2012年7月7日土曜日

Educational problem.

#1 On the job training
最近の話題。夜間の救急対応中の心電図異常。

胸部症状があったが心筋梗塞などの虚血性心疾患は否定的で、まあルールアウトのために行った心電図でのこと。

検査技師さんが心電図を取っているのを横で眠い目をこすりながらパッと見てST変化なし、sinusで時々VPCあるけどまぁ異常なし。

採血でも酵素が上がってない、電解質その他著変なし、レントゲンで心拡大、胸水、肺水腫なし。

というわけで、心因的なものもあるのだろうということで帰ってもらおうとしていた。

#2 Read ECG
心電図なんて普段風景でしか読んでいなくて、しかも最近心電図を読む機会が減っていたから若干感が鈍っていたのは否定しない。

最初に遠目で見たときにいいでしょと言ってしまった自分が悪い。

いざカルテに挟まれた心電図をもう一度見たとき、なんか違和感があった。で(あまり賢くないけど)自動診断結果を見ると誘導つけ間違え疑いとのこと。

よく見るとaVRが陽性になっているではないか。I誘導が陰転化しているではないか。

となると答えはよくある「左右の誘導のつけ間違い」となる。すぐに担当した検査技師が呼びされた。

#3 Professionals
はっきりいって誘導のつけ間違いなんてよくあるし、でもそれに最初に気づかなかった自分も悪い。のでなるべくやさしく教えてあげた。

看護師さんは「ちゃんと言わないとわからないですよ!」ときつ~い口調で迫っていたけど。

心電図がちゃんととれているかを確認する方法はいくつかあるけど(最近はもっぱら自動診断、、、)、一つはaVRは必ず陰性だということ、胸部誘導ではr progression(R波がどんどん高くなること)がわかりやすい目安になる。

確かに看護師さんの「毎日心電図をとっているのならそれくらい気づいてしかるべき」というのはごもっとも。いくら新人とはいえ検査技師の専門分野なのでやっぱり間違えるのはまずい。というよりも間違えてもいいけど、どこかで気付く必要がある。

看護師さんの指摘ポイントは「気付くべき」箇所で気付けなかったところが改善の余地があるとのこと。

#4 How to tell the wrong point
間違っている点をどのように伝えるかは難しい。言い方にもよるけど相手にとって「怒られた」と感じる場合は少なからずある。

かくいう自分もそう。

看護師さんは「最近の若い人は間違えている点を指摘するのを怒っていると感じ取るから難しい」と。

自分もそう感じてしまうのでなるべく怒らないように笑顔でこうしたほうがいいよと伝えるようにしているけど、それでは本人にとって効果がないのかもしれない。

となるとどうやって伝えればいいのかわからなくなる。一番は心電図をとっている時点で「違うよ」と指摘してあげることなんだろうけど。

甘やかすだけがいい、というわけではないのだろう。それは分かっているけど、何が正解なのかは難しい。

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