2009年10月23日金曜日

分からないから始める臨床医学

結構壁にぶつかることも多いけどなんとか頑張ってます。

#1
若い男性、不明熱で入院した人。とある膠原病の本によれば色々原因を追及しても結局、感染症、膠原病、腫瘍のことが多いらしい。

本を何冊か読んで知識を貯えて、15分くらい詳しく問診と診察をしたけれども何となく分からない。systolic murmur(+)?

心エコーでvegetation likeなものあり、血培でG(+)ありでIE疑い。

経食道エコーまで施行して分かったことは大動脈先天性二尖弁だということ。

そんなの知らないって。。。。

#2
救急外来に来たお年寄りのおばあちゃん。AAAの既往があり、いつ破裂してもおかしくないとのこと。オペを勧められたけど、しないこととしていた。

突然背中から下腹部にかけての腹痛あり。造影CTまで撮ったけれども、明らかなleakなし。バイタルも異常ないし、腸炎でもなさそう。

二年生からの引き継ぎで「帰しておいていいよ」とのこと。

ペンタゾシンやアタラックスP、ブスコパンを試してみたけど全然痛みが治まらない。

結局色々相談してみたけど(外科、循環器内科)、腹痛の原因はっきりせず帰すのが恐くて経過観察で入院。

翌日心外受診し、大動脈瘤は痛みの原因ではなさそう(+AAAのオペ勧めてみたら?)、という返事が来て、さてどうしたものかなと考えていると、急に血圧が60台になったとの通報が(入院時は130台)。

とりあえず側管からソルラクト(ラクテック)全開、すぐに駆けつけると、顔面蒼白。

「立った時にふらついたんですよ。」

迷走神経反射か?と思って、血圧を何度か測り直していると80台まで上がり意識もだいぶはっきりしてきたのでとりあえず救急車が来てそのまま放置。

その後、また血圧が60台に下がったとのことでもう一本輸液を全開にしてすぐCTに降ろす(上司にすぐさま報告)。

結果的にはAAAからの出血ではないけど、腹腔内に出血あり。Hbが1日で10→5に半減した。でもfreshな出血ではなさそう。

入院時の説明の時に「動脈瘤は何があってもおかしくないですよ」と言って承諾は得ていたのだけれども、いざ破裂すると

「先生、手術してください」

とドタバタあって現在オペ中。

0 件のコメント: