2011年10月30日日曜日

雑多感

なんか最近は職場の愚痴ばかり書いているような気がするので、たまには前向きなことを。

#1 Cardiology again.
もう臨床はしないだろうと言っていたけれど、実は月曜日の内科外来をする時に結構必死に勉強している。

基本的には糖尿病、高血圧、高脂血症などの慢性疾患のコントロールが中心だけれど、医局においてあるmedical tribuneや漢方の本なんかをパラパラめくりながら知識をupdateする(本当にされているかは不明…)。

よく降圧薬や糖尿病薬の宣伝広告を見るけれど、これまで上司の言われたと通りに処方していた時はあまり気にしなかったが、いざ自分が処方する段になったら結構気にする。だってARBを今思いつくものだけあげると、ディオバン、オルメテック、ブロプレス、ニューロタンなど。さらに最近はアムロジピンとの合剤も出てきているので、検討し出したらきりがない。

というわけで、基本的にはこれまで使ってきたもの、安いもの(なるべく先発品か以前からあるジェネリック)、ちゃんと効くものを出すようにはしている。たまに聞いたことないようなジェネリックがあって若干不安だけれども、一応効果を確認はしている。

#2 ECG
前のentryでも書いたけれど、心電図は結構難しい。まあ難しいという発想は「心電図で全てを読もう」とするからであって、例えば胸部レントゲン、心エコー、血液検査などを併用すれば、左室肥大や弁膜症、心不全、心筋梗塞、高カリウム血症なんかは結構簡単にわかることが多くて、これまではあまり重視していなかった。

ただ、当直なんかで「採血できません!」「胸写取れません!」ということがしばしばあり「どーするよ。。。。」という時にとりあえず心電図と身体診察で出来るところまで推測するなんてことがあって(結局どうもなかったんだけど)、普段の読み方が結構適当だったからちゃんと勉強しようと本を数冊買ってみたところ(読むかどうかは…?)。

#3 Free minded
今はどうか知らないけれど、ちょっと前にPresentation Zenという本が流行った。著者は日本に来て幕の内弁当の合理性?に惹かれたり禅の質素さに感銘を受けてpresentationもそうあるべきだという発想に至った本。

かのSteve Jobs氏も禅の思想に感銘を受けそれがappleの製品作りに生かされていたというのも今では有名な話。

そろそろ学会があってよく分かんないけれど、口演をすることになって、それで今PowerPointを作成中。

あっと驚くようなのを作りたかったらkeynoteがいいんだろうけれど、PowerPointの指定があるため仕方ない。

昔は華やかな、エフェクトを多用したスライドショーを作っていたけれど、数年前にSteve JobsやBill Gatesのプレゼンテーションを動画で見てからはこれは違うな、と感じた。

もっというと彼らはテンプレートを使わず画面を好きなように使ったプレゼンテーションをしている。

#4 Draw a picture on a canvas
上にタイトルがあって下に箇条書きがあれば何も深く考えずに書けるかもしれないが、それでは窮屈だ。

というわけで真っ白な土台に字や図形、写真をひとつずつ配置して絵を作っていくようにしたらなんかいい感じ。

まぁ誰も良いとは言ってくれないけれど。

#5 ウニホーレン
そんなもの聞いたことがない。一体どこの広島で流行っているのか…?

Comments to recent news

最近のニュースに対してコメントを。

http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20111021ddm004070132000c.html

てんかん患者の運転事故はたまに耳にする。

個人的な感想としてはやっぱり運転しないほうが良い。てんかんという病気自体がまだ病態的に不明な点があること、またそれに伴い治療が対症療法的になること、それを絶対的にコントロールする方法がないことが挙げられる。

(専門でも何でもない)自分の理解ではてんかんは神経細胞が一斉に興奮してしまい起こるもので起こる場所によって意識障害を伴ったり伴わなかったりする。なのでそういう発作を起こさないような、言い換えれば「興奮を下げるような」薬が抗てんかん薬として使用される。

てんかんのコントロール自体が難しく、薬物の血中濃度を持ってコントロールの指標とするが、それが本人にとって適切な濃度かどうかを判定する絶対的な基準はない(そして本当に必要か?という人も飲んでいたりする)。

結局過去数年間のコントロールを見て運転が可能かどうかを判定するわけだけれども、これまで起こらなかったからといってこれから起こらない保証などどこにもない(だから血中濃度は定期的に測定する)。

もちろん交通事故を起こすのはてんかん患者だけではなく、普通の人だって起こしうる。でも居眠り運転しないようにしましょう(ちゃんと睡眠は取る、眠くなったら車を停める)というのは予防可能でこれを無視したなら確実に違反と言えるけれど、内服コントロール中のてんかん患者の運転事故はある種の不可抗力で、基本的には本人に落ち度がない。

頻度としては稀だよとか、居眠り運転のほうがよっぽど多いよと言われてもいつ起こるか分からない「こわい」事故は誰しも避けたいと思うはず。

今回は黙って免許を取っていたのだからまあ言うまでもない。人権との兼ね合いも難しいけれど、基本的には内服中に限り運転免許取得不可とし、例えばバスや電車の回数券を定期的に支給するなどの対応がいいのではと思う。

2011年10月15日土曜日

Medical practice 4.

だんだん回想集になってきた。第四弾はまた外科っぽい系に戻る。

#火傷した
・若い女性。料理中にお湯をこぼして受診。数時間たっており膨らんできている。

・熱傷の重症度は分からない
と一般的に言われている。特に植皮の必要性の有無となるII度深達性とIII度はかなり判定が困難なのである程度時間がたってから行うとされている。http://www.wound-treatment.jp/などを読みながら構える。

・一番怖いのは気道熱傷
料理中になることはないはずだけれど、火事や(前の病院でいたんだけれど)火を付けられたりしたときには早期に気管挿管を考慮する。というか基本的に気管挿管し鎮静をかけることになる。

まあそんな人は今は来ないのでのんびり出来るんだけれど。

・基本的には綺麗なはず
砂利道ですりむいたのならばまだしも基本的には?無菌のはずだからよほど汚くなければ軽く水洗いする。痛みが強ければキシロカインゼリーを塗ってしばらく待ってから処置。

以前は水泡は自然の被覆材の役目をしていてはがさないほうが良いとされていたが今は細菌感染の可能性があるので可及的に取ったほうが良いという意見もある。自分が習ったのは可及的に取る方法でまあ今のところ問題はないのでその方向で行く。

後はデュオアクティブを貼ったりゲンタシン軟膏→ガーゼをしたり。要するにいわゆる「湿潤療法」のあれ。

・若い女性に言うこと
結構あとが残りやすい。あとが残りやすいというのは熱傷後に出来る皮膚は弱くて紫外線を吸収して色素沈着しやすいらしい。なので露出する部分は(露出しない部分をやけどすることは殆ど無いとは思うが)日焼け止めクリームを塗ったり服で隠す必要がある。特にこの期間だけ、というのはないけれど、本人が気が済むまで、らしい。

#2 褥創処置
・80歳くらいの男性。脳梗塞後遺症で寝たきり、発語もできない、胃瘻造設後。高熱と炎症高値で入院。肺炎は確かにレントゲン上ありそうだけど、バイタルサインや検査値からはなんか変…?

・褥瘡感染を疑う
まあこの経過で褥創がありそうというのは大体想像がつくところ。ただ褥創処置はおそらく多くの病院で看護師がやるものという認識があるらしく医者がやるのはデブリくらいだったりするとこも。

結論から言うとこの症例では仙骨部に大きな(φ15cmくらい)褥創ができてい仙骨が露出していた(喋れなかったけどあ~とかう~とか言っていて相当痛いんだろうなとは分かる)。ただ、褥瘡感染が原因かどうかはよく分からない。「なんで褥創が出来るの?」と考えると背景に低栄養や体動困難、ケア不足など色々あってこれらの原因が起こすのは褥創だけじゃなくて何でも起こしうるから。

