mos: 最近医学教育に冷めだしたのもそのせい?

hirokickman: まあねぇ。完全に覚めたわけじゃないけれど、少なくとも医学教育の世界が今の自分の思い描いている方向とは全く別の方向に進んでいるし、その中に身を投じるのはnonsenseだという判断。結局どうやってもそれなりに人は育つし、時代背景が変わっていくから比較や評価が実質的にできないからねぇ。今はどっちかというと臨床的なことで言えば卒後教育や総合診療に興味があるかな。

mos: 総合診療って「何も出来ないことの言い換えだって言ってなかったでしったけ?」

hirokickman: その通り。何でもできるというのは何にもできないというのと等しくてそれでidentityを保つのは非常に難しい。ただ、自分は病理をバックグラウンドに持つつもりでそれをもって総合診療を名乗れば結構面白い領域が出来るのではないかと考えている。すごくざっくばらんだけど。

mos: あまり聞かない話ですね。

hirokickman: そう?ブログなんか見ていると病理専門医を持っていて内科をやっているという人はたまに見る(逆も結構いるけれど)。ただ両者を十分に活かしている人はあまりいない印象。

mos: 臨床を続けていくつもりですか?

hirokickman: いや、それは分からん。もういいかなと思った時点で終了。

#Plan for next year.

mos: ちょっと早いですけれど、来年の目標を。

hirokickman: 臨床、病理、研究についてそれぞれ考えていることがあるけれど。

mos: じゃあまず臨床から。

hirokickman: 内科系の主な慢性疾患のコントロールの勉強と急性期の疾患のコントロールを忘れないように。あと内科をやっていると皮膚科がすごく重要だということに気がついた(内科で皮膚科の薬出してという患者さんもいる)。なかなか皮膚科の診察・処方というのは特殊でわかりにくいけれど、病理の勉強の時に臨床的なことも勉強しようと思う。外傷系については骨折のレントゲンの読み方に習熟することか。あまり給料には反映されないけれど。

mos: 病理は?

hirokickman: やっぱり診断の精度向上。と言っても漠然としすぎているので具体的に言うと、期間ごとにテーマを決めて教科書と標本を見ていく。今のところはだんだんほんわかだけど疾患のカテゴリーとか概念が出来上がったところ。もうちょっと色々経験してから本格的に勉強したいところ。生検をまだほとんど読んでいないので若干負い目。あとそろそろ解剖症例を片付けないと。

mos: 研究は?

hirokickman: 研究はまだしていないし今のところはするつもりもない(上司も同じ)。ただ、ケースレポートはする必要があるだろうから自分の経験した症例で「珍しい」と言われたり珍しいと感じた症例に関してはfilemakerで保存することにした。最近あったのが子宮のtriple cancerで両側乳癌の既往のある例。まあこういうのは遺伝子を調べたら面白いのかもしれない。他にもepidermoid cyst in ectopic spleenとか。まあ症例報告になるのかは分からないけれど、して悪くはないかなというところ。

mos: なんか種が色々転がっているんですね。

hirokickman: まあね、BZ反応を試してその後カラオケに行って論文を書くという話もあるみたいだからねぇ。あとは正常組織学アトラスを作るのがとりあえずの目標。

mos: この前初めての学会(ということにしておきましょう)発表もあったし、もしかしたら有名になっているかもですよ。

hirokickman: あまり有名になりたいとは思わない。別に拒否するわけじゃないけれど。どっかの中規模の病院の病理部の部長になったりしてのんびりと仕事をするのが目標。これから10年後どうなるのかは分からないけれど。

2011年11月27日日曜日

Impact of e-learning

#1 Possibility of e-learning
東京外語大学の言語モジュールというページを見て思った。

いわゆるe-learningは大学の時にもあった。それで英語の単位を8単位もくれたから結構美味しかったんだけど、はっきり言ってちゃちかった。

専門に入ってからは4年の終わりのCBTで出てきたけれど、その時も(金は取るくせに!)糸球体を子宮体と誤変換していたりありえないくらい小さい図で解答せよなんてあったりしてまだまだだった(一応うかったけど)。

それからも時代は進歩するわけで、今ではmoodleという新しいe-learningのフォーマットもあるらしく、これから花開きそうな予感。

そして話を戻すと自分は一応第二外国語はフランス語だったので、言語モジュールのフランス語を選択していくつかやってみた。

外国語習得理論はよくわからないので、自分の経験で話をすると、外国語を勉強するとき重要なのは単語と意味と発音をつなげること。当たり前のようだけれども、従来の教材だとこれが非常にしずらい。その点e-learningはこの3つの要素を簡単につなげることができる。他にもdictationやlistening, (指導者がいれば)writingも簡単にできそう。

この教材にハマる人がいれば相当実力がつくはず、と感じた。

#2 As for medical education...
医学教育に関してじゃあどう応用できるのかといえば、ベタに言うならまずはterminologyに有用だと思う。

どうしても覚えなくちゃいけない単語(橈骨とか尺骨とか、解剖学用語は知らないと骨折すら説明できない)はゲーム感覚で覚えることができる。

後は課題の作りようだけれど、症例ベースの問題もいろいろできるかもしれない。他の人とdiscussionを(チャットで?)しながら問題に対する答えを考えていくという形式。「●●についてみんなで話しあいましょう」では医学生には難しすぎて具体的な「●●の診断はなにか?根拠と共に述べよ」とか「●●の問題点はなにか?」とかある程度誘導形式が必要。

あれ?すごいmethodが開発されたなぁと思ったけど、ちょっと考えてみると結局内容が重要だという結論になってしまったなぁ。これなら別に紙でもできる。

医学教育を専門にしている人っていうのは(私見だけど)どこか頭が固くて形式に拘っているような気がする。「どうせ採血やCT検査をするんだから身体所見はそんなに重視しなくていいよ」という人は絶対いない気がする。実地臨床上でも「肺炎患者全員にcrackleが聞こえるわけではない」のに学生時代は肺炎の所見として当然あるかのごとく習った。

医学教育というのは「学習者に期待」する要素がすごく多い。予備校とかはその反面「学習者を与えられればやる気はほどほどにあるけど、知識や自ら調べようとする意欲はゼロ」という指導法を取っている印象。

以前は予備校的な指導のほうがいい!と思っていたけど、まあどっちに傾いても多分できない人はいるだろうし、最近はあまり深くは考えていない。もし自分が教育に関与することがあればキーワードは3つで「学習者の前提知識はゼロとみなす」「やる気なしも良しとしある人には最大限の待遇をする」「きっかけを与えるように努力する」というようにしている。

#3 What to say > how to say
英語の勉強ばかりしているとhow to sayよりwhat to sayのほうが大切だよ、と言われた。自分はそんなレベルの低いことをしているんじゃないよと言おうと思ったけれど、まあ確かにその一面もある。

英語がかなりbrokenでも研究留学して業績を作って帰ってくる人もいるし、そんな人達の英語を聞いていると「よくそれで通じたなぁ…」と思うこともある。

この言葉の言いたいことは手段はあくまで手段であって目的が達成されるためならば、手段に固執する理由はないということだろう。ただいろいろな考え方があった方が多様性が確保されるわけで傘を作る職人さんを否定する理由にはならない。

そう考えると、e-learning自体を研究することを除いて、果たして目的を達成するのに紙と鉛筆、カセットテープに比べて良いといえるのだろうか。自分は本、鉛筆、紙、CD(、ラジオは挫折)で英語を勉強してきてそれでも十分学習できたので、e-learningや英会話教室自体にはあまりお金を費やそうとは思わない。特にe-learningはいつでも勉強できる=いつまでも勉強しないということになるので、例えば大学なら締め切り直前にざっとみんなでアクセスするということになる。そんな勉強で外国語に限らず身につくかといわれれば多分身につかない。これは紙と一緒。

(学習者ではなく指導者の視点として)新しい手段を提供するならば、その点を含めて(決してオプションみたいではなく本体として)設計する必要があると考えた。

Deja vu

#1 Deja vu.
テレビを見ていたら「あっ、ここ行ったことがある!」というところがある。

別にそんなのあるはずだしだから何っていうかもしれない。

だけど自分が知っているもの・ひとがテレビに出ていたり新聞に載っていたりするとつい親近感が湧いてしまう。

もっとも最近は自分が(変な理由で??)インターネットに載ってしまったりするわけだけど。

Deja vuはフランス語で(アクサン記号が書けないけど)英語で言うとalready seenという言葉になるはず(多分使う人はいないだろうけど)。

「見たことがないのに見たような気がする」というもので正確に言えば今言ったようなことをdeja vuとはいわない。

多分医学もまじめに勉強すれば「診たことがないのに診たような気がする」deja vuを味わうことができるのだろう。

#2 Something is linked to something else.
今行っている当直先の病院は基本的には知っている人はいなくて、それでもほとんど何も出来ない自分に対してもとても親切にしてくれている(しかもかなり給料がよくて申し訳ない心境)。

誰も知り合いなんていなくても月2回くらいの当直で半年ちょっとしていれば技師さんだったり看護師さんだったりなんちゃって知り合いが増えてくる。

そんな中びっくりしたのが、もしかしたら大学の同級生がこの病院に就職するかもしれないことと、今働いている先生が(歳は離れているけれど)同じ高校だったということ。

高校生の時に先生から「うちの高校は歴史があって県内はもとより全国に卒業生が散らばっており同窓生だと分かれば絶対に悪くは扱ってくれない。君たちは恵まれている」なんて言っていたのを思い出した。

その時は「所詮地方の高校でしょw」と思っていたが、こんな所に卒業生がいるなんてすげぇなぁと。具体的な恩恵はまだ受けていないし受けれるかどうかはわからないけれど、確かに心強い。

さらにはもしかしたらまえいた病院の知り合いの人がこっちの近くの病院に来るかもしれない、というのもあって(実際に何人かは元同僚のスタッフが近くで働いている)、人生何が起こる変わらないなと思う。

悪く言えば過去からは逃れられないということになろうか。

#3 Work life balance
最近というか今年に入ってからあまり勉強する気力がない(病理って知識の切り売りみたいで勉強が仕事みたいなところがあるので)。

自分の中で一番勉強したといえる中学~大学1年くらいはどういうことしていたんだろうかと思いだして色々試行錯誤をしているところ。

お気に入りの0学占いによれば今年はとりあえず小休止の年で健康面に留意し来年にはばたけとのこと。確かにちょっと無理をしたかもしれない。

ただ当直や外勤は(たまに死ぬような思いするけど)楽しいし(大げさに言えば)生きているmotivationになっている気がする。

病理をあまり楽しいと思わないのはこれを本業としているからだろう、多分。ここの症例は結構変なのが多いのと若干の不満からなる。

とはいえ、外から見たら今の仕事の状況はバランスがとれていると思う。不満を言えばきりがないのだろう。

2011年11月26日土曜日

PowerPoint comedy?

# How to make PowerPoint
PowerPointというのはプレゼンテーションにおけるデファクトスタンダードみたいなもので、これ抜きには語れない。

もっとも今は同じようなことを他のソフト(LibreOffice(旧OpenOffice)やKeynote, PDFなど)でも出来るし、PowerPointじゃないといけないことはないけれど、一日の長みたいなもので結局みんなこれを使っている。

昔はPowerPointのeffectを最大限に使ってこれでもか!というくらいにビュービュー飛ばしていたけれど、最近はeffectはなるべく少なく(画面の切替のフェードのトランジションくらい)、画面もシンプルに、と心がけている。

それは以前youtubeか何かでビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションを見たときにふたりともスライドを凄くシンプルに作っていたから。スティーブ・ジョブズは特殊としてもPowerPointの販売元があんなシンプルなスライドを作るんだとびっくりしたのを覚えている。
あと両者に共通していたのはテンプレート(タイトルが上にあって下に箇条書きがあるやつ)を全く使っていないこと。

テンプレートを使うと確かに穴を埋めていくように簡単に作れるけれど、それじゃあ型にはまってしまって画面の使い方が数通りだけになってしまう。

そうじゃなくて自由に画面を使うためにはテンプレートを使ってはいけないんだと確信しそれ以降は全て白いキャンバスにオブジェクトを一個ずつ挿入するようにしている。1枚できたらレイアウトの統一性のためにコピペして次のスライドで入れ替え修正をするので意外と時間は変わらない。

なので作る度にレイアウトがガラっと変わってしまうけれど、「今度はどんな絵を描こうかな」とちょっと楽しみになる。

2011年11月24日木曜日

Twitter, facebook, etc

#Alumni
Facebookは結構みんな登録しているみたいで、mixiにあれだけ本名載せるななんて言われていたのにみんな職場から本名まで普通に出している。

自分の場合は病理部のホームページで本名と専門分野が写真付きで一般公開されているので、facebookに本名を登録することに抵抗はないのだが(ただし発言やtweetは仲間内だけの非公開、外に出ると物議をかもすかもしれないので)。

なので昔あった人たちの名前を検索すると結構な確率でヒットする。個人的には医療従事者は多い気がするがどうかな。

#Mixed.
人生はさかのぼってやり直すことが出来ないように、人との出会い、別れ、そして新しい人との出会いというのは順番を逆にしたり先延ばしにしたりなんてできない。

でもfacebookのつながりはいろんな時代に出会った人との交流ができるというなんか不思議な感じ。

もっとも交流というほどではなくて、「へぇ、今こんな事してるんだぁ」と眺めるくらい、そして今自分がやっているような(どうでもよい)ことを報告するくらい。個人的にはその程度のゆるさくらいがいい。

2011年11月21日月曜日

がっかい

#1-1 Public presentation for the first time.
この前人生で初めて発表をしてきた。

と言っても症例報告、英語で。

「いやぁ、英語での症例報告は大変でしたよぉ」と回りには言ったものの、正直言うと日本語より英語のほうがまし。

#1-2 日本語は難しい
英語は外国語として学んでいるから、(多少のバリエーションはあるけれど)日本人学習者の中には基本的には統一した文法体系があって、それから外れているとすぐにわかるし誰しもが根拠を持って訂正できる。

でも母国語として話していると、ある点を注意されても「あれぇ、、自分はこういうふうに言うと思っていたんだけどなぁ」という点が少なからずある。数多くのバリエーションがあるだけにあまりパターンを考えずに文章を作っていくと他の人が見たときに結構引っかかる所があるみたい。

外国語で言おうとするとラインが引いてあってもなくても真っ直ぐ走ることしか知らないけれど、母国語だと広いグラウンドでど真ん中を走りなさいと言われる感じで、これは相当意識しないと意外と難しい。

