2013年9月1日日曜日

In my bag, in the clinical setting

#1 In the clinical setting
鞄の中の医学書たち。

話をするときは「最近のエビデンスでは…」とするが、実際の処方画面や検査オーダーでは、エビデンスとはかけ離れたexperience or textbook based medicineが展開される。

いわゆるエビデンスは全てを答えてくれるものではなくて、聴診するときの聴診器の持ち方や聴診時の左手の置き場所なんかを教えてくれるわけではない。

ガイドラインなんかも、一見凄そうだけど、エビデンスが少ない領域ではとても心もとない。裁判の時には「腐ってもガイドライン」でガイドラインを順守しなければ、負けるのであろう。

それでも答えてくれることは多いし、これからも増えてくるとは思う。

話題がずれたので戻すと、今外勤先に行く時に鞄の中に入っている教科書たち

・レジデント初期研修用資料 内科診療ヒントブック 改訂2版

勢い余ってamazonにもコメントを書いてしまったけれど、かなり優秀。何がなんだか分からない時にこの本を頼りに検査を出していく。まぁある程度出せば専門家にバトンタッチなんだけど、穴を潰しにかかれるので秀逸。分からなかったらこうする、というのは取り敢えず「一晩何とか殺さずに様子を見る」、というニュアンスにも取れるが、経験がなくてもなんとかなるというのはありがたい。

・今日の治療指針2012
新しいのに買い換えようかと思ったけれども、隔年おきでも良いかと思って、来年のを待ち中。正直診察室に1冊置いておいてほしい。週1回の外来で全ての疾患の最新情報をフォローするのは無理なので、気になったらなるべく見るようにしている。最新の薬は大きな声では言えないけれど、周回遅れでも問題ないし、他の先生が使い始めたら倣って使うようにしている(副作用などの問題もあるのと最近の新薬はほとんどが同系統の新薬で積極的に変えるメリットが少ない)。

・画像ポケットブック
CT, MRIの正常構造のこれってなんだっけ?という時に。参照機会はあまり多くない。こういうのはTablet PC等の中に入っていたほうがよいかもしれない。。

・Tablet PC
自家製レジデントマニュアルを入れている。一見便利かとおもいきや、検索がしにくく、実際の外来では患者さんを待たせてしまうため、登場機会はほとんどない。これは改善すべき問題。

・体温計、SpO2モニター, 聴診器, ボールペン
聴診器はMaster Cardiologyを買ったが膜が壊れてしまったので、今はClassic IISEに戻っている。Cardiologyは確かに聴きやすいけれど、Classic IISEでも十分(さすがに大人のおもちゃだと雑音が入りすぎる、使えないことはないけど…)。体温計とSpO2モニターは看護師さんや事務がバイタルを測ってくれないことが多いので。風邪の患者さんにSpO2を測定しないって…。一度院内勉強会でバイタルをぜひ測定してほしいと理由をつけて講義したけれど、無理そうなので。あと電子カルテになってもボールペンは必要。使う機会は格段に減ったけれど。

・あったらいいなと思うもの
患者さんへの疾患説明用図。また血液検査の説明図。服薬アドヒアランスが良くないのは患者さんが病気に対する理解が不十分だからだとしばしば感じる。40歳男性でも80歳のおばあちゃんでそれぞれの理解度に合わせた説明は可能だと思う。「高血圧は高い圧が続いてその衝撃で血管の壁が硬くなる病気なんだよ」といえば大体わかってくれる。今度やっぱり作ろう。

・意外といらないもの
いつか読むと思っておいている教科書たち。早く取り込んで処分しよう。多分もう読まない。



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