・洗浄とデブリメント
その時の上級医に教えてもらったのは「洗浄、デブリメント、(余分な浸出液を吸収するための)イソジンシュガーパスタ」の3つ。本来は看護師がやる処置だったんだけど、研修医だったから「毎日自分で処置をしなさい」と言われた。めんどくさいなぁと思っていたが、やるとそのうちだんだん綺麗になってきて楽しみになってきた。

まず壊死組織はどうやっても戻らないし感染の温床のなるので可及的に切除する。ポイントは血がにじむくらいがちょうどいいと言っていたが、あまりやり過ぎると動脈を傷つけて血が吹き出す。基本的に壊死組織は切っても痛くないはずだから麻酔はしない。

次になるべく綺麗に洗う。出来れば歯ブラシくらいで洗うとよい(大きさとか場所によるだろうけれど)。水道水で良いけれど、ぬるま湯くらいがよいとのこと。

そして最後はイソジンシュガーパスタをガーゼにこれでもか!っていうくらいに塗って被せる。結構大きかったから、でっかいチューブが瞬く間に消費された。

・意外と褥創処置は奥が深い
自分は勉強しようとして若干頓挫したけれど、DESIGN-R分類や褥創の種類によって薬剤が色いろあるらしい。いずれ必要になったときにまた勉強すればいいかというくらい。

ちなみにこの症例ではデブリ洗浄シュガーパスタを繰り返していくうちにあかあかしい肉芽が出始めてきた。その時点で研修期間が終了し次の人に引き継いだが、その後は(あまりにも大きすぎるので)植皮をするだろうということ。

2011年10月10日月曜日

Medical Practice 3.

というわけで読者はいないけれど第三弾。


#痙攣を起こした
・70歳くらいの入院患者。脳梗塞後、糖尿病、高血圧で入院中。もともとJCS III桁程度の意識がほとんど無い。突然右上下肢の痙攣が起こったということでCallあった。


・痙攣の原因
この症例では痙攣の原因は複数考えられる。脳梗塞後の症候性てんかん、低血糖発作、他にも脳出血だったり(脳梗塞後の人は抗血小板剤や抗凝固剤を内服していることが多いので)電解質異常、抗てんかん薬の服薬compliance不良だったり数えてみればきりがない。

この症例ではすぐに血糖を測定し低血糖は否定された。夜間だったため検査が出来なかったがここ最近の検査値を見ても電解質異常は否定的、再梗塞や出血は否定できてはいない。バイタルサインは発熱はなく、SpO2が95%(room air)→80%程度(room air)に下がっていた。喉がゴロゴロしているように見えた。抗てんかん薬の服薬なし。

・痙攣への対処
続いている痙攣は止める必要あり。大体の順番としてはホリゾン(セルシン) 1A→駄目ならホリゾン更に追加→駄目ならアレビアチン、フェノバール→更に駄目ならドルミカム→さらにさらに駄目なら挿管してマスキュレートということになる(用量や順番は多少変化する)。

この例ではホリゾン 1Aでもだめでもう1A ivして何とか収まった。今回は2回目で前回も同じようにして止まった。


・SpO2低下は続いた
痙攣止まったから良かった良かった、これならちゃんと呼吸できるでしょwと思っていたらSpO2は上がらない。あれ?と思っていて胸の音を聞いたけれど、ちょっと呼吸音が小さいけれど、左右差はないし、中枢性の気道狭窄音は聞こえなかった。

呼吸抑制かな?と思って10Lアンビューで押してみたけれど変わらない。なんでだろう?胃には入ってなさそうだし、胸郭も動いてみて普通に呼吸しているように見えた。

さっき痰がゴロゴロしていたので試しに吸引をすると結構粘り気のある痰が引けた。なかなか痰が引きづらかったのでネブライザーをかけつつ痰を引いて何とか引いたらSpO2は劇的に改善した。

劇的にというのはもともと痙攣前はO2 3L nasalで行っていたのが1Lで良くなったこと。まあもともと自分が見ているわけではないし、これからはまた主治医にお願いするわけであれだけど。


・低酸素血症か?
一応脳梗塞後だから症候性てんかんということになるが、個人的には脳梗塞→嚥下障害(喀痰の排出障害)→痰詰まりの窒息→低酸素血症→けいれんという経路が考えられるでは?と思ってみた。

そうなのかどうかはこれから痰を頻繁に吸引してみないと何ともいえないけれども。


#2 熱が高い
・80歳くらいの女性。高熱(39.5度)が出たということ指示をもらうためCall.