#1-3 そして誰も理解出来ない
その会は意思疎通の言葉として「英語」を採用したもの。もちろん外国人も何人かゲストとしていたけれど。日本人が日本人に対して英語で質問をするのは若干変な感じがする。それもたどたどしい言葉で。

日本語だったらすごく厳しい質問が飛んできそうだけれど、英語だと質問レベルが数ランク下がる(質問者の能力によるものか回答者の能力を察したものかはさておき)。

一応自分の言葉が通じなかったらいけないので、話を聞かずにスライドだけを追っても理解できるように作った。

#1-4 次回への課題
原稿を読みながら話せば良いと思ったけれど、いざ話をすると緊張しすぎて今自分が原稿のどこを読んでいるか分からなくなってしまった。しかも会場が暗い。ある程度は想定していたけれど、ここまでパニックになるのかと少し反省。スライド自体の完成度はかなり良かっただけに話し方に改善の余地があると考えた。

#2 その後
懇親会みたいな会で何人かの先生と話をした。

もっともこんな会は初めてだったので上司に案内されながら「どーも」と言いながら回っていく感じ。
外国人に対してジョークを飛ばしてみたり(これも向こうがwelcomeな空気を作ってくれるからできるんだけれど)してみたけれど、女医さんの人と少し話をした(どうやら向こうも話したかったみたいだけどとすぐ別の先生が来てそっちに行ってしまったけれど)。

北の大学のとある准教授で(というだけで特定されちゃうけれど)、もとは内科でその後研究留学してそこでECFMGを取得しアメリカで病理の研修をして日本に戻ってきたというかなり珍しくて突っ込みどころ?がたくさんある人。

しかも綺麗。おかしい。去年北の味噌ラーメン大学の時の写真を見たら「ああ、この人女捨てたんだなぁ」と思っていたが、最近またホームページを見ようと思ったら北の物産展大学に移動したらしくそこの写真はかなり綺麗(もちろん加齢性の変化もあるが「綺麗に老いている」といったところ)。
さっきの英語の発表の会でその女医の先生の英語はすごく綺麗だった。アクセントが「辞書的に」少し違うところがあって「惜しいなぁ」と思っていたが、この事実を知ったら「あれが本場かぁ」と思ってしまう。まぁ感じ方なんて適当なんだろう。

2011年11月13日日曜日

雑多感

#1 内科マニュアル続々と
直接的にはもう関係ないのだけれども、なんか気になってしまう。

内科向けのレジデントマニュアルは購読層が(他の一般書と比べて少ないながらも)医者の中では結構あるからか各社から出版されている。

「初期研修医」「内科」「初期対応」なんてキーワードだと大体項目自体は一緒になるわけでどの本でもはっきり言って大差ない。

なのでこういう本を複数買って同じことが書かれている項目はまぁ客観的な視点が入っているので妥当なのだろうという結論を勝手につける。

レジデントマニュアル自体は他の本でも言えることなのだけれども「ある程度わかってから読む」本で、何もわからない人が読んで治療できるような本ではない。

#2 Windows再インストール
シャットダウンするときに、数分かかるようになって、調べたら変なファイルが溜まっているかもということ。そういえばもうかれこれ2年間くらい再インストールしてないししようと思ってすぐやめたソフトなどいろいろ入っているよなぁと思い、休みを使って再インストール。

今メインで使っているパソコンはLet's note W7, Windows XP SP3, Core 2 Duo, Memory 2GBで個人的にはこれで全く不満がない。XPのサポートが終了したらどうしようか、その時はUbuntuにするかWindows 7(時期的には8?)にするか。。。

再インストール自体は周辺のソフトを含めて「ながら」で3時間くらいかかった。要らないソフトは思い切って捨てて必ず使うソフトだけにしてみた。ただ、フリーソフトは稀に公開停止になるから(例えば:Delphiのフリーバージョン)、そういうののバックアップは忘れずに。

ちなみにbrowserをfirefox→Sleipnirにしてみたけれど(病院のインターネットアクセスのためにIEで一度ログインする必要が有るため)

#3 症例子ちゃん in filemaker version
今まではJavaでプログラミングしてきた症例子ちゃんをfilemakerで作ってみた。

まぁ一言で言えば「敗北」になるんだけれど、やっぱりfilemakerは使いやすい。

eGFRやBMIの計算はすぐにできるし、画像を埋め込むのも簡単。レイアウトも結構簡単。ただ、それはレコードとかフィールドとかのデータベースの基本的な概念があるからこそなんだけど。そういう意味では症例子ちゃんを作って悪戦苦闘したのは決して無駄ではなかったと思う。

2011年11月5日土曜日

Medical practice 5.

Case お腹がいたい
40歳代の男性。朝からお腹が痛いとのことで受診。数日前にも同様の症状で受診しその際は点滴を受け痛みは少し良くなり膵炎ではないとされ帰宅していた。バイタルは血圧140/90mmHg, 脈拍120/minで発熱はなし。腹部はやや膨満、臍上部に圧痛あるが柔らかい。腸雑音聴取可能も低下。本人いわくお腹から背中にかけての痛みだとのこと。毎日飲酒しており既往に急性膵炎で入院歴あり。

♯鑑別診断
この人は毎日飲酒があるようで昨日もやっぱり飲んでいる。そして以前にも膵炎をやったとのこと。前回の痛みと似ていると。それだけ来れば膵炎で間違いないと思う。まあ鑑別診断は本当は例えば大動脈解離や心筋梗塞、胆石発作、胆嚢炎、尿管結石など色々思いつく。もちろんエピソードや身体所見はそれぞれ特徴的なものがあって、間違えることは少ないけれど、話を聞いてすっぱり除外できるかというとそういうものでもない。

#先入観はやっぱり大切
先入観を持つのはあまり良くないとされているが、本人が「前と一緒」と言っている以上は基本的に膵炎を疑って診断をつけるのが普通。膵炎を考えつつ他の鑑別診断も頭の中に入れておいて、ある程度網羅的な検査をする。経過や検査結果が典型的でなければ他の病気を考える、というのが普通の姿勢。

♯診断基準

膵炎は重症になるとかなり大変でそれでも結局することはほとんど変わらないのだけれども(石があればドレナージしたり透析をしたり)、重症急性膵炎の死亡率は9%なので結構侮れずもし重症であれば病状説明はかなり丁寧にする必要がある。というわけで重症膵炎の診断基準はかなりガッチリしているけれど、膵炎自体の基準は驚くほど適当。
1. 上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある。
2. 血中, または尿中に膵酵素の上昇がある。
3. 超音波, CTまたはMRIで膵に急性膵炎に伴う異常所見がある。
上記3項目中2項目以上を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎と診断する。ただし、慢性膵炎の急性発症は急性膵炎に含める。
という痛みがあってアミラーゼが上がっているか画像で膵臓が腫れていれば膵炎、というもの

♯そういえば肺炎の診断基準も…
肺炎も同様で重症度やリスクの分類はあるけれど肺炎かどうかというのは意外と無い気がする。よく見るのは細菌性肺炎か非定型肺炎かの鑑別で
1. 年齢60歳未満
2. 基礎疾患がない、あるいは軽微
3. 頑固な咳がある
4. 胸部聴診所見が乏しい
5. 痰がない, あるいは迅速診断法で原因菌が証明されない
6. 末梢血白血球数が10000/μL未満である
4項目以上合致:非定型肺炎疑い, 3項目以下:細菌性肺炎疑い
というもの。これはあくまで肺炎という前提での話で肺炎でないならあまりこの基準の意味はない。例えば喫煙者やACE阻害剤の副作用でも非定型肺炎になってしまいうるし、扁桃炎が細菌性肺炎になってしまう。

♯思ったほどではないが…
結局CTで膵が腫大し炎症が周囲に波及していた、。アミラーゼは200位で正常値を若干上回るくらいだった。思ったほど検査値は派手ではないが(すごい人はすごいので)、まあ後から重症化することもありうる。後は輸液をじゃんじゃん流す、抗生剤や蛋白分解酵素阻害剤は個人的にはおまけ程度。ただ本人に「軽い病気というわけじゃないんだからじっとしていてね、お酒を飲むのはもってのほか」というにはよいかも。

♯結局繰り返す
CTで膵の石灰化もないし実質も保たれていたので前回が初めてというのは嘘ではなさそう。

ただそれでも懲りずに毎日飲酒を続けるのはあまり賢くないけれど考えようによってはそれくらい信念をもって飲酒しなければ膵炎にならないとも言えるかも。

ちなみに心電図をとる時に脈拍が40/min位まで下がっていた。本当に痛いのだろう。

♯ソセゴン(ペンタゾシン)中毒
今回の例とは関係ないが、どこにでもいる。自称慢性膵炎でどこで書かれたかも分からないようなボロボロの紹介状をもって初診でしかも夜間や休日に来る人が。本当にどこで入れたかCVまで入れていた人もいた。どこで管理しているのやら…。

膵炎で疼痛コントロールのために仕方なく使って依存になったというケースや本当の慢性膵炎は痛いらしいのでまあ仕方ないけれど、お互いに依存はさせたくないのが本音。

自分のいたところだけかと思っていたけれども本を読んだりネットで見ると意外とどこでもいるみたい。

2011年11月3日木曜日

ECG is very difficult.

この前外来をやっているときに健診で「心電図異常」を指摘されたといってやってきた。

(こういうのは循環器内科に行って欲しいんだけどなぁ…)

で、話を聞いて結果用紙を見せてもらうと、不完全右脚ブロック。年齢もたしか若かったと思う。

毎年言われていてでも自分では症状がないから無視していたんだけれど、しつこいから受診したとのこと。

というわけで一応比較のために心電図をもう一度取る(他にも不整脈があったらねということで)。まあ若いしまず要らないんだけど「精査を」と言われてきているから「心エコーもやってみますか?」というと「はい」というので一緒にオーダー。

結果は普通。ただ、「右脚ブロックって何なんですか?なんか怖そうな名前なんですけど。。。」と言われて、それはね、と説明しようと思った時、ふと「なんだっけ?」と思ってしまった。

基本的に脚ブロックはあまり見ていない(本当は見ないといけないんだけれども)。ずっと前からある脚ブロックが結果として現れる異常は多分どこかで指摘されているはずだし、新しく出てきた脚ブロックは心筋梗塞などを疑わせる。

もっと言うと、心電図の(自分が考える)正しい読み方は常に前にとったものと比較することでその限りにおいては脚ブロックにあまり目がいかないのだ(レントゲンでも何でもそうなんだけど、以前行った検査があれば必ず比較しなくてはいけないし、比較することで所見が仮に読めなかったとしてもその人にとって正常か異常かのおおまかな判断はつくはず)。

「あぁ、そうだった」と思いだして洞房結節から房室結節、ヒス束、心筋への伝導を説明してここの導線が切れて、回り道をするから伝導刺激が思っていたより遅く到着すること、それを心電図が拾っていること、エコーでは弁や心筋に異常が見られないため問題ないこと、これからも多分異常を言われると思うが「不完全右脚ブロック」に関して検査をしたと言えば良いことを伝えた。

多分途中から「はぁ」みたいな感じになっていたが、なんで右脚ブロックになるのかと言われたら自分もよくわからない。。。

2011年10月30日日曜日

雑多感

なんか最近は職場の愚痴ばかり書いているような気がするので、たまには前向きなことを。

#1 Cardiology again.
もう臨床はしないだろうと言っていたけれど、実は月曜日の内科外来をする時に結構必死に勉強している。

基本的には糖尿病、高血圧、高脂血症などの慢性疾患のコントロールが中心だけれど、医局においてあるmedical tribuneや漢方の本なんかをパラパラめくりながら知識をupdateする(本当にされているかは不明…)。

よく降圧薬や糖尿病薬の宣伝広告を見るけれど、これまで上司の言われたと通りに処方していた時はあまり気にしなかったが、いざ自分が処方する段になったら結構気にする。だってARBを今思いつくものだけあげると、ディオバン、オルメテック、ブロプレス、ニューロタンなど。さらに最近はアムロジピンとの合剤も出てきているので、検討し出したらきりがない。

というわけで、基本的にはこれまで使ってきたもの、安いもの(なるべく先発品か以前からあるジェネリック)、ちゃんと効くものを出すようにはしている。たまに聞いたことないようなジェネリックがあって若干不安だけれども、一応効果を確認はしている。

#2 ECG
前のentryでも書いたけれど、心電図は結構難しい。まあ難しいという発想は「心電図で全てを読もう」とするからであって、例えば胸部レントゲン、心エコー、血液検査などを併用すれば、左室肥大や弁膜症、心不全、心筋梗塞、高カリウム血症なんかは結構簡単にわかることが多くて、これまではあまり重視していなかった。

ただ、当直なんかで「採血できません!」「胸写取れません!」ということがしばしばあり「どーするよ。。。。」という時にとりあえず心電図と身体診察で出来るところまで推測するなんてことがあって(結局どうもなかったんだけど)、普段の読み方が結構適当だったからちゃんと勉強しようと本を数冊買ってみたところ(読むかどうかは…?)。

#3 Free minded
今はどうか知らないけれど、ちょっと前にPresentation Zenという本が流行った。著者は日本に来て幕の内弁当の合理性?に惹かれたり禅の質素さに感銘を受けてpresentationもそうあるべきだという発想に至った本。

かのSteve Jobs氏も禅の思想に感銘を受けそれがappleの製品作りに生かされていたというのも今では有名な話。

そろそろ学会があってよく分かんないけれど、口演をすることになって、それで今PowerPointを作成中。

あっと驚くようなのを作りたかったらkeynoteがいいんだろうけれど、PowerPointの指定があるため仕方ない。

昔は華やかな、エフェクトを多用したスライドショーを作っていたけれど、数年前にSteve JobsやBill Gatesのプレゼンテーションを動画で見てからはこれは違うな、と感じた。

もっというと彼らはテンプレートを使わず画面を好きなように使ったプレゼンテーションをしている。

#4 Draw a picture on a canvas
上にタイトルがあって下に箇条書きがあれば何も深く考えずに書けるかもしれないが、それでは窮屈だ。

というわけで真っ白な土台に字や図形、写真をひとつずつ配置して絵を作っていくようにしたらなんかいい感じ。

まぁ誰も良いとは言ってくれないけれど。

#5 ウニホーレン
そんなもの聞いたことがない。一体どこの広島で流行っているのか…?

