本屋を見渡すと研修医向けのテキストが非常にたくさん並んでいる。
どれも良さそうに見えるけど「これ読むの無理だって」っていう本も少なくない。
どのテキストも自分(もしくは自分の病院で研修を行っている研修医)にとっては不十分なところがあり、自分でテキストを作ろうとかねがね思っていた。
でもいざ作ろうとしていたところで自分の知識の浅はかさに気づいてやっぱりそれより勉強だわと思って今に至る。
そんな浅学を省みずに自分の本棚の本を紹介してみんとす(どちらかというと救急・内科系が好きなのでその本を中心に)。
・内科レジデントマニュアル(医学書院)
いわゆる定番商品。定番だけあって確かに内容はわかりやすい。薬の名前を商品名で書いてあるところも意外と重要。しかし、膠原病、血液関連などは明らかに手薄。他の本を見れば?ということなのだろうが、やっぱり一冊で見れたらそれでいいかなと思う。
・研修医当直マニュアル
当直及び救急で一番参照した本。内科だけでなく、皮膚科や整形などの項目を扱っている。これに何度助けられたことか。とりあえず「何に対してどんな検査を出し、治療・説明をするか」ということがメインで書かれているが、実地診療ではこれで十分でありその背後の病態生理なんかは知らなくても全く問題ない。
と言い切ると、いろいろ反論が返ってきそうだが、真実でないにせよ、ある程度は当てはまっていると考えている。
・感染症レジデントマニュアル
もう一つ、レジデントのための感染症マニュアルという本があるが、あれは分厚すぎてもはや通読不可能。というわけで、こっちのほうが通読しやすい。非常にグラム染色を重視していて、病院によってはあまり現実的ではないかもしれない。最近直属の上司がグラム染色をやりだしたので意外と重宝している。抗生剤の耐性などの話は初版の2004年からしたらかなり変わってきているのかな?という印象。ニューキノロン耐性菌はうようよしている。
・Step beyond resident
こういう流行に乗ったような本はあまり触れてこなかったが、なかなかどうしてよくできた本。内科系の疾患はふむふむと納得することが多いが、外科系はbackgroundが浅いせいか読んでもいまいちなところも。
・今日の治療指針
ベタかもしれないけど、この本は秀逸。知りたいことを一直線に導いてくれる。
他にも沢山あるけど、 内科レジデントマニュアルと当直医マニュアル程度の知識で診療をやっているような気がする。あとは経験。イミグランを皮下注射して10分位待って「効かないじゃん!」と思っても30分位したらすっかり良くなってたり。
ただ、今の自分にはまだirregularな人が来た時の対応があまい気がする。これはたぶんたくさん経験を積んで、本で勉強して身につけるものなのだろう。
以上。
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