・熱の原因は?
本当はfocusを一生懸命探さなくちゃいけないんだけれども、まあ当直だし、、、とりあえず2週間前に同じように熱が出てその時は何もせずに翌日に熱が下がった。そしてその時に血液培養を提出していてS. aureusが出ていたこと。

2週間前が敗血症であったのなら1日で解熱するのはおかしい。菌血症の状態ではなかったのか?と想像するがいまいちはっきりしない。

診察上も特に問題なし。身体が熱い以外に優位な所見を認めない。


・治療はどうする?
食事がほとんどとれていないこと、また高熱で脱水をきたしやすいことから輸液を開始。またクーリングをしながら下熱をするために下熱剤を使用した。これまでの経過から現時点では感染症(特に細菌感染症)を疑う所見に乏しいと考えそのまま経過観察。

下熱剤はアセトアミノフェンの坐薬を指示したが病棟にはなかったのでジクロフェナク25mg PAとした。

http://kekimura.blog.so-net.ne.jp/2009-01-05

のブログによれば、下熱でNSAIDsを高齢者に使うと血圧が下がりすぎるし身体の反応を止めようとしていることになるから止めようという。確かに高齢者にNSAIDsを使ってあれれと血圧が下がった症例をしばしば経験するが、それは痛み止めとして使用していたとしても同じこと。

だったら高齢者にNSAIDsを禁忌とすると変形性関節症の人たちのロキソニンがなくなってしまう。

結局病院なのでちょっと定期的に血圧を測っておく、輸液を行う、ベッドから落ちないようになどでだいたいなんとかなると思う。

まあ原因疾患を同定するのが先なんだけど。

2011年10月1日土曜日

Driving in the daytime.

#1 Nostalgia or something.
当直先から帰ってきて、次の当直先に行く。

連休は休むことは少なくてなんかしていることが多い。と言っても大した仕事はしていないけれど。

季節は秋で暑い夏が終わりちょっと涼しくなる。車の冷房は切って窓を開けたら風邪がきもちい。

なんか大学の時に友達の車で田舎の道を運転している時のような感じ(関東は田舎だ)。

あの時にはもう戻りたくないけれど(笑)、それでも懐かしい。 ふと仕事を投げ出して旅をしたくなる。

ああいう旅をしたい、という気持ちはこういうのから来るのかなと思った。

#2 ロヂャース
またロヂャースに行ってきた。今度は別の店に。

大きいなぁという感想。

また行きたい。素晴らしいの一言。

#3 Update my textbook.
前の職場で上司から
心不全、肺炎、脳梗塞…の治療マニュアルを作って電子カルテに置いておいて
と言われた。その時から少しずつ作ってはいるけれど、なかなか完成しない。ガイドラインのエッセンスを全て盛り込もうと思うとかなり大変だし、第一そういう本は既にできている。

本当は置き土産としてみんなの役に立てるように本を作りたかったけれど、未完すぎて形にはならなかった。

今は外来をやったり当直をやったりしてその都度勉強したこと、確認したことを少しずつ加えながらまた気づいたことを書き加えながら作っている。

ただ、あまり厳密にし過ぎると教科書になる。そういうのを作りたくない。というか作れないしw

漢方医学のエッセンスを入れたり、外傷の処置を入れたりしてあまりほかの本では見ないような本を作っている。ポイントは自分にとって一番使いやすい教科書。

もっとやりたいこともあるけれど、実用・必要ではない計画は頓挫しやすい。今のテキストは実際に使っているから続くのだろう。

Medical practices 2.