Comments to recent news

最近のニュースに対してコメントを。

http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20111021ddm004070132000c.html

てんかん患者の運転事故はたまに耳にする。

個人的な感想としてはやっぱり運転しないほうが良い。てんかんという病気自体がまだ病態的に不明な点があること、またそれに伴い治療が対症療法的になること、それを絶対的にコントロールする方法がないことが挙げられる。

(専門でも何でもない)自分の理解ではてんかんは神経細胞が一斉に興奮してしまい起こるもので起こる場所によって意識障害を伴ったり伴わなかったりする。なのでそういう発作を起こさないような、言い換えれば「興奮を下げるような」薬が抗てんかん薬として使用される。

てんかんのコントロール自体が難しく、薬物の血中濃度を持ってコントロールの指標とするが、それが本人にとって適切な濃度かどうかを判定する絶対的な基準はない(そして本当に必要か?という人も飲んでいたりする)。

結局過去数年間のコントロールを見て運転が可能かどうかを判定するわけだけれども、これまで起こらなかったからといってこれから起こらない保証などどこにもない(だから血中濃度は定期的に測定する)。

もちろん交通事故を起こすのはてんかん患者だけではなく、普通の人だって起こしうる。でも居眠り運転しないようにしましょう(ちゃんと睡眠は取る、眠くなったら車を停める)というのは予防可能でこれを無視したなら確実に違反と言えるけれど、内服コントロール中のてんかん患者の運転事故はある種の不可抗力で、基本的には本人に落ち度がない。

頻度としては稀だよとか、居眠り運転のほうがよっぽど多いよと言われてもいつ起こるか分からない「こわい」事故は誰しも避けたいと思うはず。

今回は黙って免許を取っていたのだからまあ言うまでもない。人権との兼ね合いも難しいけれど、基本的には内服中に限り運転免許取得不可とし、例えばバスや電車の回数券を定期的に支給するなどの対応がいいのではと思う。

2011年10月15日土曜日

Medical practice 4.

だんだん回想集になってきた。第四弾はまた外科っぽい系に戻る。

#火傷した
・若い女性。料理中にお湯をこぼして受診。数時間たっており膨らんできている。

・熱傷の重症度は分からない
と一般的に言われている。特に植皮の必要性の有無となるII度深達性とIII度はかなり判定が困難なのである程度時間がたってから行うとされている。http://www.wound-treatment.jp/などを読みながら構える。

・一番怖いのは気道熱傷
料理中になることはないはずだけれど、火事や(前の病院でいたんだけれど)火を付けられたりしたときには早期に気管挿管を考慮する。というか基本的に気管挿管し鎮静をかけることになる。

まあそんな人は今は来ないのでのんびり出来るんだけれど。

・基本的には綺麗なはず
砂利道ですりむいたのならばまだしも基本的には?無菌のはずだからよほど汚くなければ軽く水洗いする。痛みが強ければキシロカインゼリーを塗ってしばらく待ってから処置。

以前は水泡は自然の被覆材の役目をしていてはがさないほうが良いとされていたが今は細菌感染の可能性があるので可及的に取ったほうが良いという意見もある。自分が習ったのは可及的に取る方法でまあ今のところ問題はないのでその方向で行く。

後はデュオアクティブを貼ったりゲンタシン軟膏→ガーゼをしたり。要するにいわゆる「湿潤療法」のあれ。

・若い女性に言うこと
結構あとが残りやすい。あとが残りやすいというのは熱傷後に出来る皮膚は弱くて紫外線を吸収して色素沈着しやすいらしい。なので露出する部分は(露出しない部分をやけどすることは殆ど無いとは思うが)日焼け止めクリームを塗ったり服で隠す必要がある。特にこの期間だけ、というのはないけれど、本人が気が済むまで、らしい。

#2 褥創処置
・80歳くらいの男性。脳梗塞後遺症で寝たきり、発語もできない、胃瘻造設後。高熱と炎症高値で入院。肺炎は確かにレントゲン上ありそうだけど、バイタルサインや検査値からはなんか変…?

・褥瘡感染を疑う
まあこの経過で褥創がありそうというのは大体想像がつくところ。ただ褥創処置はおそらく多くの病院で看護師がやるものという認識があるらしく医者がやるのはデブリくらいだったりするとこも。

結論から言うとこの症例では仙骨部に大きな(φ15cmくらい)褥創ができてい仙骨が露出していた(喋れなかったけどあ~とかう~とか言っていて相当痛いんだろうなとは分かる)。ただ、褥瘡感染が原因かどうかはよく分からない。「なんで褥創が出来るの?」と考えると背景に低栄養や体動困難、ケア不足など色々あってこれらの原因が起こすのは褥創だけじゃなくて何でも起こしうるから。

・洗浄とデブリメント
その時の上級医に教えてもらったのは「洗浄、デブリメント、(余分な浸出液を吸収するための)イソジンシュガーパスタ」の3つ。本来は看護師がやる処置だったんだけど、研修医だったから「毎日自分で処置をしなさい」と言われた。めんどくさいなぁと思っていたが、やるとそのうちだんだん綺麗になってきて楽しみになってきた。

まず壊死組織はどうやっても戻らないし感染の温床のなるので可及的に切除する。ポイントは血がにじむくらいがちょうどいいと言っていたが、あまりやり過ぎると動脈を傷つけて血が吹き出す。基本的に壊死組織は切っても痛くないはずだから麻酔はしない。

次になるべく綺麗に洗う。出来れば歯ブラシくらいで洗うとよい(大きさとか場所によるだろうけれど)。水道水で良いけれど、ぬるま湯くらいがよいとのこと。

そして最後はイソジンシュガーパスタをガーゼにこれでもか!っていうくらいに塗って被せる。結構大きかったから、でっかいチューブが瞬く間に消費された。

・意外と褥創処置は奥が深い
自分は勉強しようとして若干頓挫したけれど、DESIGN-R分類や褥創の種類によって薬剤が色いろあるらしい。いずれ必要になったときにまた勉強すればいいかというくらい。

ちなみにこの症例ではデブリ洗浄シュガーパスタを繰り返していくうちにあかあかしい肉芽が出始めてきた。その時点で研修期間が終了し次の人に引き継いだが、その後は(あまりにも大きすぎるので)植皮をするだろうということ。

2011年10月10日月曜日

Medical Practice 3.

というわけで読者はいないけれど第三弾。


#痙攣を起こした
・70歳くらいの入院患者。脳梗塞後、糖尿病、高血圧で入院中。もともとJCS III桁程度の意識がほとんど無い。突然右上下肢の痙攣が起こったということでCallあった。


・痙攣の原因
この症例では痙攣の原因は複数考えられる。脳梗塞後の症候性てんかん、低血糖発作、他にも脳出血だったり(脳梗塞後の人は抗血小板剤や抗凝固剤を内服していることが多いので)電解質異常、抗てんかん薬の服薬compliance不良だったり数えてみればきりがない。

この症例ではすぐに血糖を測定し低血糖は否定された。夜間だったため検査が出来なかったがここ最近の検査値を見ても電解質異常は否定的、再梗塞や出血は否定できてはいない。バイタルサインは発熱はなく、SpO2が95%(room air)→80%程度(room air)に下がっていた。喉がゴロゴロしているように見えた。抗てんかん薬の服薬なし。

・痙攣への対処
続いている痙攣は止める必要あり。大体の順番としてはホリゾン(セルシン) 1A→駄目ならホリゾン更に追加→駄目ならアレビアチン、フェノバール→更に駄目ならドルミカム→さらにさらに駄目なら挿管してマスキュレートということになる(用量や順番は多少変化する)。

この例ではホリゾン 1Aでもだめでもう1A ivして何とか収まった。今回は2回目で前回も同じようにして止まった。


・SpO2低下は続いた
痙攣止まったから良かった良かった、これならちゃんと呼吸できるでしょwと思っていたらSpO2は上がらない。あれ?と思っていて胸の音を聞いたけれど、ちょっと呼吸音が小さいけれど、左右差はないし、中枢性の気道狭窄音は聞こえなかった。

呼吸抑制かな?と思って10Lアンビューで押してみたけれど変わらない。なんでだろう?胃には入ってなさそうだし、胸郭も動いてみて普通に呼吸しているように見えた。

さっき痰がゴロゴロしていたので試しに吸引をすると結構粘り気のある痰が引けた。なかなか痰が引きづらかったのでネブライザーをかけつつ痰を引いて何とか引いたらSpO2は劇的に改善した。

劇的にというのはもともと痙攣前はO2 3L nasalで行っていたのが1Lで良くなったこと。まあもともと自分が見ているわけではないし、これからはまた主治医にお願いするわけであれだけど。


・低酸素血症か?
一応脳梗塞後だから症候性てんかんということになるが、個人的には脳梗塞→嚥下障害(喀痰の排出障害)→痰詰まりの窒息→低酸素血症→けいれんという経路が考えられるでは?と思ってみた。

そうなのかどうかはこれから痰を頻繁に吸引してみないと何ともいえないけれども。


#2 熱が高い
・80歳くらいの女性。高熱(39.5度)が出たということ指示をもらうためCall.

・熱の原因は?
本当はfocusを一生懸命探さなくちゃいけないんだけれども、まあ当直だし、、、とりあえず2週間前に同じように熱が出てその時は何もせずに翌日に熱が下がった。そしてその時に血液培養を提出していてS. aureusが出ていたこと。

2週間前が敗血症であったのなら1日で解熱するのはおかしい。菌血症の状態ではなかったのか?と想像するがいまいちはっきりしない。

診察上も特に問題なし。身体が熱い以外に優位な所見を認めない。


・治療はどうする?
食事がほとんどとれていないこと、また高熱で脱水をきたしやすいことから輸液を開始。またクーリングをしながら下熱をするために下熱剤を使用した。これまでの経過から現時点では感染症(特に細菌感染症)を疑う所見に乏しいと考えそのまま経過観察。

下熱剤はアセトアミノフェンの坐薬を指示したが病棟にはなかったのでジクロフェナク25mg PAとした。

http://kekimura.blog.so-net.ne.jp/2009-01-05

のブログによれば、下熱でNSAIDsを高齢者に使うと血圧が下がりすぎるし身体の反応を止めようとしていることになるから止めようという。確かに高齢者にNSAIDsを使ってあれれと血圧が下がった症例をしばしば経験するが、それは痛み止めとして使用していたとしても同じこと。

だったら高齢者にNSAIDsを禁忌とすると変形性関節症の人たちのロキソニンがなくなってしまう。

結局病院なのでちょっと定期的に血圧を測っておく、輸液を行う、ベッドから落ちないようになどでだいたいなんとかなると思う。

まあ原因疾患を同定するのが先なんだけど。

2011年10月1日土曜日

Driving in the daytime.

#1 Nostalgia or something.
当直先から帰ってきて、次の当直先に行く。

連休は休むことは少なくてなんかしていることが多い。と言っても大した仕事はしていないけれど。

季節は秋で暑い夏が終わりちょっと涼しくなる。車の冷房は切って窓を開けたら風邪がきもちい。

なんか大学の時に友達の車で田舎の道を運転している時のような感じ(関東は田舎だ)。

あの時にはもう戻りたくないけれど(笑)、それでも懐かしい。 ふと仕事を投げ出して旅をしたくなる。

ああいう旅をしたい、という気持ちはこういうのから来るのかなと思った。

#2 ロヂャース
またロヂャースに行ってきた。今度は別の店に。

大きいなぁという感想。

また行きたい。素晴らしいの一言。

#3 Update my textbook.
前の職場で上司から
心不全、肺炎、脳梗塞…の治療マニュアルを作って電子カルテに置いておいて
と言われた。その時から少しずつ作ってはいるけれど、なかなか完成しない。ガイドラインのエッセンスを全て盛り込もうと思うとかなり大変だし、第一そういう本は既にできている。

本当は置き土産としてみんなの役に立てるように本を作りたかったけれど、未完すぎて形にはならなかった。

今は外来をやったり当直をやったりしてその都度勉強したこと、確認したことを少しずつ加えながらまた気づいたことを書き加えながら作っている。

ただ、あまり厳密にし過ぎると教科書になる。そういうのを作りたくない。というか作れないしw

漢方医学のエッセンスを入れたり、外傷の処置を入れたりしてあまりほかの本では見ないような本を作っている。ポイントは自分にとって一番使いやすい教科書。

もっとやりたいこともあるけれど、実用・必要ではない計画は頓挫しやすい。今のテキストは実際に使っているから続くのだろう。

Medical practices 2.

というわけで最近の症例集。自分は基本的に外来・当直しかやっていないので入院系のがっつりしたのは今は基本的に診ない。前回が外科系だったので今回は内科系。

Case 1
・80歳くらいの女性。外傷性疾患で入院中。数日前から発熱あり解熱剤を使うと一時的に下がるが、使用をやめると再度上がる。熱が下がらないと(なぜか)当直医に指示を仰ぎに来た。

基本的に当直医に求められていることは応急処置だから「アンヒバ!」って答えそうになったけど、とりあえず診察。
ポイント
高齢者の発熱の原因:特に既往がない場合は大体相場が決まっていて「咽頭炎(風邪)、肺炎、尿路感染症」と来る。はやっていればインフルエンザが加わる。普通の腸炎は基本的には熱が出ないはずだが、多少は出てもよい(ただし、前景に立つのはあくまで消化器症状)。

本人の症状を聞く、身体診察をする:検査が縦横無尽にできる病院であれば「胸写採血検尿!」と叫ぶところだけれど、結局本人の話を聞いたり(含む既往歴、超重要!)診察をした方が近道だったりすることもある。口を開けて、胸の音を聞いて、顔を押えて圧痛を見たり、腰を叩いてみたり、足を触ってみたり(足を見れば歩いている人か歩いていない人か、心不全がありそうか、栄養状態は?など結構情報量が多い印象)

結局のところ除外診断:上記の相場に入っていれば話は簡単だけれども、そうでない場合は鑑別診断がアホみたいに増えてきて結構面倒。その場合は感染症、膠原病、腫瘍と挙げていき鑑別をするが、膠原病と腫瘍に関しては多くの場合緊急を要する事態ではないので後日ゆっくり精査をすることになる(検査が縦横無尽にできる病院であれば「全部CT!」となる)。なのであまりほめられたやり方ではないが、わからない場合はとりあえず抗生剤を流すことになる。

この症例では診察上特に問題はなかったが、口腔を見るのを忘れて後で診た。すると扁桃に白苔がついているではないか。もう一度頚部を触ってみると痛いと。反対側は痛くないので熱の原因は扁桃炎で良さそうということに。さっきは触った時に首痛いって言わなかったじゃん!!!というのはよくある話。


Case 2
70歳くらいの女性。1ヶ月間ほとんどご飯を食べていないとのことで受診。
ポイント
鑑別疾患は山ほどある:思いつくものを並べてみると消化器系(GERD, 炎症性腸疾患、慢性胃炎、胆石、胆嚢炎、胆管炎、肝炎など)、呼吸器系(感冒、肺炎など)、精神系(認知症、うつ病など)、尿路系(腎盂腎炎)、電解質異常、悪性腫瘍、膠原病…。というわけで結論から言うと、その場で確定診断をつけるのはほぼ不可能だということ。仮に上記に該当する疾患があったからといってそれを解決すれば食欲が改善するかどうかは不明。また季節性というのも否定はできない。

なので結局これも除外診断になる:とりあえず緊急を要するものを除外していくことになる。たとえば感染症、電解質異常くらい。これらは大体採血検尿でわかるから(後栄養状態もわかる)、とりあえず採血検尿しながら(どうせさすんだからと)点滴をする。

入院は良いけれどゴール設定をする:食思不振の入院は結局上記の除外ということになる。極端に栄養状態が悪ければCVCを入れて高カロリー輸液を開始することになる。ただ、栄養状態が良くなってご飯が食べれるようになる人もいるけれど、そうでない人もいる。原因が何であれ(脳血管障害でもそうでなくても)、自力でご飯が食べられない人は、そのうち日常生活も困難になって寝たきりになる。「それでも何とか!」という人は胃瘻を作って転院となる。
本人家族が期待しているラインと、実際到達するであろうラインがかい離しすぎていると後々トラブルが生じる。なので入院させるときは入院時に必ずたどりうる経過をいくつか説明しどうなったら退院(or転院)かゴールを決めておく必要がある。

・結局は点滴をして様子を見ることになる:脱水以外で点滴というのがどれだけ意義があるものかよくわからないけれど、結局のところ「じゃあ今日は検査も兼ねて点滴しておきましょうか」という結論にたどり着くことが多い。まあ意義はさておき点滴して元気になってくれれば安いもんだけどね。

2011年9月28日水曜日

Medical practices.

コメント
Schiller法についての検索が多いみたいなので一言。
爪母が露出した時の縫合の方法の一つで
0. 指の麻酔(お好みの方法で)。これ重要。結構痛いので。
1. とてもよく洗う(麻酔してからでないと十分に洗えない)。
2. 爪母(根元の白い部分、柔らかい)の脱臼を本来の位置に戻してから、18Gの針で横並びに2ヶ所穴を開けて(図でいうと青い○)それぞれから糸を通して爪母が刺さっている皮膚と一緒に糸をかける。(言葉で説明するのは難しいけど、まず一箇所目の穴を通して皮膚と一緒に糸をかける、その後糸の反対側に針をつけてもう一箇所の穴を通して皮膚と一緒にかける。すると1本の糸で二箇所縫ったことになる。その糸の両端を結ぶ(赤く塗りつぶしたところ)。ちょうど四角形のようになる)
3. 個人的にはゲンタシン軟膏→(±トレックスガーゼ)→ガーゼ
ちなみに文献的にちゃんと調べたわけではないのであしからず。末節骨の骨折がある場合は特に適応あり。別の先生に習ったやり方は糸を2本使ってそれぞれで結ぶ(2本の線が並行する感じ)やり方もあるみたい。「新しい創傷治癒」のやり方だと爪を可及的に除去しているみたいだけど、どれが一番正しいかはわからない。 

相変わらず検索が多いので(昔の自分みたいに)みんな困っているのだろう。だから文献的に調べようと思ったけれど、Schiller法について書いてある参考書が見当たらないorz多分自分の探し方が悪いのだろうけれども、例えばhttp://www.ncemi.org/cse/cse1003.htmやマイナーエマージェンシー(http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731220)に書いてある方法はかなり端の方で縫ってある。要は爪床部の固定が十分であればよくてあまり縫い方にはこだわらなくて良いのかもしれない。 

ちなみにマイナーエマージェンシーはかなりおすすめ(別に自分には一円も入らないけど)。内容はアメリカン過ぎて若干日本と乖離するところもあるけど、「ってかどうすんのこれ?」みたいな普通のマニュアルから外れる内容も書いてあることが多い(だから+α的な本)。
さらに検索が多いのでちょっと絵を追加

# Recent practices.
最近診た症例集。と言っても臨床のだけど。

個人情報を含まないように、また症例をわかり易くするように若干つくり話を交えながら勝手に書いていく。

Case 1 爪が剥がれた。
60歳くらいの男性。農作業中に機械の刃に指が当たって右示指の爪が剥がれて受診。
ポイント(他にもあるだろうけれど、とりあえず)
・まずは予習
http://www.wound-treatment.jp/こういうサイトを見る。

・爪母が見えているか
大した経験じゃないけれど、派手に指が切れたとき(でも腱までは折れていない)時は爪が剥がれて爪母が丸見えのことが多い。そうでなければステリストリップ(ロイコストリップ)でくっつける。後は時間が解決(次が生えてくるまで)。

・傷はどれだけ深いか
とりあえず腱が切れていようがいまいが縫っちゃうことが多いが、その後のフォロー(翌日に必ず整形外科or形成外科)は忘れずに。

・骨折の有無を確認
今回は受傷機転からなさそうだが(強打したわけではないので)、でも末節骨骨折がないとは言えない。というわけで

・出血しているかどうか
指はどうしても出血が多い。なので止血の処置が必要。多少のoozingくらいなら圧迫とソープサンでなんとかなるけれど、駄目なら無理せず送る。

とまあ確認。結局この症例では爪母がバッチリ見えており、腱鞘は切れていない、骨折もレントゲン上なさそうで出血はじわり程度。なので

「局麻(Oberst麻酔+流行りの?http://kekimura.blog.so-net.ne.jp/2008-12-29)→水道水でよく洗浄(農作業の機械は汚いから)→爪の位置を正常な感じに戻してから爪を18Gの針で穴を開けて縫う(コの字型に縫ったりするらしい→Schiller法で整形外科の本を見てね)→残りの皮膚もずれているところはなるべく縫う→ソープサンでグルグル巻いて翌日の外来へ」

ちなみにこの糸を取る時はすごい痛いらしい。あとさっきの創傷治癒のページだと骨折がなければ戻さなくてもいいのではと書いてある(骨折がある場合は爪甲が固定されていればシーネ代わりになるということ)。。。

Case 2 擦りむいた
60歳くらいの男性。 外出中に階段を登ろうとしてこけて手を擦りむいて受診。
ポイント
・傷の深さ
大体表皮剥離くらいだと思うけれども、たまに深いことがあるので要注意。

・感染徴候の有無
要するにGolden hourを過ぎているかどうか。教科書的には外傷後6~8時間以内であれば一次閉鎖(縫合)が出来るとされているらしいが、あまり考えたことがない。たまに2日くらい経ってから来る人もいるけれど、それで感染が認められなければ、あまり気にする必要はないのでは?と思う。一応何かあってはいけないのでGolden hourを過ぎた場合はよく洗浄して翌日に持ち越すようにしている。ちなみに感染徴候は腫脹・発赤・発熱・疼痛(・機能障害)。これらがないことを確認する。

・人、猫、犬
これらの咬傷の場合はかなりmiserableな転帰をたどる。なのでこれらでないことを念を押す。これらの場合は本に書いてある通りで抗生剤div/PO, 何もなくても切開。翌日必ず受診させる。直後なら小さい傷というくらいかもしれないが、翌日には腫れてくるはず。

この症例は受傷後比較的早く来た(2時間くらい)だったのと縫うほどではなかったので

「キシロカインゼリーをガーゼに落として患部に当てて十分→歯ブラシを使ってゴシゴシよ~く水道水で洗浄(この時に傷の深さを確認)→デュオアクティブ(なんでも良かったんだけど)を貼付」し明日の外来を受診。

理解のある人であればデュオアクティブを渡して自分で1日ごとに交換して貰う。

気をつけること
麻酔をしてあげる:キシロカインゼリーなら痛くないし簡単♪
(正常の皮膚だと塗りこんでも全然へっちゃらなので以前自分の口腔粘膜に刷り込んでみたけど、歯医者さんの麻酔みたいに感覚がなくなった!)

ゴシゴシ洗う:泥が沈着して刺青みたいにくすむので
若い女性の顔など:治った後に日焼けすると色素沈着しやすいので日焼け止めクリームを塗ってもらう(基本的には本人の気が済むまで、上記の創傷治癒の受けおり)

2011年9月25日日曜日

Noodles in the desk.

#1 Stockpiling.
またいつ起こるか分からない地震に備えてお茶やレトルト食品を買いだめしようとスーパーへ行く。

実際は買っていた飲み物や食べ物がそこをついたから補充しようというだけ。

店を選べばまあまあ安いことに最近気づいた。

#2 Repurchase.
今日「当直医マニュアル」と「外来医マニュアル」と「症状の基礎からわかる病態生理2nd ed」をお買い上げ。

いずれももともと持っていた本だけれども、新しいのが出たので更新。

ぱっと見る限りはそんなに変わっていないように見えるけれど、高血圧や糖尿病などのガイドラインは刻一刻と変わっている(はず)。GLP-1受容体作動薬やDPP4阻害薬の位置付けは一般医向けのマニュアルにはまだ登場していない感はあるが。

まぁ正直そんなに安い買い物ではないが、仕事への投資と考えれば安いもの(たぶん?)。

ついでに言うと検査値ベーシックレクチャーも購入。「検査医学なんて医者のやる仕事ではない」と考えている人も少なからずいるかも知れないが、でもやっぱり医療行為の要というか基本というか。データを読み取ってどうこうするのはあまり望ましい姿とは言えないかもしれないが、それでも、やっぱり重要。

内容的に目新しい物があるわけではないが、将来的に看護学校や検査技師の学校で講義を受け持つことになるかもしれないのでその時のために勉強。

#3 Go to Rogers.
福岡ではかなり存在感を出していたロヂャース。現在は「ルミにエールを!」というキャッチフレーズのもとルミエールというお店にのれんを変えたが、安さは相変わらず。

ところが関東にはロヂャースしか無い。歴史的な経緯を考えれば福岡はのれん分けでこっちが本家というべきか。というわけで本物のロヂャースに行ってみようと思う。



行ってみた。福岡のルミエール(旧ロヂャース)とは雰囲気がだいぶ違うけれど、あの安さ、あのウキウキする感じは同じものを感じた。

昔は「安い=生活に直結する」という概念だったが、今では≒くらい。ベクトルが同じ方向を向いているくらい。

ただ三つ子の魂なんとやらで足がどうしても安い方へ向いてしまう。

ただ親の教育か?ちゃんと製造者や製造年月日は見るようにしている(極端に安いものには中国産や韓国産が多い、別に悪いわけではないのだが、少し安全面に不安があるのと、味が日本のものと違うのであまり好きになれない)。

2011年9月20日火曜日

Weekend.

#1 Short trip
最近実家に帰った。故郷はまあまあいいところで、というか何も変わっていなかった。

もう離れて2年以上経つわけで、「よそよそしさ」というのがあっても良さそうなんだけど、そこにあった風景はつい昨日いたかのような錯覚に襲われた。

もうちょっとゆっくりしたかったけど、その後福岡に行ったりドタバタして戻った。

#2 Rare cases
最近見る症例は結構特殊なのが多い気がする。

癌でも化学・放射線療法後でいったいどこに癌が…?とかdouble(いやtripleか?) cancerだったり。

自分がわからないだけ、というのも結構多いけど、上司の先生達も結構頭を捻ることが多い。

「っていうかそんなの俺が分かるわけ無いじゃん!」

と言ってみたりするが、くじを引いた以上最後まで(形だけでも)診断を書かなくてはいけないということ。

嬉しいのか悲しいのか分からないけれど、毎日バラエティに富んだ症例がある。

#3 Short trip2
#1の旅行では最初に高速バスを使ってみた。夜行の高速バスは人生で初めてで寝れるかどうか不安だったけど、結局微妙。

色々下調べをしてグッズは揃えておいたからまあバッチリなんだけれど、それでも家で足を伸ばして寝る状況からすると程遠い感じ。

値段的にも場所によっては飛行機と大した違いが無かったりもするので(それならバイトを1回増やして…?)、まあ次はなかなか使わないかな。

ただ、超リッチな高速バスもあるらしく、それはやっぱり値段が高い。 快適らしいけれど、それならそれで普通に飛行機+宿でいい気がする。

#4 Focus on.
最近また英語の勉強を始めた。

なんか最近じゃないけれど、体調があまりよくないので昔の生活に戻してみようと。

年をとると前と同じような生活を送ることが出来るわけではないけれど、それでも気楽にできることをまた始めてみようかと。

2011年9月10日土曜日

雑多感

#1 Relationship.
最近夏休みをとった。休む前に上司に一言「休みます」と言わなくてはいけなかったらしい。なんかちょっと怒っている(た?)そうな。

そういえば標本にも赤字で「免染は休み前に出しておく!」なんて書いてあったし。自分には直接言ってこなかったが「なんか怒ってそう…?」というのは伝わってきた。

休むことは前々に言ってあって基本的に目のつく予定表には休みを書いてある。わざわざ言わなくちゃいけないものかと思っていたけれど、(基本的に自分はまだいてもいなくてもいい存在で、いないと全体が困る、ということはよっぽど特殊な事情を除いて、ない)やっぱり言わなくちゃいけないみたいだ。

そこで追い打ちをかけるように隣にいた先生が
「先生は最近評価が下がっているからねぇ~」
と宣う。それ言っちゃいけないって(笑)まあ何もできない人に過剰な期待を抱かれていたのが現実に戻っただけだとは思うけれど。にしてもびっくりした。素でこういうことを言っているのだとするとこれは対人関係にかなり問題が出そうだ(上司に休み前に一言言わなくていいの?というのは無しでね)。

#2 Autopsy, Biopsy, Cytology.
なんと来月から解剖当番に入る、らしい、一人で。まだ数回した執刀したことがないのに(それも結構補助がありながらで)。

この前の自分が休んでいた時に決まったとのこと。おいおい。前の話では「あと数回したらポイントだけ見に来るようにする」と言っていたのに…。

そして先日にはとある先生から「先生、生検とかは見ないの?もう半年も経つのに…」と言われる。「よく分かりません」と答える。

研修医の教育に関して上司は上司なりの考え、他の先生は他の先生なりの考えがあるようで、「これまではこうしてきた」とか「自分がこうだったときはこうしていた」なんて言われてもどうしようもない感じ。

だから最近は何も考えないようにしている。ネットで色々検索するとなんか色々頑張っている人もいるみたいだけど、例えば10年間病理をやって生検を一度も見ずに過ごすことはないと思う。

というわけでしかるべき時が来ればその時に診ればいいのかな、という結論。

ちなみに「生検は…」と言ってきた先生に「細胞診は?」ときいたら「それはもっと後でもいい」とのこと。

2011年8月29日月曜日

Study forever.

