医学書ないわゆる研修医マニュアルなんかにはあまり書いていないけれども非常に重要な能力。
物事の優先順位をつけること
これはたぶんsituationによっても、その人の実力によっても変わるだろうから一概にいえないこと。
うちの病院は往々にして同時に複数のタスクが押し付けられることがあり、それらを同時にこなすことがある。
同時にこなすと言うのは詭弁であり、実際はとりあえずどちらかの問題に手をつけてある程度落ち着いたら別の問題に手を出し、交互にすることになる。
もちろんそういうふうにできればいいのだけれども、本当に同時にこなさなくてはいけない場合がある。
そんな時に何を優先するか。
いわゆる仕事ができない称されている人は自分の目の前にある問題から片付けようとするfirst in, first outの発想になるのだろう。
本当はそれをすぐにしたことによるメリット、しなかったことによるデメリットを総合的に判断した上で、どれが一番無難かを選ぶことになる。端的に言えば「最悪の結果さえならなければ良い」ことになる。
「最悪の結果にならなければ良い」という場合は考える余地もないわけで実際は「どっちでもいい」とか「どっちを選んでも最悪」なんて事も多い。
「どっちでもいい」ときは良いとして「どっちを選んでも最悪」の場合は悩む。
もっというと、悩むことすらあまり意味のないことなので(自分自身のことは除く)、そういう際は病院の方針を確認しておく。
「外来は後回しで良い。救急対応を最優先とする」
「(どっちも回らなくなった際は)健診を優先、救急対応を後回しにする」
など。
外来患者は病院の方針としてholdingしても収益にはあまり繋がらないので救急対応を、また健診は保険診療に比べて収益性が高いため、健診を優先とする。健診を優先というのは個人的にはしっくり来ないが、これが病院の方針とすれば(自分の知っている範囲内では法律違反をしているわけではないはず、嫌なら辞めればいいだけの話、次の仕事がないから辞められないならそれを甘んじて受け入れる)それに沿って優先順位を決める。
あくまでこういう事も考えうるという一例。
病院の方針に背いた診療、行動をとった場合にはなにかあった場合に病院がかばってくれることはないし、病院の責任を追求することはできない。
経験上、業務上の優先順位で悩んで出した結論に、悩んだ分の価値があるかといわれると大抵ない。
そういう場合は自分の働いている土壌を考慮し、それに沿った優先順位をつける。
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