というわけで最近の症例集。自分は基本的に外来・当直しかやっていないので入院系のがっつりしたのは今は基本的に診ない。前回が外科系だったので今回は内科系。

Case 1
・80歳くらいの女性。外傷性疾患で入院中。数日前から発熱あり解熱剤を使うと一時的に下がるが、使用をやめると再度上がる。熱が下がらないと(なぜか)当直医に指示を仰ぎに来た。

基本的に当直医に求められていることは応急処置だから「アンヒバ!」って答えそうになったけど、とりあえず診察。
ポイント
高齢者の発熱の原因:特に既往がない場合は大体相場が決まっていて「咽頭炎(風邪)、肺炎、尿路感染症」と来る。はやっていればインフルエンザが加わる。普通の腸炎は基本的には熱が出ないはずだが、多少は出てもよい(ただし、前景に立つのはあくまで消化器症状)。

本人の症状を聞く、身体診察をする:検査が縦横無尽にできる病院であれば「胸写採血検尿!」と叫ぶところだけれど、結局本人の話を聞いたり(含む既往歴、超重要!)診察をした方が近道だったりすることもある。口を開けて、胸の音を聞いて、顔を押えて圧痛を見たり、腰を叩いてみたり、足を触ってみたり(足を見れば歩いている人か歩いていない人か、心不全がありそうか、栄養状態は?など結構情報量が多い印象)

結局のところ除外診断:上記の相場に入っていれば話は簡単だけれども、そうでない場合は鑑別診断がアホみたいに増えてきて結構面倒。その場合は感染症、膠原病、腫瘍と挙げていき鑑別をするが、膠原病と腫瘍に関しては多くの場合緊急を要する事態ではないので後日ゆっくり精査をすることになる(検査が縦横無尽にできる病院であれば「全部CT!」となる)。なのであまりほめられたやり方ではないが、わからない場合はとりあえず抗生剤を流すことになる。

この症例では診察上特に問題はなかったが、口腔を見るのを忘れて後で診た。すると扁桃に白苔がついているではないか。もう一度頚部を触ってみると痛いと。反対側は痛くないので熱の原因は扁桃炎で良さそうということに。さっきは触った時に首痛いって言わなかったじゃん!!!というのはよくある話。


Case 2
70歳くらいの女性。1ヶ月間ほとんどご飯を食べていないとのことで受診。
ポイント
鑑別疾患は山ほどある:思いつくものを並べてみると消化器系(GERD, 炎症性腸疾患、慢性胃炎、胆石、胆嚢炎、胆管炎、肝炎など)、呼吸器系(感冒、肺炎など)、精神系(認知症、うつ病など)、尿路系(腎盂腎炎)、電解質異常、悪性腫瘍、膠原病…。というわけで結論から言うと、その場で確定診断をつけるのはほぼ不可能だということ。仮に上記に該当する疾患があったからといってそれを解決すれば食欲が改善するかどうかは不明。また季節性というのも否定はできない。

なので結局これも除外診断になる:とりあえず緊急を要するものを除外していくことになる。たとえば感染症、電解質異常くらい。これらは大体採血検尿でわかるから(後栄養状態もわかる)、とりあえず採血検尿しながら(どうせさすんだからと)点滴をする。

入院は良いけれどゴール設定をする:食思不振の入院は結局上記の除外ということになる。極端に栄養状態が悪ければCVCを入れて高カロリー輸液を開始することになる。ただ、栄養状態が良くなってご飯が食べれるようになる人もいるけれど、そうでない人もいる。原因が何であれ(脳血管障害でもそうでなくても)、自力でご飯が食べられない人は、そのうち日常生活も困難になって寝たきりになる。「それでも何とか!」という人は胃瘻を作って転院となる。
本人家族が期待しているラインと、実際到達するであろうラインがかい離しすぎていると後々トラブルが生じる。なので入院させるときは入院時に必ずたどりうる経過をいくつか説明しどうなったら退院(or転院)かゴールを決めておく必要がある。

・結局は点滴をして様子を見ることになる:脱水以外で点滴というのがどれだけ意義があるものかよくわからないけれど、結局のところ「じゃあ今日は検査も兼ねて点滴しておきましょうか」という結論にたどり着くことが多い。まあ意義はさておき点滴して元気になってくれれば安いもんだけどね。