#1 Study more.

自分は第一線の臨床から離れた立場にいるけれど、たまに当直や外来をする。

そんな時には患者さんに迷惑がかからないように勉強はする。最近は口を開けていても勝手に向こうから色々教えてくれる素材があるので便利(といっても実際に自分で勉強しないと何も身につかないけれど)。

プラザキサとか(最近消化管出血で微妙になったけれど)、ジャヌビアとか自分が研修医だった頃には殆ど使われて来なかった薬がかなりシェアを占めている。使用経験がほとんどないから分からないけれど、少なくともこの2種については「コントロールが簡単」(PT-INRを追いかけなくて良い、低血糖の心配がほとんどない)なので実際自分でもいずれは出すとは思う。

こういう知識面のスキルアップというのは自学自習でもなんとかなるけれど、手技面のスキルアップは結構難しい。

前はかなり腰麻をしていたけれど、今はまずしないし、採血すらここ4ヶ月でしたのは1回だけ。この間は血ガスも4ヶ月ぶりに取った。

それでも採血なんかは手が覚えているみたいで(取りやすい血管だったというのもあるけれど)、全然問題なかった。

縫合はたまにやる。以前は誰かに見てもらいながらやってでなんとなくでやっていたのに今では基本的に自分の責任になるからその都度必死に予習して処置が終わった後に「本当にこれでよかったのだろうか??」と復習する。そんなことをしているから1つ1つの症例が非常に印象的でたぶん少しずつ上達してきている気がする(前に比べて結構縫合の時間が短くなったし)。

ただ、ブロック麻酔とかある程度専門的(合併症も含めた管理)な処置はできないので必然的に他に送るしもちろん教えてもらうこともない(基本的に当直なので、呼べば誰か来てくれるバックアップはしっかりしているんだけど)。

だんだん明後日の方向に進んでいっているけれど、結論はというとたまたま院長が通りがかってブロック麻酔のやり方を教えてくれた、というだけでちょっと嬉しかったということ(院長が来なかったらその患者さんは受けていないので問題はないのだけれども)。病理の人に麻酔の手技を教えようなんて、普通はしないから。

#2 Look back.
上手くいかないとき自分はどうしていただろうか。

ブログを書いていていいなと思うのは過去の自分に振り返られること。

今こうしてなんでもない事を書きながら2009年4月~5月のエントリー、ちょうど研修医を始めて間もないころのを読んでいる。

思い返してみればあの頃は採血も出来なかったし(当然だけど)、針を刺したら逆血がひどくて毎回流血事件を起こす日々。同期の先生と練習しあってなんでだろう?とか言いながら大量に血液を垂れ流したような(結局押さえるところが針に近すぎた、というだけだった)。

やっぱり新しい環境に馴染めなくて若干うつ気味になったりしてたみたい。まあそんなもんだろう。

今ブログに書いているようなことも数年経てば「あの頃は若かったなぁ」ということになるのだろう。

と回想にふけっていても明日はやってくる、か。

2011年8月27日土曜日

Blogger.

<今日の仕事を終えて一段落しているところ。仕事を終えたと言ってもやろうと思えばまだすべき仕事はたくさんあるのでとりあえず見切りをつけた、というところか>

hirokickman: 最近忙しすぎてちょっと標本の量を絞ったらなんか暇になってきた気がする。

mos: それはそれでいいのでは?

hirokickman: まあいいんだけど。ちょっと前までは標本を早く読めるようになりたい、他の人はこれだけやっているのに(他の人のブログをちょろっと読んだだけだけど)自分はまだ全然できていないとか思っていたけれど、最近はどうでも良くなった。

mos: ある境地に達した?

hirokickman: 境地に達するというよりも自分に対してあまり期待を抱かなくなったというか。例えば診断力を向上させるのは自分次第な所があるけれど、やっぱり誰かに教えてもらわなければどうしても無理な所がある。

mos: 例えば?

hirokickman: 大腸癌なんかでも脈管浸潤は?と言われれば教科書を指して典型像を見せることはできるけれど、実際のバリエーションはかなりあって、わかっているはずなのに「えっ、これも??」と言いたくなるようなことは多々ある。

mos: なるほど。それと期待を抱かなくなるのはどう関係があるの?

hirokickman: 職人の技術伝承みたいに(何らかの形で)教えてもらうことが前提のトレーニングでは上達のファクターとして本人のやる気と教える側の技量というものがある。両者が揃っていないと効果的には上達しない。その中で頑張ってきたけど、若干空回りしていたというか、どうでもいい要因に躓いていたというか。

mos: なんか言い方がまどろっこしい。

hirokickman: そう。具体的に言えば現実に近くなるからね。このブログを読んでいるひとは多分個人的に自分のことを知ってくれているひとが多いと思うんだけれど、それでも一応「匿名・フィクション?」という前提なのでまあこんな感じになる。

mos: なんか色々な制約のもとに生きているんですね。

hirokickman: まあ世の中そんなもんだよ。比較的自由にやっている方だとは自分では思うけれど。さっきの表現を変えるならば「勉強してこい!」と送り出してくれるにもかかわらず「誰も教えてくれない」ことが度々あるということ。

mos: 普通の社会ではよくあることでは?ほらCMでもAプランBプランCプランと逐一変更になってたでしょ。

hirokickman: あのCMとは違うけれど、心境的には似ているものがある。

mos: しかも給料貰って研修しているんだから「教えてもらうのが当然」という立場は不自然なのでは?

hirokickman: まあたしかにそう言われればその通りで「正論」からすれば反論のしようがない。でも初期研修上がりでストレートに病理に進むのは多分今ではかなり稀な存在のはずだから(今は初期研修を終えないと病理専門医の受験資格がない)、もうちょっと大事にしてくれてもいいと思う。

mos: それは本人が言うセリフじゃないってw

hirokickman: そうなんだけど、人にはできることとできないことがあって、自分の性格上「教えてもらわないと」出来るようにはならないし、「仕事をする様を見て全てを学ぶ」のは不可能。また「対人関係を拒絶している上司」と上手く人間関係を築けと言われても無理だし「無難にやれ」と言われても具体的なラインを示してくれないと要求に答えられない。

mos: なんか発現が過激になってきている気がする。。。。

hirokickman: いや、そうでもないよ。ただ言いたいのは無理な要求をされたら潔く去るのみ。これは高校生の時から考えてはいたんだけれど、「高校辞めたい」と言っても駄目だったし、「大学辞めたい」と言っても辞めて医師免許が取れないのは非常に痛かったので何とか卒業はした。初期研修も結構きつかったけれど頑張った。そして今はある種の自由になった感じ。もちろん上を目指せばいくらでも頑張る必要があるけれど、自分が希望すればそのままのんびり出来る。のんびりした生活なんて多分何十年も出来るわけはないとは思うけれど、少なくとも今の時代にはそういう選択肢がある。

mos: なんか今が義務を果たした後の延長線上を漂っているような感じ?

hirokickman: そんな感じ。「逃げ場」があるから頑張れる。ここまで言うとあたかもすぐ辞めそうな感じに思われるかもしれないけれど、機械と一緒で遊びがあるからとりあえずうまくいく所がある。多分そう簡単に逃げ出すことはないとは思うけれど、「どうにもこうにもならない」時が来ないとは言い切れないのでその時の保険になる。

2011年8月23日火曜日

Supermarket.

<ある日曜日にスーパーマーケットで>

hirokickman: いやぁ、すごいなぁ。なんかわくわくするよね。

mos: どこが?

hirokickman: 関東にトライアルがあるなんて知らなかったよ。

mos: そういうことですか。

hirokickman: 前はすぐ近くにルミエールとトライアルがあってさらにはマックスバリューなんかもあったから買い物には全然困らなかったけれど、今はほとんどないからね、しかも高いし。

mos: 確かに関東は物価が高い印象がありますね。本当はジュースの自動販売機なんかはどこへ行っても一緒なはずだし、今はインターネットが普及しているから基本的には物の値段というは日本全国どこへ行ってもそう大して変わらないはずなんですけんどね。

hirokickman: そう。家電製品や本なんかは基本的には今はネットで買うからあまり関係ない(設置などが必要なモノとかすぐにほしい物は家電量販店で買うけれど)。高いのが食料品という印象。実際は金額にしてみるとそこまで変わらないのかもしれないけれど、心理的なハードルは高くなる。

mos: なるほど。確かにそれからするとトライアルは「安い」お店になりますね。冷凍食品半額というキーワードを目にするのも確かに久しぶりかも。

hirokickman: まあここでトライアルを宣伝してもしょうがないんだけれどね。たぶん今最も進んでいる地域は5.2割引とか半額を超えて商売しているんだ。すごいなぁと思う一方じゃあ定価ってなんなのよ?と言う気分になる。

mos: でも、まあ冷凍食品に限って言えば必ずしも半額が安いとは思いません。というか定価があまりにも高すぎるからで、普通のお店はそれなりに安く売っていると思います。ちょうどメガネのように。

hirokickman: まあ個人的には公正取引委員会で引っ掛けて欲しいくらいのことだけど。

2011年8月21日日曜日

Blueprint.

#1 Something is troubling.
だいぶ業務に慣れたけど、一人だけどうしても性格が合わないひとがいて、なんかモヤモヤした感じ。

まああまり詳しく話し過ぎるとなんだからぼかすけれど、なんか気が合わない。

という訳でその人のために毎週辞めたくなってくる。

確かにその人と同じ日には「仕事をしていない」けれど、こっちだって言い分がある。もちろん100%認められるかと言われればそういうわけではないけれど、「単なるわがまま」ではないと言い切る自信はある。

#2 Always ready for leave.
夜逃げの準備じゃないけれど、いつ仕事を辞めてもいいように考えてはいる。

もちろん大学院に入る準備をしたり色々したりはしているけれど、でも「辞めろ」と言われればすぐにでも辞表を提出してもいいかなと思えるくらいのそんな心境。本当に夜逃げを考えているひとは「夜逃げをします」なんて言わないもの(もっとも現代の社会で夜逃げが成立するかどうかはいまいち疑問だが…)。

ちなみにレジデントは一年ごとの契約だから、「次年度の契約をしません」と言ってもいいくらいでその場合はそのまま退職になる。

まあこれは最悪の状況だけど。

#3 Blueprint for next work.
ここからは若干仮想的な話。その前に自分の昔話。

もともと大学に入る前は神経内科がやりたかった(らしい、昔の記憶によれば)。アルツハイマー型認知症やパーキンソン病が投薬によって根治をしないまでも改善がみられる。現在は姑息的な治療と周辺症状の改善が主だけれども、遺伝子治療によって将来的にはアセチルコリンやドパミンがまた産生されるようになってQOLが改善し「完治」と呼べる日が来るかもしれない。

これは種も仕掛けもちゃんとあるマジックにも取れるけれど、本人や家族にすれば「奇跡」に違いない。そんな奇跡的な瞬間に関わることが出来ればどれだけ素晴らしいことだろうか、と。

というのが面接向けの話で実際は英語の先生になりたかったけど、まあまあ成績が良いのと医学部コンプレックスになりそうで医学部受験を志望しただけのこと。

そんなことを言うと、「全国で医者になりたくても医者になれない人に申し訳ないだろう!」と思うかもしれないが、自分の経験からすると「医者になりたくてなった人がいい医者になるとは限らない」と思う。

医学部入学の動機なんて所詮「子供の頃の夢」でプロ野球選手になりたいだとかケーキ屋さんになりたいとかそれと同じようなもの。もちろん本当にプロ野球選手になってしまう人もいるけれど、大抵は色々な出会いや経験を通して全く違う科にすすんだりするもの(まあ自分もそうだけど)。

みんながみんなそうとは言わないが、再受験をして医学部に入ってくる人の入学してからの素行を見るととても社会人をやっていたとは見えないような人がいる。

自分の経験とそういう人達を見てきたのを合わせて「医者になりたい」という人の言うことは話半分いや十分の一くらいに聞くようにしている。

#4 Blueprint for next work 2.
もともと自分は「なんでもやってみたい、出来れば全てやりたい」という内なる願望があるらしく、例えば大学受験の理科も物理と化学でよかったのに塾で生物を勉強したり、社会も政治経済を選択して塾で日本史、そして自分で倫理を勉強したり。日本史はほとんど身につかなかったけれど。

大学に入ってからも英語の単位は必要とされる単位数の倍取ったし、哲学からプログラミングまでなんでも出来ることはしてきた。

大学に入ったときに最初のオリエンテーションなんかで思ったのが「みんな専門科に分かれるんだ」という単純なこと。

考えてみれば当たり前なのかもしれないが、「全部やりたい」というのからはかなり遠ざかる。

別にドクターコトーを見たわけではないが、そんな時にふと思ったのが(大学受験の時にたまたま知った)プライマリケアというキーワード。

プライマリケアは何でもする、患者さんを全人的に診る。それがすごく魅力的に見えた。でもそれが「何にもできない」ことの言い換えであることを知ったのはずっと後だけれど。

その後産婦人科に流れたり、そのあとは病理に流れた。

#5 Blueprint for next work 3.
大学を卒業する時は病理医になる気満々だった。なぜ病理かというとたまたま実習先の病理医が格好良く見えたことと、病理は基本的にどの科の検体も「専門的な立場で」診断を下す。それが自分の「全部やりたい」という願望に近い科だと感じたから。

正直「患者さんのため」が最初に来るわけではないが、結果的に少しで貢献できればそれはそれでいいと思っていた。

そのために初期研修では敢えて病理のない救急主体の病院を選んだ。

研修医がかなり主体的に働いている病院で「人に指図されながら働くのが嫌な」自分の性格からすると格好の病院だったけど、最初は大変だった。

でも2年目くらいからは比較的余裕を持って診療できるようになり、一般診療に関しては自慢するわけではないけれど、開業医クラスのことはできる、という自負がある(もちろんそれは間違いだとは思うけれど)。

その病院の内科に残る選択肢もあったが、とある上司とどうしても折り合いが悪くて「無理」だったのと、色々考えだして途中で頭の中がパンクしたときに「いったい自分は何がやりたかったのだろうか」と考えたときに学生時代に病理というキーワードが思い浮かんで「やっぱり病理に行こう」という結論に至った。

しかも関東にしたのは「多分このタイミングを逃すと一生行かないから」で、自分のめんどくさがりやな性格からすると一生地元に残りそうな気がする。

本当に楽をするのならば初期研修を受けた病院か出身大学に戻ればいいはず。知り合いもたくさんいるし。

関東でたくさん知り合いを作るぞ!と意気込んできたものの、なんか意気消沈。

#6 Blueprint for next work 4.
前置きが長くなったけれど、ここからが仮想の話。

多分しばらくは外来や当直を続けることになるだろう。医者としては(出産子育て以外で)経歴に穴が空くことが一番問題なのでとりあえずつなぎの仕事をする。具体的には外来をやっている病院にお願いして常勤にしてもらうことだろう。

そしてそこからの計画を立てる。

多分自分が臨床をやるんだったら内科医だと思う。みんなそう言っているし。

ただ、カテやカメラをするかと言われると…という感じ。かといって神経内科って感じでもないし。多分総合内科とか膠原病とかをやっているかもしれない。

うん、膠原病・アレルギー内科かな。

前置きが長くて結論は短いけれど。

2011年8月6日土曜日

Conversation.

<当直中、患者さんは来ないしテレビも大方見終わったのでシャワーでも浴びて寝ようかとしているところ>

hirokickman: いやぁ、当直は楽だなぁ。去年と比べて全然楽だわw

mos: そりゃあ、確かに去年は忙しかったですね。研修が明けたらちょっとは楽になるのは分かるけれど。でも他の病院は忙しく働いている人がいるわけでその人達にしわ寄せが行っているのでは?

hirokickman: まあそうなんだろうけれど、あまり気にしない。当直は楽だけれど、普段の業務は結構キツイ。標本はどんどん溜まっていくし、というかたまりすぎてちょっと怒られたし。。。それに加えて雑誌の原稿の下書きとか。

mos: 原稿を上司に出して、たくさん修正入ってましたね。

hirokickman: まあね。でも前はあまりに修正が入りすぎて全く別物になっていたからそれと比べればまだ自分の文章が残っている分マシかなと。

mos: 大体今は何時くらいに帰るんですか?

hirokickman: だいたい10時から11時くらい。最も仕事自体は9時から10時で決着を付けて、あとは机でのんびりインターネット(+ショッピング)。朝8時前に来るんだ。正直頭を使う仕事を10時間以上はできないよ、俺のキャパシティじゃ。

mos: 確かに病棟で働いていた頃より忙しそう。。。

hirokickman: 研修はある意味楽だった。言われたとおりにすればよかったし、24時間オンコールだったけど、その分夕方5時をすぎれば帰っても良かった。ちゃんと要領よくこなせば残業をしなくても良かったし普通にすれば出来る量だった。ただ夜間の緊急オペだったり緊急カテだったりが週に1回はほぼ必ずあったからたぶん他の病院の人と比べて楽だっとは思わないけれど。

mos: でもその生活が嫌で病理に行ったんでしょ。

hirokickman: う~ん、嫌だったのはそういうのじゃなくて、研修医で「出来るのに権限がないから出来ない」というジレンマがあったから。救急車で来た患者さんでこれは全く問題がないと思っていても必ず上級医に相談をして帰す。でも上級医は来ないから「30歳の男性で仕事中に急に腹痛が出現し…」みたいに一から説明するのがちょっとバカバカしくなったから。

mos: 研修医である以上それは重要でしょう。

hirokickman: それは全く正しい。自分が上司になったとしても部下にはそうであってほしい。でもね、たまに相談する上司が見つからないことがあって例えば整形外科の先生にコンサルトすると「それはうちじゃない、形成へ」「今オペ中で忙しい。外科の先生へ」「外科は外来で忙しい。その疾患は整形じゃないのか」みたいな感じになる。そういうことが度々あってだんだん嫌になってきた。

mos: 院内たらい回しって。

hirokickman: 結局救急対応が(給料が出ているというのに変でなんか説明しにくいんだけど)医師のボランティア精神に任されているところがあって、そのルールでズルしようと思えば簡単にズルできる。それをみんながしてしまえば崩壊する。たぶんその崩壊の一歩手前なんだと思う。

mos: 確かにとある上司の先生も今の制度はこれほどまでの救急車の搬送を見込んでいないときに出来たものでだいぶ経っている。そろそろ見なおしてもいい時期じゃないかと言ってましたもんね。

hirokickman: そう。もちろんもうその病院を辞めてここへ来たからどうでもいいといえばどうでもいいんだけれど。

mos: 結局病理に進んじゃったけど、どういう条件があれば臨床を続けていた?

hirokickman: 一つは期限付き。考えていたのが一年内科をすれば内科認定医の受験資格が、2年麻酔科をすれば標榜医の資格がもらえる。こういう資格があればアルバイトをするのもやりやすいかなと。今は資格はあるけれど無資格みたいな感じだからね。

mos: やっぱり病理に行く前提だったんですね。

hirokickman: そうだね。ただ、今病理で標本見て楽しいかと言われると正直微妙。学生の頃は「へぇこんなんだったんだ!」と感動したものだったけれど、今は「これも分からない!あれも分からない!」といった感じ。

mos: 知識や鏡検力(スライドを見て診断をつける力をなんというのだろう?)がモノを言う世界だからかな。

hirokickman: もう4ヶ月経つのに未だに誤診が多い、というか正診に辿り着かないというか。他の先生はそんなもんだよというけれどもどんなもんだか。才能がないんじゃないかという気がする。

mos: まあそんなんでも二年くらいたてばある程度読めるようになるって別の先生が言ってたでしょ。

hirokickman: まあそうだといいんだけれどね。

2011年8月3日水曜日

Go somewhere.

#Work is hard, life is hard.
仕事が忙しくて大変なのは了解しているが、それに人間関係が加わると非常に厄介。

解剖があると一応行かなくてはいけないけれど、
清潔でもすること無し(ねじ子先生の漫画の中にあったくだりを引用)
という状況。周りの先生は「早くできるようになるためには一回でも多く解剖に入ってどんどん前に出て助手をやらせてもらえ!」という。

そして行ってみると、執刀医の先生は普通にやっていて、助手は検査技師さんが務めている。検査技師さんも新人さんの教育のために助手につかせているから「自分が…」なんて微妙に言い難い状況。執刀医の先生に技師さんが「今日は(新人の)〇〇を助手につかせるんでよろしくお願いします」なんて言われたら、「じゃあ自分がやらせて下さい!」とは言い難い。

(それでもとある先生は「えっ?解剖に入っても助手についたことがないの?入らなきゃ!」と言って技師さんの提案を退けて助手につかせてくれたりしたけど)

#What is the best environment for job?
個人的に思う一番仕事をやりやすい条件。
それは立場が確定していること。
前項の解剖みたいに自分が執刀するわけでもなく助手に入るわけでもなく、手を出すわけでもなく、そんなフラフラしたような立場じゃ、「見学も勉強のうちだ!」といっても勉強しにくい。

ちょうど1週間単位で回るポリクリもその科に慣れそうになってそこで終了、はい次!というのと一緒。

立場が確定する、言い換えるとその場の雰囲気に慣れて自分が何をすべきか(何をしてはいけないか、何をしなくて良いか)がはっきりわかっている状態が仕事がやりやすいし多分勉強になるんだと思う。

ポリクリで回ってもほとんど勉強にはならないのはそのためだと思う(要は期間ではなくて立場の確定だから1週間のローテーションでもやりようはあるのかもしれない)。結局途中から自分はポリクリがめんどくさくなって出席だけで後は適当にしたけれど。。。

#Keep on working.
仕事を続けるために必要なこと。
我慢すること。
いつかは立場が確定するはずだと信じて耐える、そして「頑張らない」こと。立場が確定していない中で頑張ることは「ルールが分からずただ単にボールを追いかけ続けているだけ」でもしかしたらゴールできるかもしれないけれど、多分可能性は低い。

それよりも「走れ!」と言われたときに走り「蹴ろ!」と言われて蹴るくらいの方がちょうどよいのかもしれない。「あいつは怠惰すぎる」と言われない程度に。

そして「お前なんか辞めてしまえ!」と言われたときには…別の科に転科しようか。最近内科のバイトを始めたのも布石だったり無かったり。。。

2011年7月30日土曜日

Always there.

#1 Something that reminds me.
関東に来てから思ったことはたくさんあるけれど、その一つが「物の値段が高い」こと。

今は基本的にインターネット&クレジットカードで決済するから財布の減り具合なんてよく分からないけれど(ただその分毎月の請求額がかなり大変なことになっている)。

食料品、日常生活品だけはネットで買うわけにもいかず(お腹がすいて明日までは待つのは無理…)というわけで、スーパーに買いに行く。

福岡の時はルミエール、トライアルなどが比較的すぐそばにあったのでちょっと車走らせれば(走らせなくても)安く手に入る。

今は給料が少なくなった上に物の値段が高いということはかなり打撃的(といっても実際はそこまでではないけれど、ベクトルがマイナス方向に向いている感じがしてなんか怖い)。

最近自分の住んでいる近くにもトライアルがあることが判明して行ってみた。

そのトライアルは九州のそれに比べるとちょっといまいちだけど、それでもあの「ああ安いなぁ」という感覚がまた戻ってきた。

だからなんなんだ?と言われるかもしれないが、以前と同じ感覚を味わえるというのは時として貴重だということ。

#2 Pulled elbow
この前肘内障を診た。実は肘内障は一度しか見たことはなく、整復も初めて。

まあ駄目だったら整形の先生を呼べばいいやという軽い気持ちで整復に挑戦。

モノの数秒でプツッと言う音(とというより感触)がして見事整復。教科書的には戻るとすぐに手を動かすようになるとは言うが、本当にそうなんだと実感。

保険診療だと800点(8000円×3割)になるのでこんなんで申し訳ないが(でも子供は無料だったか?)、まあ良かったことにしよう。

臨床をやらなくなると、だんだん感がなくなってきて怖くなってくる。臨床をやめて数年経つ先生が「怖くてできない」というのがよくわかる。

#3 Eee pad transformer
とうとう買ってしまったorz

相当我慢していたんだけれど、やっぱりどうしても欲しくて。。。

保護ケースを買ったけど、結論として要らなかった。保護フィルムはダイソー100均でフリーサイズのA4のやつを買い切って貼った。

まだ開いてちょっとしか経っていないけれど気づいたこと。

充電器が使い回し出来ない。なんか出力の規格が異なるみたいで、USBなんだけど、ケーブルを繋げても反応しない。

これは仕方ないので本体で充電することに。

あとはまあまあ良い。

2011年7月26日火曜日

Kampo Medicine and so. part 2

#1 And...
結局ナイトディスカッションは9時近くまで続いて1日目は終了。ただ、突貫工事みたいな感じだったからホンワカした理解みたいな感じ。

その日は家に帰ると下手したら日付またぎそうだったので新宿のカプセルホテルに初めて宿泊。

そもそもカプセルホテルというものに泊まったことがなかったからどんなものか不安だった。とある先生は「結構いいよ。安いし。最近のはきれいだから」

直で行っても良かったのだけれども、不安だったのでとりあえず前日に予約をとっておいた。

実際に着いて、受付で支払いを済ませ「初めてなんですけど」というとシステムを優しく教えてくれた。

その泊まったカプセルホテルのシステムは
まず靴を脱いで小さいロッカーに入れる。個人用の大きなロッカーが与えられ荷物を置いて着替える(貴重品はカプセルのセキュリティもあり基本的にはフロントに預ける)。そして風呂に入るかもしくはエレベータ(靴ははかない)で各階各部屋の指定のカプセル(特大のバスタブの蓋をして横に穴をあけた感じ)に入って寝る。テレビもある。扉はなくてのれん?みたいなのを下げる。なので声や音がダダモレする。ネット無し。男性専用。
みたいな感じ。カプセルホテルって扉はちゃんと閉まって密閉空間になっていると思っていたんだけれど、違った。本当に寝るだけで、しかも耳栓を用意していれば問題ないが、カプセルの中で何かしようと思うとちょっと辛い(食事とか)。ただ他のカプセルはどうなのか分からないしちょっと色々トライしてみてもいいかなと思ってしまった。ただ、値段が3000円を超えるようだと普通の部屋がいいかなとも思う。

#2 Day 2.
話が脱線したが、結構そのホテルの風呂はサウナ付きでよかった。翌朝風呂に入りに行って、普段サウナなんて行かないのにちょっと欲張って行ったものだから出てからフラフラになりながらチェックアウト。

その後会場へまた行く。

2日目は漢方と精神科疾患、漢方と高齢者、医の心(かなりの人が寝ていた)、昼食、午後の鍼灸総論と実習。

精神科や高齢者の症状、投薬はたしかに難しい。まあどうやっても難しいし、結局のところ分からないからあまり考えずにとりあえず出して、経過を追ってなにか問題があれば対処するということが多い。

今思い返してみると「漢方が使えたかなぁ」という人は結構いる。そのほとんどはいわゆる不定愁訴になるんだけれど、それは西洋医学的に捉えるのが難しい症状を不定愁訴と言っているだけにすぎなくてそれが東洋医学の世界だと典型的になったりする。

あと何故か?鍼灸の実習があって実際に自分にハリを刺し、灸を据えた。ハリは相当細いのか刺しても痛みはなかったが、なんかちょっとえぐられているような若干気持ち悪い感じ(人によって感じ方は様々だけれどこれを得気と呼ぶらしい)がした。人によっては気持ちいらしい。

灸は純粋に熱い。米粒くらいのもぐさで「熱っ!」って言ってしまった。なんかテレビや漫画だと結構大きなのを据えているけれど、多分あれ相当熱いと思う。

まあ効いたか効いてないかもよく分からないけれど、ハリは実際にやってみてもいいかなと思った。深く刺すのは気胸の可能性もあるし若干怖いけれど、浅く刺す、というかシールに貼りが入っていてただ貼るだけみたいなのもあるらしくてそういうのだと自分でも簡単にできる(それでもやっぱりハリだから免許はいる?)。

灸はワセリンともぐさと線香があればすぐにでもできそうな感じ。

漢方鍼灸奥は深いのだろうけれども、とりあえず「やる」 ことはできそう。

そして帰って今に至る。

2011年7月25日月曜日

Kampo Medicine and so. part 1

#1 Departure
先日行われた若手医師のための?漢方セミナーに参加するために出発。相変わらず?標本が溜まっていたのでなるべく片付けて(それでも結構溜まっているけれど)午後出発。

他の人はどうか知らないけれど、今の自分だと手術検体(しかみていないので分からないが)1臓器大体2時間くらいはかかる。もちろん異常のない胎盤はもっと早くできるけれど、婦人科がとても多く、リンパ節のためにスライド数が平気で40枚になったりする。

大体会場までは2時間くらい掛かるのでそれを見越してちょっと早めに。

#2 To see is to believe.
ちょっと違うけれど、やっぱり実際に話しを聞いたほうが分かりやすい。漢方の陰陽、実虚、五臓など自分で勉強していれば「はぁ…?」という内容がなんとなくだが分かってきた気がした。

話が面白いかと言われると、一番前に座っていてそれでも寝ていた人がいたし、不覚にも自分もちょっと寝てしまったからなんだけど、比較的初心者に向けた説明で分かりやすかった。

ちなみに全部終わった後「漢方医学 新版」というもともと持っていた本を読んでみたら、講義の内容とほとんど一緒だった。まあ読んでも分からなかったのがちょっとは分かるようになったのが進歩なのかもしれない。

内容自体は1日目は漢方の理論と処方の実際、ナイトディスカッションというチュートリアル形式を模した方法で実際に症例に当たってみるというもの。

ナイトディスカッション、(おそらくほとんどは漢方初心者だということもあるかもしれないが)ほとんど盛り上がらなかった。ただ、実際にどういうふうに考えて処方をしているのかをこういうセミナーで体験できるのは非常に有意義なことだし、考え方が正しければ最終的な処方は変わっても構わないなど本では分からないことを聞けるのはすごく良いと思った。

あと蛇足だけど、弁当が豪華すぎ。別にそこまでしなくてもいいからもうちょっと料金を安くして欲しい。

2011年7月23日土曜日

Memorandum media.

# take notes.
新しいことを(真面目に)するときは基本的にその経験者の人の動作、する順序、その人の言う事を全てメモする。一見関係なさそうなことでも紙に書き写す。それが難しい環境でも後で覚えておいたことを書き出し、知らなかったことは教科書を見て知識を補強する。

というのがまあ理想的なんだろうけれど、なかなかそこまでは辿りつかない。

紙という媒体もパソコンという媒体も一長一短あってどちらもなかなか本来の理想とするメモの取り方には到達していないような気がする。

紙:どこでもすぐ取り出せて、その気になればそこら辺のコピー用紙でもメモできる。白い紙ならどういうふうに書いてもよい。しかし注意して作らないとまとまりがなくなるし、でもまとまりを意識しだすと紙の良さが半減する。
パソコン:データの保存性、(パソコンを目の前にしてかつ文章を書くときに限って言えば)入力や編集が非常に簡単。一度保存したデータは紙に出力したりiPod touchに入れて持ち運んだりと自由自在。

病理診断の研修を始めて、色々メモしたけれどもあまり見返す機会がないのは紙とパソコンをごちゃごちゃにして使っていたからだと思う。

あまり言われていないけれども、ちゃんと紙とパソコンを使い分ければ非常に有用なツールになると思う。

具体的に言うと
紙:Experience basedなもの。この症例では●●の所見に注意すること。△△と□□の鑑別ポイントは○○とか。もっと具体的には前立腺癌で管腔内に石灰化があればそれは癌ではないとか、脈管浸潤を見逃したけれど、脈管浸潤はそもそも腫瘍の近くで探すべきとか。
パソコン:診断基準、進行度分類、グレーディング、診断テンプレート。よく参照するけれど、取扱規約の本(=紙)だとさがすのが面倒なもの。全てを入れるのは実際不可能なのでとりあえず自分が複数回以上診断したものについては大まかな診断基準などを入れるようにしている。診断テンプレートはあったらいいなぁと思うけれど、他の人の作ったテンプレートはなかなか使いづらいので他の人の診断や自分の診断書の修正、本で読んだ知識を参考にしつつ自分のものを作成中。

ぼそっと他の先生が言ったことをパソコンに書くのは現実的ではないし、iPod touchもそういうふうには作られてはいないと思う。

#2 So...
メモに限らず一般的に一言で言えば「決まって変わらないものはパソコン、変わりうるもの、あやふやなものは紙」がいいということになるのだろう。例えば地図や旅行の日程なんかはWordで書いてPDFに変換してiTunesからiPod touchへ転送する。それをiBookで見るというふうにしている。一枚の紙だとなくなりやすいしそれを編集することもない。

一方で例えば完成途中の計画表なんかは紙のほうがいいと思う。あれやこれやと変わる可能性があるものを例えばWordで保持しておいてその都度編集するのためには常にパソコンがonの状態が必要。

個人的には折衷案みたいにパソコンで編集して途中の記録をプリントアウトしてそれに書き加えて再度手打ちで反映させるというやり方をしている。

一見めんどくさそうだが、こういうのは実際の手間というよりも「とっつきやすさ」というのが重要で、結局それらを天秤にかけた結果なんだと思う。

2011年7月21日木曜日

知識・経験の向上

#1 How to improve clinical skills during leave.
臨床の現場から離れている場合にそれでもスキルの向上をしようとすると何が出来るか。

結論から言うと恐らく本を読むことぐらいしか出来ない。

当直をしたりも出来るかもしれないけれど、それでは圧倒的に経験値が少なすぎる。それを補うのはやっぱり本や講習会になるんだけど、「臨床現場を一時的に離れた人のための講習会」なんてのは聞いたことがない。看護師さん向けにはあるみたいだけど。

結局いろいろ考えたけど、向上するのは難しい。それよりも今までやってきたことを定着させるほうが現実的なんだなという気がしてきた。

あやふやでしていた診療をもう一度勉強しなおしたり。

新しいことを本で読んでも、実践が伴わなければほとんど身につかないし、実践だけでも出来るようにはなるが一抹の不安は残る(これで本当にいいのだろうか?と)。

だから離れている期間というのは新しいことを学ぶよりも今までしてきたことの足元を固めるのが一番いいのだろうという結論に個人的には至った。

#2 Analogy from my experience
この前TOEIC IPを受けてきた(本試験のTOEICと値段は大して変わらなくなったし信用という意味ではそっちの方がいいのだろうけれど、本人確認が厳しいし写真が必要だったりするので大学で受験できるIPのほうが楽)。

3年ぶりに受けてきたけれど、点数は変わらず915点。もちろん配分は変わってもともとはリーディングが得意だったのに、今度はリスニングが得意になっていた。

じゃあこの3年間英語を勉強したかと言われるとほとんどしていない。必要に迫られて英語の論文を読んだり、外国人の患者さんが来て自分が対応したりするくらいで大してしていない。

ただ、3年ぶりだったから手は震えて全身が硬直したからw終わったときはたかが2時間の試験なのにすごく肩がこった。

でも蓋を開けてみればあまり変わらない点数。

もちろん点数が全てじゃないけれど、3年間ほとんど勉強しなくてもちゃんと基礎をしっかりしていればそんなに実力が落ちることはないんだと少し安心した。

やっぱり自転車と同じでやれば戻るしある程度時間が経てば熟成されて?知識体系が自分の中で構築させるような気がする、あくまで気がするだけだけど。

でも隣にいた人は点数が非常に悪かった。

別に点数のいい悪いが問題なわけじゃないけれど。その人は高校生の時は英語が得意だったらしいけれど、大学に入ってから英語の勉強をやめてそれからはほとんど触れていなかったそう。

多分中途半端な実力だと時間が経てば忘れてしまうのだろう。ある一定のラインを超えればそこを下回ることはそう簡単にはないけれど、逆にある一定のラインに達していなければ時間が経てばゼロに近いラインになってしまうのかもしれない。

それを自転車に例えると?手放し運転ができるくらいだと大丈夫ということか(一輪車みたいな要領で昔はよくやっていたけれど、バランスをとるのは難しくはないけれど、不意の障害物に対しては非常に危ないから最近はやっていない)。

2011年7月19日火曜日

当直@梅雨

#1 A sunny day in the rainy season
今日当直中(offlineで書いているのでブログの投稿時刻とは違うけれど)。

梅雨の中のせっかくの晴れ日なのに日当直。一応これで収入があるから嬉しいような、でもこんな日に働きたくないなぁと思うが寝当直なのでほとんど働いていない。

#2 Maintaining/improving knowledge and skills after leaving clinical work
例えば出産・子育てをして一時的に現場から離れた女医さんとか基礎系の大学院に入って(完全ではないけれど)臨床の第一線から離れる場合なんか当てはまると思う。

一度得たスキルというのはそう簡単には忘れるものじゃないから自転車と同じでもう一度すれば多少時間はかかっても元には戻ると思う(外科の先生が胃カメラは自転車と同じで何度かすればまた出来るようになると言っていた)。

ただ、難しいのはもとに戻すだけじゃなくてスキルをアップさせること。

もちろん10年20年という長いスパンで考えたときには大したことじゃないかもしれないけれども、その瞬間やその期間はすごく悩む。

その期間だけを見ればその間だけ臨床をやっていた人のほうが臨床的なスキル(かなり包括的な表現だけれど)は確実に上のはず。

じゃあ出産や基礎系の大学院で研究したことが臨床のスキルの向上に貢献するかといえば個人的には否定的。もちろん子育てをすることで例えば夜間に子供を受信させる親の気持がわかるとか、基礎系の大学院で培った考え方が臨床判断に役立つといったことはあるかもしれないが、それを良しとするならば、コンビニでアルバイトをするのでも役に立つはず(給料よくないから誰もしないと思うけれど)。

そういう「一度離れてもその経験はきっと役に立つよ」という言い方は極論をすれば呼吸をするだけでも、道を歩くだけでも役に立つという感じで一般論としてはいいのかもしれないが、実際に置かれた人に対しては「そんな事言われても」と思う。

かくいう自分も臨床研修を終えて果たしてこの臨床スキルをどうしようかと思っている途中。

出産子育て中の女医さんだったり基礎研究の大学院生とは違って本質的に臨床に戻ることはないのだけれども、なんかせっかくのスキルをもったいないなぁと思う。

もともと卒後臨床研修というのは専門分野に特化してしまって総合診療が出来ない医者が多いことから始まった。応招義務、救命義務を踏まえて道端で倒れていても初期対応が出来るように、という趣旨だったはず。個人的にはその趣旨は素晴らしいし、いろいろな問題があるにせよこの臨床研修制度で研修できた自分は幸運だったと思う。

確かに今道端で人が倒れて息をしていない(していてもいいんだけど)、心臓が止まっていたとしても「とりあえず」必要な処置は出来ると思う。多少は後で難癖つけられるかもしれないけれど、少なくともその場で「どうしたらいいんだろう…」と右往左往することはない。

それは臨床研修で嫌というほど心肺停止状態の患者さんを診たから(もちろん病院で診たわけで本当の道端だったら違うのかもしれないけれど)。だから心肺停止状態の人はどんなに治療を行ってもほとんど助からないのは知っているし、そもそも出来る治療自体も限られている(PCPSを入れる2年間の中で2例いたけど助かったのは一人だけ、どちらかというとPCPSのおかげではないような気がする)。

でも厚生労働省はちょっと思案が少し足りないのかそれとも制度上の限界なのかは分からないけれど、じゃあその得たスキルをどうするかという問題がある。

冒頭で書いたように自転車みたいなもので確かにできると思う。しかし10年間自転車に乗らなかった人に急に自転車に乗って全速力で走れなんて言われると出来る人はあまりいない気がする。

厚生労働省の言う初期対応とか救急診療というのは、ゆっくり思い出すというよりもある意味瞬発力がものを言う感じでそういうのをブランクがある人には結構キツイというか、そもそもこの制度が始まったばかりだからその結果はすぐには出ないけれど、多分思惑通りにことが進むかというと難しいと思う。

自分も2年間で得たスキルを維持するためにこうして当直をしたりしているんだけど、なぜかここは整形外科の病院で整形外科の患者さんばっかりなのでスキルの維持というよりも変なスキルの養成みたいになっている(シーネの巻き方とか傷の縫い方とか熱傷の治療の仕方とか)。

向上があるのはいいんだけれど、自分としては臨床をやるなら内科医だなと思っていたのでちょっといまいち。

2011年7月17日日曜日

Project Oriented.

#1 Project oriented is good so far.
これまでの階層式を一部止めてフォルダを全て横並びのプロジェクトごとにしてみたことは以前のエントリーで書いた気がする。

現在進行中のプロジェクトフォルダと終了した、もしくはもうしばらくは更新しないだろうというプロジェクトは過去のフォルダに、というように。

そして重要なのが開始日(とできれば終了日)をフォルダのタイトルの最初入れておくこと。

いわゆるWinnyやWinMXと一緒で、タイトルですべてを表す、みたいにすると名前でソートしたときに日付順で並ぶから自分がどんなことをやってきたか一目瞭然(とまでは言わないけれど、分かりやすい、と思う)。

過去のことを思い出す鍵はいくつもあるけれど、「そういえば去年の7月頃にあったよねぇ。」なんて時に日付があれば便利だということがわかった。

友だちの結婚式のスライドショーを持っておけば別の結婚式でも使い回しができるかも…(PowerPointでの結婚式用のテンプレートって意外とない)。

#2 Problem is.
ただ、問題があって、プロジェクトによってはすぐにとりかかってすぐ終わるもの、毎日はやらないけれど、ある程度継続的に行うもの、などがあってそれらを区別する術を持たない。

緊急!とか準とかマークを付ければいいのかもしれないけれど、そもそもそんなのはすぐには決まらないし、途中で変わることもある。

個人的にはフォルダの順番を自動的に重要な順番にしてくれないかなと思う。

フォルダの更新日で変えればいいのかもしれないけれど、入れ子になったフォルダの中のファイルを更新しただけではどうやら駄目みたい。

2011年7月15日金曜日

Literature Management

#1 Endnoteの必要性1
結論から言うとEndnoteは持っていないし買うことは多分無いと思う(思っていた)。

学生の頃は試験対策プリントを作ってみんなに配ったり、ホームページを作ったり、家庭教師用のプリントを作ったりと色々と書類を作ってきた。

大学を卒業する頃にダウンロードしたファイルや自分で作ったファイルがゴチャマゼになってしまい(もちろん自分で作ったから区別はちゃんと付く)、なんか整然としないなぁという気になった。

研修医になってからは分からないことがあると教科書を読んで、場合によってはpubmedなんかで調べて答えを探していた。

なるほど!という論文はダウンロードして保存していた。

そんなに分からないことなんてなかったから(何が分からないのかも分からないという状態だったので)分野ごとのフォルダに整理するくらいで十分だった。

でも病理を始めて、しかも大学院に入るに当たってだんだん読む→書くという作業が必要になってきそうと気づいた。

そして分野ごとのフォルダもなんかだんだん増えてくる。あまりきれいではない。

#2 Endnoteの必要性2
テキストファイルに関してはアウトラインエディタ(現在はNanaTreeを使用中)でだいぶすっきりした。画像やppt/doc/xls/pdfなどのファイルが統合できないことと、これまでの足跡が時系列になっていない(アウトラインエディタはあくまで階層を規定するだけでそこに時系列を導入しようとすると非常にややこしくなる)という問題が出てきた。

それは大学の同級生のお父さん(元SE, 現在ソフトウェアアーキテクト??)がプロジェクトごとにフォルダを作っていると言っていたのを思い出して、時系列を入れたプロジェクトを作ってみた。
(そのプロジェクトが終わったら過去のプロジェクトのフォルダに放り込む、みたいな)

そしてその結果をアウトラインエディタのファイルに統合する。

これで自分の足跡がおおかた網羅されるんじゃないかと思う。

ただ、その代わりアウトラインエディタのファイルがどんどん大きくなって開くのに少し時間がかかるようになった。これはちょっと課題。

#3 Endnoteの必要性3
やっとここで出てくるのだが、これまでは自分で作ったファイルがほとんどだった(つくると言っても教科書のまとめだったりするが一応自分で入力する、という意味)。

しかしこれからは他人のものを引用しなくてはいけない。もっというと他人のものと自分のものを厳密に区別できなければならない。もっともっというとその他人のものの出典(いつどこでだれが書いたものなのか)がはっきりしていなければならない。

ついでに自分の作った物(試験対策のものであれ)もいつどこでどういう目的で作ったのか分かればよりよい。

ただ、文献管理ソフトは、そもそも論文というのはかなり厳密なものなのでそのソフトもかなり厳密。結構ラフに最初は考えていてそれでフリーの文献管理ソフトを使おうとして難しくてやめた。

でも院生の先生がEndnoteを格好良く使っているのをみて悔しいというより「あっ、そういうふうに使えばいいんだ」というvisionが見えてそれで触ってみようという気になった。

Endnoteは相当高いしどれだけ使うか不明なのでref2000というフリーソフト(以前使おうとして断念したもの)を使ってみた。

操作は若干特殊だけれども、ちゃんとマニュアルを読めば動くし、どんなファイルでもリンクが出来るのが秀逸。pubmedのmedlineデータを読み込むこともできるから自分で入力する必要がない(ということはスペルミスをする可能性がなくなる)

使い方によっては文献検索だけではなくプロジェクト管理にも使えるんじゃないかという気がしてきた。

2011年7月14日木曜日

Work done.

#1 Task management
先日上司から「スピードアップを!」というメモ書きが。(そして責任をもつということばも…)

標本がたくさん溜まって天井まで行きそうだったからで(20枚は超えていたと思われる)、それが問題だったらしい。

たしかにそうなんだけど、この前は別の先生に標本は少しは貯めたほうが良いとか、標本は初めのうちはじっくり見たほうがいいなんて言われてそれを真に受けて、じっくり見ていた。

じっくり見るというのは具体的には前立腺癌があったとして、まず自分の持っているアンチョコ本の前立腺の箇所を見る。その後Ackermanの前立腺癌該当箇所を見る。その後前立腺癌取扱規約を見る。その後標本を見る。さらに前立腺癌取扱い規約を見ながら診断をつけていく。そして出来た診断は一日おいて翌日もう一度見なおして上級医に提出。そして後日フィードバックを受けてさらに別の上級医に提出。

そりゃさすがに時間がかかるわと思ってはいたのだが、なんせこんなペースでも今の自分の仕事量なら回ってしまうので特に気をかけなかった。

でも最近はちょっと標本数が多くなってきたので(あとは偶然標本が重なったこと)、それでちょっと見た目が派手に見えてこのようになった。

というわけでその日から文字通りスピードアップして、帰ってきた標本は原則当日、遅くとも翌日までに出すと決めた(結論から言うとどうせ分からないものは何時間かけても分からないから)。

#2 Honne and Tatemae
本音と建前はそれに相当する英語の表現はなくどうやら意訳的になるらしい。

上司は、多分「研修医」という名目上建前としては「最初だからゆっくりじっくり教科書を見ながら標本を見るべき。」なんていうのかもしれない。でも本音は「早く標本を見ろ」ということか。

比較的今の職場は本音が出しやすい雰囲気(100%とは言わないが)だが、本音を言いたいときはそこそこある(大体一回も見たことない、疾患概念すらあやふやな病気の標本を自力で診断できっこないんだから一緒に見てほしい、など)。

初期研修医の時に訳もわからず救急車の対応に行かされて何も出来ないままオロオロとする。結局誰も特に教えてくれないまま終わる。病院側の建前としては「場数を踏んでこい」ということ。それ自体は間違っていないけれど、こちら側の本音としては「何も分からないまま場数を踏んでも意味が無い。効率よく教えて欲しい。」

そんな思いをさせたくなかったから自分の後輩が出来たときには細かいことでもなるべく色々教えてあげるようにした。多少濃淡はあったかもしれないけれど。

#3 English Writing
今度の学会で発表することになったらしく(多分用意された原稿をそのまま読む仕事だと思われる)、そのための原稿の準備中。英語で発表するそうなのでまずは英語で抄録を書いている。

何年間かブランクがあったにせよ、意外とすんなり書けるもんだなと。でも上司曰く「論文の英語と英作文は違う」とのこと。

どう違うか見せてもらおうか。

2011年7月13日水曜日

雑多感

#1 TOEIC IP
久しぶりにTOEIC IPを受けてきた。というかこれまでIPしか受けたことがない。

IPというのはいわゆる「過去問の再利用」でこれまで出題されたもののなかからランダムに一つ選んで出題される。結果はすぐに返ってくるし受験料は2000円くらい?安い。

過去問と言っても問題は回収されるし百数十回と実施された中からリサイクルされるので同じ問題に出会う確率はほぼゼロでスコアの同等性が保証されていることになっている。

個人的には受験料が安いというよりも学生証だったり職員カードで受験できるので申し込みが楽ちんという面がある(正規で受験しようとすると写真とったり書類を送ったりetc)。

3年ぶりの受験で受験前に正直手が震えた。というか受験生の頃のあの懐かしい感じが蘇った気がする。

今回は事前の準備がほとんど出来ていなかったがまずまずの出来。しばらくは定期的に受験して感を取り戻さねばということころ。

#2 アプリ開発?
iPod touchを色々触りだして結構無料のアプリって多いんだなぁということがわかった。もちろん有料のアプリも相当あるけれども。

個人的には医療用のアプリが欲しい、と思っていたところだが、昔は無料だったのも今では有料になってしまったものが多い気がする。

今仕事上欲しいアプリ
・取扱規約の病理に関するところだけを抽出した「規約一覧アプリ」
・(当直の時に困る)外傷の処置を教えてくれるアプリ
・ガイドラインなどを表示してくれるアプリ

みたいな感じ。無いなら自分で作ってしまえー!ということになるのだけれども、いまさらObjective-Cを習う気力はないし(Javaが使えるといいんだけど…)、macの環境から整えなくてはならない。

という訳で今話題の?webアプリケーションのsencha touchというのを試そうと思ったのだけれども、ネットにつながっていない環境ではそれすら難しいということが判明。う~ん、世の中そう簡単にはうまくいかないものだ。

とりあえずいつか使いやすくなる日が来る or 諸事情でどうしてもしなくちゃいけなくなる日までデータをコツコツ貯めておくことにしようかな。

2011年7月12日火曜日

Literature Management

#1 Endnoteの必要性1
結論から言うとEndnoteは持っていないし買うことは多分無いと思う(思っていた)。

学生の頃は試験対策プリントを作ってみんなに配ったり、ホームページを作ったり、家庭教師用のプリントを作ったりと色々と書類を作ってきた。

大学を卒業する頃にダウンロードしたファイルや自分で作ったファイルがゴチャマゼになってしまい(もちろん自分で作ったから区別はちゃんと付く)、なんか整然としないなぁという気になった。

研修医になってからは分からないことがあると教科書を読んで、場合によってはpubmedなんかで調べて答えを探していた。

なるほど!という論文はダウンロードして保存していた。

そんなに分からないことなんてなかったから(何が分からないのかも分からないという状態だったので)分野ごとのフォルダに整理するくらいで十分だった。

でも病理を始めて、しかも大学院に入るに当たってだんだん読む→書くという作業が必要になってきそうと気づいた。

そして分野ごとのフォルダもなんかだんだん増えてくる。あまりきれいではない。

#2 Endnoteの必要性2
テキストファイルに関してはアウトラインエディタ(現在はNanaTreeを使用中)でだいぶすっきりした。画像やppt/doc/xls/pdfなどのファイルが統合できないことと、これまでの足跡が時系列になっていない(アウトラインエディタはあくまで階層を規定するだけでそこに時系列を導入しようとすると非常にややこしくなる)という問題が出てきた。

それは大学の同級生のお父さん(元SE, 現在ソフトウェアアーキテクト??)がプロジェクトごとにフォルダを作っていると言っていたのを思い出して、時系列を入れたプロジェクトを作ってみた。
(そのプロジェクトが終わったら過去のプロジェクトのフォルダに放り込む、みたいな)

そしてその結果をアウトラインエディタのファイルに統合する。

これで自分の足跡がおおかた網羅されるんじゃないかと思う。

ただ、その代わりアウトラインエディタのファイルがどんどん大きくなって開くのに少し時間がかかるようになった。これはちょっと課題。

#3 Endnoteの必要性3
やっとここで出てくるのだが、これまでは自分で作ったファイルがほとんどだった(つくると言っても教科書のまとめだったりするが一応自分で入力する、という意味)。

しかしこれからは他人のものを引用しなくてはいけない。もっというと他人のものと自分のものを厳密に区別できなければならない。もっともっというとその他人のものの出典(いつどこでだれが書いたものなのか)がはっきりしていなければならない。

ついでに自分の作った物(試験対策のものであれ)もいつどこでどういう目的で作ったのか分かればよりよい。

ただ、文献管理ソフトは、そもそも論文というのはかなり厳密なものなのでそのソフトもかなり厳密。結構ラフに最初は考えていてそれでフリーの文献管理ソフトを使おうとして難しくてやめた。

でも院生の先生がEndnoteを格好良く使っているのをみて悔しいというより「あっ、そういうふうに使えばいいんだ」というvisionが見えてそれで触ってみようという気になった。

Endnoteは相当高いしどれだけ使うか不明なのでref2000というフリーソフト(以前使おうとして断念したもの)を使ってみた。

操作は若干特殊だけれども、ちゃんとマニュアルを読めば動くし、どんなファイルでもリンクが出来るのが秀逸。pubmedのmedlineデータを読み込むこともできるから自分で入力する必要がない(ということはスペルミスをする可能性がなくなる)

使い方によっては文献検索だけではなくプロジェクト管理にも使えるんじゃないかという気がしてきた。

2011年7月11日月曜日

Wedding ceremony.

#1 Love is forever?

後輩の結婚式に行ってきた。後輩と同僚の看護師さん。ふたりとも知り合い。まあ仲が良さそうだったからよかった。

で挙式中にサプライズで(大体ゲストにサプライズをするのは意外)なぜか自分が指名を受けて急遽QandA式のスピーチを行うことに。

あと10分時間をくれればもっと受けの狙えることを言えたんだけど。

というかそもそもキューピットと言っている割にはなんで俺が二人の関係を知ったのが今年の三月なんだ…?

#2 No change, stable
.
久しぶに九州に来て色々な町並みを見る。結論としてはほとんど変わっていなかった。普段と同じ街並み、変わらない人たち。

いいところだなぁとは思うけれど、今いるところもそのうち同じような感覚になるのだろう。

こういう「第○のふるさと」が出来るのは財産なのかもしれない。

#3 Work from Tue.

月曜日はおやすみ。火曜日から仕事。

2011年6月4日土曜日

雑多感

上のグラフは自分の同級生がどこに進んだかを示したグラフ。基本的には卒業時の名簿を頼りにgoogleで検索をかけてそれらしい名前を探した。

さがす時のポイント
  • 「名前+病院」というキーワードで検索するとヒットする確率が高い。ただし、基礎研究に行く人は拾えない
  • 同姓同名がたまにいる(ありふれた名前だとひとりだけじゃなかったり医者でもいたりする)。そんな時は厚労省の医師確認サイトで登録年度を確認して出身地と照らし合わせそれらしい役職であれば採用
  • 女性は名前が変わったりするので多少あきらめ気味。下の名前だけで特定するのは困難で
  • 出身大学とその関連病院のホームページを一網打尽に調べ尽くすのも手
  • もう少し時間が経ってから検索すると多少はヒット率が上がるかもしれない(∵学会に入会すると名簿に登録される) 
  • 深追いはしない。ネットに出回っている一個人の情報は(有名でなければ)そんなにたいしたことはない
  • だいたい正味一時間くらいで終わる
個人情報は入っていないから問題ないだろう、おそらく。 上の内科・外科は専門科がなくてまずは内科・外科に行きましたというものをふくんでいる。

こうしてみるとまあ順当な結果かなという気がする。調べていく中で「まさかこいつが!!!」というのも結構あった。〇〇先輩と△△先輩が結婚してたなんて…、とか。学生の頃は二人は付き合っているなんて言わなかったけど、たしかに仲良く帰っていっていた気がする。まあお幸せにと言わざるをえない。

多数が不明のまま含まれていない、あくまで一大学1学年の結果であることを差し引いても進路を見ると外科や産婦人科へ進んでいる人はかなり多い気がする。産婦人科不足、外科不足と言うが結局絶対数が足りなくて比率としてはいい線いっているんじゃないかと思う。ちなみにこの結果は多い順で並べており、整形外科が一番多いのだけれども、それはうちの学年にスポーツ大好きなグループがあって彼らが全員そのまま整形外科に入局したものと思われる(外科系サブスペと内科系サブスペを合わせると順位は逆転する)。。

放射線科や麻酔科、眼科などに流れている人は意外と少ない。女医さんで「まったり」だろうと思われる人はだいたい内科に進んでいる傾向があるみたい。でも意外と???外科に行っている人もいてびっくりした。

まあ世の中医者不足だから(特に自分の出身県は)どこに行っても重宝がられることはまず間違いない。

# 日直@救命部
(×あまりに暇で給料少ない ◯自己研鑽のため)救命部で日直のバイトをすることにした。しかし何も来ない。忘れられているのだろうか…。まあいいけど。